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2018年10月12日金曜日

「塩害とフグ」

二週間続けて月曜日が休日、得したのか、損をしたのか、一週間が早く過ぎてしまった。昨日人に会うために日本橋近辺を歩いていたら、街路樹がうす汚く茶色になっていた。塩害である。度重なる台風が日本橋まで塩害を浴びせたのだ。風の来た方向だけが茶色になっている。海のそばの小さな住まいに暮らす私の家の坪庭(らしきもの)にある樹木も塩害でボロボロになってしまった。玄関(らしきもの)の脇にからまる、蔦もボロボロになってしまった。ママチャリ二台と、私用のハイコロ(自転車のこと)は、塩風でサビの上にサビが重なっている。チェーンは茶褐色となり果てた。こうなりゃ、CUREの556しかない。これを発明した人にはノーベル賞を授与していいと思う。何しろ全て動かなくなった、ネジが556ひと吹き入れると、スルンスルンと動き出す。サビついた人間関係や、仕事関係、親兄弟、親類関係も556で、スムーズになるやもしれない。初物のフグを食した。ヒレ酒も二杯飲んだ。酒は私にとって556である。一ヶ月近く禁酒をしていたので、すこぶる旨い。フグはまだその味が若い。あと一、五ヶ月位すると、グンとよくなるはずだ。年末にもう一度、自分へのご褒美として食すつもりだ。その後久々に銀座へ出た。兄弟分とデザイン界の大巨匠と会うために。ここでは半合しか飲まなかった。やはり銀座の夜はいい。ここでも街路樹が塩害にやられていた。もうこれ以上スリットを入れたら、全て開放と思う女性が緑のチャイナドレスでお客さんを送っていた。又ね、又ね、又来てね〜と言って送ったあとだった。ソロソロあの客飛ばしてやるか(破滅)と決心したかのように、ジッと立ちつくしていた。お店の中で、ケーキにローソクを立ててみんなで、ハッピーバースデーをやっていた。不粋なヤローだと思ったが、店のオーナーがいちばん大声ではしゃいでいた。銀座での粋な飲み方は、客が混んでいたら、40分位でサッと席を立つ、ガラガラなら、次の客が来るまで粘ってやる。席がそこそこになったら、ハイサヨナラと席を立つ、これが銀座。赤坂はもう少し長く。六本木はさらに長く、西麻布は説明ができない。あの人、あの方、あっあいつ、まさかあいつらを見ることとなる。私はもう全然近寄らない。♪〜夜がまた来る 思い出つれて 俺を泣かせに 足音もなく 何をいまさら さびしかないが 旅の灯りが 遠く遠く見えるよ・・・。小林旭の歌を口ずさみながら、えっ、もう明日は金曜日と酔いが醒めた。ヤバイ原稿の〆切だ。

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