池波正太郎といえば「鬼平犯科帳」だ。
小説、劇画、ドラマでこれほど大ヒットした時代劇シリーズはない。
主人公長谷川平蔵を現在は人間国宝中村吉右衛門が演じている。
名人芸は初代平蔵を演じた父、松本白鸚に重なる。
丹波哲郎も演じていたがやはり、白鸚か吉右衛門である。
ずっとむかしから池波正太郎ファン、鬼平ファンなので殆ど見てきた。
はじめの頃は三ツ矢歌子さんのご主人であった小野田幹雄さんが監督をしていた。
美術はやはり名人西岡善信さんであった。最近は特番で二時間やる。
そのテーマ曲がギターである。
このギターのテーマ曲のイントロにシビレていたのだがフルで聴いたことはない。
昨夜、クロード・チアリより、アントニオ古賀より、木村好夫より上手いのではと思うフラメンコギタリストに鬼平の主題曲をフルで弾いてもらった(といっても相手がまずはと言って弾きはじめた)。
仕事を頂いている社長さんが連れて行ってくれたのだ。
銀座元日航ホテル側、コリドー街の側、中華の名店維新號の側であった。
階段を上がって二階、入り口に古いゴルフクラブが沢山束になっている。
店内はほの暗く狭い。
ギターが三本壁に掛かっている、カウンターがあるが椅子にいろんな物が置いてあって機能していない、電子オルガンが幅を効かせている。
入って左に六人位座れるボックス、奥にやはり同じようなボックス。
夜八時過ぎお客さんは一人もいない。
いつもは混んでいるのだが熊本で地震があってからガクンと客の入りが悪くなったとか、ギタリストはゴルフ狂であった。ハンデ5というからセミプロだ。
いきなり店内にパターマットを敷いてサンドウェッジレッスンを始めた。
ギタリストは釣キチでもあった。
マグロ談義、魚談義に話は変わった。
店の名は“サンホセ”ギタリストの名は「ホセ桑田」本名が保勢さんであった。
さあ〜それではギターをとなった。で、始まったのが鬼平犯科帳の主題曲であった。
超絶的なテクニックであった。
今まで聴いた日本人ギタリストの中で一等賞ではと思った。
ホセさんこと保勢さんはまずは「夜霧のしのび逢い」西田佐知子さんの大ヒット曲「コーヒールンバ」の原曲、次に名作映画「禁じられた遊び」の主題曲を弾いてくれた。
そしてぜひ「ラ・マラゲーニャ」を言ったら、それを弾きそして唄ってくれた。
ホセさんこと保勢さんは最高のギタリストであり歌い手であった。
三十分ほどいたのだが、水割り1杯を飲み忘れたほど久々ギターに聴き惚れまくった。
鬼平犯科帳の主題曲はとても長い曲であった。
池波正太郎のファンならばきっと涙をながすだろう。
あるヤキトリ店に何年ぶりかで行ったのだがむかしに比べてずい分と味が落ちていた。
茅ヶ崎の「鳥仁」が横綱だとしたら十両位であった。何しろどのヤキトリも肉が固かった。ヤキトリ大外れ、フラメンコギター大当たりであった。