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2018年10月9日火曜日

「きしめんと、スッピン」


昨日小田原10時8分で名古屋へ行った。仕事をおてつだいさせてもらったマンションのモデルルームが完成した。すでに一ヶ月近く経っていたが、諸々仕事があり、又、台風の影響でスケジュールが狂った。名古屋は天気晴朗だった。タクシー乗り場の側に、プレハブの交番があった。そこに大きな木製の看板があり、下手な筆文字で、「みかじめ相談所」と書いてあった。みかじめとは、用心棒代(略してジンボー代と言う)さすが山口組六代目の地元である。タクシーに乗り、運転手さんに、この頃ドンパチはあるのと聞いたら、全然静かなものですよと言った。来年高山若頭が出所して来るので、静かにしているんですよ、暴対法もあるしね、とやけに詳しかった。モデルルームはとても明るくて、よく出来ていたのでうれしかった。休日なので予約したお客様が相談コーナーにたくさんいた。シニアの夫婦、若いカップル、小さな子(一歳くらい)をダッコした夫婦、大切なお客様のジャマをしてはいけないので、サラ、サラッと見た。シアタームービー、立派な模型の部屋、挾土秀平さんの作品、バッハ幅さんのコーナー、浅葉先生のマークの紹介ボード、各種ポスター、大型ポスター等々を見た。日当たりがよく明るかった。販売会社の人が親切に応対してくれた。顔を知っている女性もいて、蘭の花をありがとうございますと、言ってくれた。(オープンの時に送った。入り口にたくさんの蘭の花が置いてあった。)次に待ってもらっていたタクシーに乗って、工事中の現場を見に行った。未だ基礎の段階だった。仮囲いに大きなキービジュアルがあった。その後名古屋駅へ。三連休の三日目、キップ売り場には長い行列が出来ていた。外人さんが多い、とても多い、ものすごく多い。中国人やアジア人より白人系が多い。私の前に並んでいたのは、やたらに太った40代の白人男性、その連れが日本人女性、34•5歳だろうか。ノーメイクであった。が、とても美しい。スッピンでこれほど美しいのだから、メイクアップしたら、女優さんと同じになるだろう。なんで、こんな野郎にと思った。男のダブついたジーンズから、白いシャツがはみ出ていた。90キロ位はあるだろう。女性はやけに疲れきっていた。目に輝きがない。二人はキップを手にして消えて行った。腹が減ったなと思った。小田原止まりは、一時間に一本しかない。残り時間はあと26分。ヨシ、ホームできしめんを食べようと思った。名古屋のきしめんは、駅のホームが一番ウマイ。海老天きしめん680円を頼んだ。たっぷりとカツオ節がのっている。昔、オマエヨオ、きしめんみたいにヘラヘラしてんじゃネエなどと表現していた奴がいた。きしめんはすすった時の独特のズルズル感がいい。かなり無秩序な音がする。山梨のホウトウはかなり厚めであって、ヘラヘラとしていない。名古屋駅ホームのきしめんは、私の知っているヘラヘラ野郎と違って、天下人を生んだ誇りがある。信長、秀吉、家康の歴史が、やや薄めのつゆの中にある。空腹が天下を取ったように、満たされた。赤い制服を着たおじさんが、テキパキと働いていた。ホームには人、人、人。指定席は売り切れていた。が、指定席に空きは必ずある。車内精算でOKだ。「赤福」か「ういろう」か「煮込みうどん」を買うかと思ったが、やめた。列車は時刻通り入線した。指定席の空きを目指して、一両、二両と車内を歩いた。オッ一つ空いている。右三人、左二人、その一つ。多分時間に間に合わなかったのだろう。オッ三人の方を見ると、キップ売り場にいた、太った男とスッピンの美人。すでに目を閉じていた。太った男を相手にして疲れたのだろうと、よからぬ想像をした。女性がいちばんセクシーなのは、スッピンである。


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