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2013年3月28日木曜日

「しみじみしじみ」

十三湖



風力発電は良くないらしいぞ、何しろ渡り鳥が風車に衝突してバンバン死ぬらしいから、と教えてくれたのは、出版界のカリスマと呼ばれる人だった。

三月二十二日(金)の読売新聞の夕刊にそれを裏付ける記事が大きく載っていた。
「十三湖で風力発電。環境省待った」と大見出し。
野鳥「年間1200羽」風車に衝突試算でと中見出し。
「渡り鳥ルートなどHPで公開へ」と小見出しがあった。

青森県十三湖に亡き親友と行った事があった。
ヤマトシジミを知るために行ったのだ。風強く、波高く、海ではないかと思えば湖である。淡水と海水が入り混じる汽水湖であった。

かつては日本七港の一つとして知られた十三湊(とさみなと)があった。
江戸時代にはコメの積出し港として栄えていたという。湖の側には小さな出店が並んでいた。勿論ヤマトシジミ関係のおみやげ屋さんだ。
ヤマトシジミは浅利位大きいので有名だ。

奈良屋さんという店に入った。
目的はしじみラーメンを食べる事と、シジミを4kg自宅に送ってもらう事だ。
酒飲みの肝臓にはシジミがいいと法律で決まっている(?)で、「しみじみしじみ」なんて酒飲み用の飲料を開発したらと思ったのだ。

友曰くシジミといえば宍道湖か十三湖か東京湾という事であった。
宍道湖は行った事がある。ヨッシャ!十三湖に行くべしと決め行動を起こした。
ついでに三大丸山遺跡に行こう、大好きな縄文時代に会えるからとなった。
しじみラーメンは薄塩ラーメンの様でなかなかしみじみした味であった。
海と湖の味が混然としながらも躾よく感じた。

さて、渡り鳥たちの話だが犠牲鳥は主にマガン、オオハクチョウ、マガモだと記事にある、それをバクッと食べる国の天然記念物オジロワシや数十羽しか生息していないチュウヒなどの猛禽類が集まるため、湖全体が鳥獣保護区に指定されている。
環境省の数字に対し風力発電事業者側の数字は10羽程度、年間でも100羽も衝突していないと相方の言い分は大きく違う。

私は風車にぶち当たっては無残に死んで行く鳥たちの味方でありたいが、脱原発派だ。
風力発電も必要だが鳥たちも守らねばならない。
良い知恵を出しあって欲しいと切に願わずにはいられない。
十三湖のざわめく湖面にうずくまる様にしていた鳥たちの姿が目に浮かんだ。


記事を読みながら亡き友を思い出した。
遺影の前においてあるぐい呑みにお酒を注ぎ入れた。風車に追突せずとも大きな鳥に食べられてしまう。オレたちも渡り鳥の様な人生だったなと語りかけた。
友が微笑んでまた十三湖しじみラーメンを食べましょうと言った気がした。

1 件のコメント:

しきろ庵 さんのコメント...

ぜひまた しじみラーメンを食べに来てください。