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2019年4月16日火曜日

「お札の顔」

いい芝居には、いい脇役が必ずいる。主役はその脇に固められてこそ、その存在が際立つ。恋愛の世界では、愛されなくなったことより、嫌われるようになったことより、いちばんつらいのは、「忘れられる」ことだと言う。紙幣界の芝居の主役が変わると発表された。人にいちばん愛されたのは1万円札であることは言うまでもない。次に5千円札。その次に1000円札、おや、待てよと思った。2千円札があったではないか。その2千円札は変更しないと言う。その理由を財務大臣は、流通枚数が極めて少ないため、と言った。紙幣を一新するならすべてやるべきと思う。うがった見方すると、2千円札は沖縄の守礼門がメインビジュアルであるから手をつけないほうがいいと判断したのでは。沖縄に冷たい日本国政府は2千円札の扱いも冷たく、その流通を推進させなかった。2千円札は脇役にもなれなかった。紙幣界の芝居のメンバーだったのに、役がつかなかった。そしてすっかり忘れられた存在となった。沖縄サミットや辺野古への移設を進める、当時の日本国政府の〝ゴキゲントリ〟だった。2千円札は実に不遇であった。ちょっとした御祝いや、お年玉やお小遣いを奮発する時、2千円札は丁度いい額だった。5千円では多い、1000円では少ない、3000円も少し多い。いっそ2500円札があればベストだった。2千円札の上手な使い方読本とか、2千円札の効果効能とかの、雑誌特集とか、便利読本が沖縄とタイアップしたり、いろんなコラボレーションをすすめてきら、これほど忘れられなかっただろう。いずれにしても守礼門がメインの2千円札に、手をつけたら嫌がれると腰が引けたのは確かだ。いっそジュゴンとかマンタとかをメインビジュアルにするとか、沖縄が生んだ巨人「瀬長亀次郎」さんを起用すればよかったと思う。下手を打ち続けている麻生太郎財務大臣の器量では、そこまで考えられない。沖縄が生んだ、最強にして最高のヤクザ、通称「スター」と呼ばれた、空手の達人なんかもいいのではなんて思う。その「スター」を殺した、通称「ミンタマー」と呼ばれた強烈な人もいるが、きっとまだ生きているのではお札にはできない。2千円札も沖縄をコンセプトに一新しなければ、極めて片手落ちである。あの岩倉具視なんか一歩間違えれば極道者よりはるかに悪党のくすぶった公家であった。







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