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2019年4月15日月曜日

「タイガー・ウッズに泣いた」

本日午前三時二十九分十一秒。ついに、ついに、ついに「タイガー・ウッズ」が、メジャー中のメジャーである、マスターズゴルフトーナメントにおいて逆転優勝した。世界中のゴルフファンは勿論、スポーツを愛する人々に感動の嵐を呼んだ。絶対王者だったタイガー・ウッズが、腰痛の手術を、膝の手術を何回も何回も繰り返し、一時は走行すら困難であった。その間数多くの女性とスキャンダル、痛み止めの薬などの飲み過ぎにおける醜態では、ABCすらまともに言えなかった。その深夜の職務質問のシーンは、世界中に配信され、タイガー・ウッズは終わったと言われた。だが少年時代からゴルフを愛し続けたタイガー・ウッズは、決してゴルフを諦めなかった。ネバーギブアップである。4日間72ホール・288ホールを戦って、2位との差は1打差であった。並み居る世界の強豪たち、次の時代を担う若いスーパースターたち、一時は世界ランク674位まで落ちていたタイガー・ウッズは、昨年奇跡的な一勝を勝ち取り、このマスターズトーナメントでの勝利を目指し、練習を重ねた。ゴルフボールの進化、ゴルフ道具の進化は、飛躍的に飛距離を増し、かつて圧倒的飛距離を誇っていたタイガー・ウッズを若手は超えていった。そのことをタイガー・ウッズは、しっかり受け入れ、若手たちより先に第2打を打ち続けた。ライバルであったフィルミケルソンは、もう一度強いタイガー・ウッズと優勝争いをしたいと、傷ついたタイガー・ウッズを励まし続けた。天はすべてに苦悩し、激痛と闘うために努力を重ねたタイガー・ウッズを応援した。勝利の一瞬、ギャラリー(パトロンたち)は絶叫し、ゴルフ場を破壊する如く歓喜の声を上げた。ついにアメリカのヒーローはオーガスタのゴルフコースを揺るがした。私は努力して諦めず、誇りを捨てずに闘う男を支持する。日本のゴルフ界の絶対王者だった「ジャンボ尾崎」はすでに七十歳となった。やはり腰痛の手術を何度か受け歩くのもままならないが、レギュラーの試合に出場し続ける。昨年は一年間で賞金ゼロである。私はジャンボ尾崎のライバルであった青木功のファンであり、もう一人の天才中嶋常幸とは、ある飲料メーカーのTVCMの仕事で一緒していたので声援を送り続けた。中嶋常幸は若い頃、サイボーグと言われた。父親と猛練習を重ねた。「AONの時代」である。口の利き方も知らず、挨拶もできないと言われた中嶋常幸は、クリスチャンである一人の女性と出会い、洗礼を受け劇的に人間が変わっていった。父親との縁を切ったという。その中嶋常幸がマスターズゴルフトーナメントの解説である。冷静かつ謙虚、正確にして愛情溢れる解説が際立っていた。「A」の青木功はゴルフトーナメント協会の会長となりゴルフ界に尽くしている。「O」のジャンボ尾崎は後進の指導をしてその中からトッププロが何人も出ている。「K」の中嶋常幸はシニアトーナメントで活躍している。私は4日間マスターズトーナメントを見続けた。そして288ホール目タイガー・ウッズが勝利のパットを入れた時、涙がとめどなく流れた。一人で大拍手をした。81勝目をあげたタイガー・ウッズは最多勝のサム・スニードまであと確か1勝。ジャック・ニクラウスのメジャータイトル最多勝まであと3勝だ。ナイキの白いマークの入った、赤いシャツ、黒の帽子が最終日の定番、黒いスラックス。神がかったオーラを発する姿に他のライバルたちも、勝利を祝った。努力した者にしか勝利の神は微笑まない。昨日千葉の「八柱墓地」に恩師の納骨に行った。帰宅すると、小さな庭の牡丹の木に3つの大輪の花が一気に咲いていた。あと一本にも花芽がある。6年目の奇跡だ。もう二度と咲かないと言われていた。アメリカという国の良いところは、何度失敗しても挑戦する者を応援する。日本は一度でも失敗したらずっと痛め続ける。今日は大事なプレゼンテーションがある。努力は重ねた。(文中敬称略)

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