「人心難斗」関ヶ原の合戦で敗れた、「石田三成」の遺した言葉である。
人の心ほど難しいものはないという意味だ。
関ヶ原の合戦では小早川秀秋が裏切ったから石田三成たち西軍があっという間に敗れたというのが”伝聞”である。
実際がどうであったか当事者たちがいないので正しいことは不明である。
関ヶ原後、豊臣家を裏切った、加藤清正は変死、福島正則は改易、他の大名たちも悲劇的結末を遂げている。
原始人間が集合体を生んだ時から、ヒエラルキーは生まれた。
運動会の騎馬戦は三人が騎馬役になり、一人が上に乗る。
「もしもしな、なんでウチの子が馬で、あのウチの子が大将なんですか、いや~、騎馬役の子より軽い体重の子を乗る役にしてるんですよ、と電話にでた学校の先生は汗をふく」
これから運動会の季節、先生たちはこういう電話を何本か受けることになる。
こういう問題は会社組織になるともっと露骨に進展して、仲良かった先輩後輩の間はズタズタとなり、恩儀と信儀でつながっていた関係は、ブツブツと切り離れる。
そこで使われる言葉が、あのヤローが小早川秀秋だったんだと裏切り者の名が挙がる。
人から大事な金を借りて返さずダマシ打ちにする人間を、悪い野郎は都鳥(みやこどり)という。
森の石松から金を借りて返さずに、石松を斬り殺してしまった。世の中には小早川秀秋的人間と都鳥吉兵衛的人間がウヨウヨいる。
それらは等しく人の心を持っている。
もし人の心に色がつけられることができたら、あいつは悪いからとか、灰色だからとか、無色だからと判別できるのだが、残念ながら推測を持って接し合うしかない。
人の心はパラシュート、開いてみないと分からない。
人間とは実に厄介な生き物である。
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