私は天邪鬼であり、大のラグビーファンでもある。今の心境は、だからニッポンはダメなんだよとなる。今年行われたラグビーW杯でニッポンのチームは、ベスト8になった。暗くて嫌な話ばかりの世の中で、久々に日本中が沸きに沸いた。ニッポンは強くなった。外国の選手をたくさんチームに入れて。外国人選手の中には、日本人より日本人的になり、チームを引っ張ってくれた。テレビの視聴率も50%を超える試合があった。チームの標語(ワン・チーム)は流行語大賞になった。だがしかし私は“まてよ”といいたい。優勝した訳でもなく準優勝でもない。強力な外国人助っ人に入ってもらっても、“ベスト8”である。明るい話には違いないが、スポーツの世界はNo1になってこそ価値がある。E・ヘミングウェイが言った「勝者には何もやるな」はすでに勝利というものを手にしたのだからとなる。0.001秒差で銀メダルになっても、金メダルの選手とは、天と地ほどの差となる(私は1秒にこだわる)。何故なら歴史という記録の中では、その価値が歴然とする。ニッポンは勝者ではない。アイデア不足で、すっかりマンネリ化したテレビのバラエティには、同じメンバーばかりが出て、バカ騒ぎする。ラガーマンたちが連日連夜、朝昼晩三食のごはんのように出ては、そのバカ騒ぎの相手をする。君たちはベスト8に残っただけだ、未だ世界のトップとは大人と子どもぐらいの差があるんだ。もし外国人の力を借りていなかったら、100対0で負けていたかも知れない(ニッポン人だけならありえる)。だからもっと、もっと体力をつけ、技術をつけ、走力、キック力を上げねばならない。テレビのバラエティに呼ばれなかった、スクラムを組む男たち(一人は笑わない男と言われ呼ばれた)は、なんだよアイツらばかり、チヤホヤされて思っただろう。つまり、ワン・チームではなくなっている。そして、昨日あろうことかベスト8の成績でパレードを行って観衆に手を振った(みんなで)。テレビマンたちはしてやったりと思っただろう。私は苦笑しながらニュースを見ていた。サッカーも同じだった。ベスト16の成績でチヤホヤされて、すっかりその気にさせてしまった。結局それ以降パットせず、個性的な選手は育っていない。プロ野球にいたっては、外国人助っ人の天国となっている。大リーグではすっかりの選手たちが、日本のプロ野球では、バカスカ打つか、大金を手にして遊び回り、スッカスカの成績で帰国して行く。狭い球場、飛ぶボール、飛ぶバットであっても、遊び過ぎた体には力が入らない。私は天邪鬼であるから何事も斜めに見る。日本人は「空気」によって大騒ぎとなり、潮が引くように忘れる。ベスト8はどこまでいっても“ベスト8”であって、“ベスト1”でない。団体競技は、数人だけがチヤホヤされてはいけないスポーツなのだ。真の「ONE TEAM」でないことに残念さを感じた。改めてテレビの力は恐い。出張していた仙台駅の待合室のテレビを見ながらそう思った。仙台駅は牛タン、牛タン、牛タンのみやげ店ばかりが目立つ。牛タンのお土産を買って、大きな袋に入れて待合室のベンチに置いて、トイレに行って戻ったら、アッレー! 袋がなくなっていた。私の勘違いだろうか、ウロウロと袋を探した。
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