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2013年5月10日金曜日

「アホノヤバカオ」

※写真は転載です 




ある雑誌にこんな若者が紹介というか誌上公開されていた。
仮の名を私が勝手につける事とする。阿呆家馬鹿男(30)。

職業ネットを利用した広告システムを軸にしたIT関連会社社長。
六本木のタワーマンション最上階や広尾など、都内一等地に自宅を5つ所有。 
7000万のロールスロイスをはじめフェラーリ、ベントレーと外車三台、腕時計はパテック・フィリップにハリー・ウィンストン、時々利用するヘリコプターのチャーター費用は一回170万円、3800万円の費用を使って自著の広告を一週間関東全域のJRの列車内に提示させる。

彼女とランチのためヘリで長野に移動しそばをすする、空からの風景は前菜なんだとか。とまあ書いているだけで阿呆、馬鹿となる。夢を与える存在になりたいという。
「嫌消費」「さとり」同世代人と一線を画す。
ヒーローがいない世の中僕のような若い人間がこういう生活を見せる事で刺激を与えたい。僕は刹那的なのでこういう生活が全部なくなっても別に構わない。

23歳で起業するも2年前倒産、その直後に現在のビジネスモデルを考えたとある。
ただいま月商5億円とか。

おい、ちょっと映画作りに出資しろ、いやいいシナリオがあるのでどうか出資して下さいか。いや、やっぱり映画に出資しろ、でないとパチンコでヘリコプターを撃ち落とすぞと、ボールペンを持った手に力が入るのだ。


こんな若者が実はニョキ、ニョキ増えているのだという。
IT成金というらしい、またはネット長者とか。
愛は金で買えるといっていた人間がヘリで長野ではなく、護送車で長野刑務所に入所。
現在ダイエットに成功して釈放された。

ヨォーイスタート、ハイカット、もうワンテイク、ハイ本番、ヨォーイスタート。そんな掛け声を出してもらいたい人がいるのだが私は全くのIT音痴だ。

喫茶店の片隅でチクショウと思いながら350円の珈琲を飲む。
オッオッ、ロールスロイスだ。
もしかして阿呆家馬鹿男では、オーイ、いいシナリオがあるだと立ち上がるもアホガキめと座り直して残りの珈琲を飲むのだった。

と、空にはバリバリバリとヘリコプターの音、オッまた出たかアホガキめ、と言いながら指でパチンコのゴムを引いて紙を丸めて玉にして、空に向かってプシっと打つのであった。何すんだよイテエーじゃねーか、と紙玉が当たった斜め前のオッサン。エライスミマセン。(連休明けの白昼夢です)

2013年5月9日木曜日

「上と下」



※イメージです



株式市場が外国人のヘッジファンドの買い増しで偽活況化している。
私は全く株式投資に縁はないのだが、あの大バブルの時期大手証券会社の仕事をさせていただいた。

相場の世界では「獅子は眠れるうちに、うなぎは動き出す前に捕まえろ」という格言があるらしい。今は時すでに遅しかもしれない。

日本橋兜町には証券会社が立ち並ぶ。
兜町の栄枯盛衰を見守ってきたのが「うなぎ屋」さんだ。
最盛期には十数店舗あったが今は僅か五店舗だと聞いた。

うなぎ上りという言葉がある。株があがるとうなぎ屋さんの売上も上がるのだ。
長引く不況と株の低迷、またシラスウナギの激減で仕入れ価格がうなぎ上りで経営が苦しくなり一店、一店と店仕舞いをしていった。

「松よし」という店のご主人の記事が目を引いた。
株価は五割以上も上昇、政府も好況感を煽るが庶民の懐具合がよくなった実感はない。
客は一日7080人で変わらないが、特上4000円が一日10個以上出るようになった。
おまけに領収書なし、ポケットマネーが潤ってきたかもしれない。
最大の関心はやはり業界トップの野村證券の夏のボーナス、野村が上がらないと本物ではないらしい。
お客さんの8割は証券関係以外だと、山一證券が破綻してから証券会社が次々に消えていってしまったのだ。
ご主人は投資への誘惑も多いけど、やっていたらこの店もなくっていただろうと語っていた。

月に二回、私は証券取引所の横を通る。
水天宮に通う用件があるからだ。
私も証券会社の仕事を沢山させてもらっていた時、投資を勧められたが本業をするので手一杯、また博打の怖さは若い頃嫌という程学んだので仕事上で勝つか負けるかに集中した。1950年創業の「松よし」へ行ってみんなで特上を食べる日を願っている。

上がったら下がるものがあるのが世の常だ。
私大下宿生への仕送り額が最低になった。 
12年連続のマイナスだ。一ヶ月の平均仕送り額は前年度より1800円減、過去最高だった94年度124900円より3割近く落ち込んだ。その額平均89500円。家賃を除いた生活費は27700円、一日あたり923円という。
果たして多いか少ないか(?)
親が一生懸命働いて仕送りしているのに、親不孝を重ねている学生も多いがこの国の未来は彼等にかかっている。

私の若者への期待はいつでもうなぎ上りなのだが彼等に特上のうなぎは奢れない。
が、並ならごちそうできる。世の中を自らの力で動かしてやる、そんな気がある人は是非会いに来て欲しい。「うなぎ+肝吸い+お新香」を一緒に食べよう。
ただし、ヌルヌルと掴みどころのない者はお断り。
ビシっと気合の入った目をしている人を待つ。

2013年5月8日水曜日

「ひとり位は」




私にとって、長嶋茂雄は正真正銘の「神」でありつづけている。
あの10月14日の引退試合にはカメラマンを配置し写真を撮りまくった。
そして泣いた。

監督になった時、後楽園の内野席を2席契約した。
解任された日、行きつけの店で怒りそして泣いた。

スポーツを政治的利用され大イベント化された5月5日のこどもの日、私は心から感動できなかった。私の大切な「神」を邪な政治家に奪い取られた気がした。

体が不自由になったミスタープロ野球にいまさら国民栄誉賞という選考の在り方が気に入らない。
謙虚がユニホームを着た様な「ゴジラ」松井秀喜の居心地の悪そうな姿を見ればそれが見てとれた。


今までは首相官邸内で行われていたはずだ。
今回厳重な警備の中でイベントを行ったのは、来る七月の参議院選挙で圧倒的に勝利し憲法改正に突き進む人気取りに他ならない。

同じ賞を受けた王貞治、衣笠祥雄はなぜグランド上で表彰されなかったのか。
この二人の表情は複雑であった。
森光子はなぜ舞台の上でなかったのか、吉田沙保里はなぜリング上ではなかったのかという事になる。他の受賞者も皆同じである。
私は不公平が嫌いである。
国民栄誉賞というなら今後は国民が選ぶべきだろう。


長嶋茂雄を打者にし、松井秀喜を投手にし、原辰徳を捕手にした。
そして総理大臣安倍晋三は背番号「96」をつけて審判となった。
はしゃぎ回る安倍晋三は明らかに躁状態となっている。「96」という数字が96代の総理であるという事と「96」条を改正するぞという意味を示している事はいうまでもない。

ちなみに、プロ野球のルールでは審判はユニホームを着てはいけない。
勿論洒落のつもりだろうがここでも邪な浅知恵を感じた。

純粋な長嶋茂雄、律儀な王貞治、一途な衣笠祥雄、一人ひとりきっと良き両親に躾けられたのであろう、正心な松井秀喜。四人に共通しているのは決して人の悪口をいわない、決して泣き言を言わない事だ。
私の様な日頃悪口雑言ばかりの嫌われ者とは違う制御の効いた人間である。

今回のイベントを見て国民のほとんどは心から感動した事だろう。一方それを観た権力者とその側近たちはしてやったりと思った事だろう。
NHKのドキュメント番組で二時間長嶋茂雄の壮絶なリハビリと戦う姿を見た。

 同じ様に日々戦っている人々にはきっともう一度やりたい「何」かがあるのだろう。
このままでは終わりたくない「何」かが。

本来始球式は儀礼的に投げれられた球を儀礼的に空振りするものであった。
が、熱える男長嶋茂雄の目は打つぞという気迫に満ちていた。
左手一本で空振りした。高めのボールを悔しがった。その姿に私は涙を流した。

と、同時に安倍晋三は7月、憲法改正に「YES」か「NO」かで、衆参同日選挙をやるであろう事を強く感じた。そして彼の大嫌いな公明党を外し、やりたい放題の巨大権力を生むだろうと。こんな想いをするのは私ひとり位だろうか。
後世この55日こどもの日が実はその決意表明であったと判るだろう。


すでに自衛隊を国防軍にすべき様々な球は投げ始められている。
公園で野球をする子どもたちがかつて神宮球場から学徒出陣していった事と同じ軍国主義の中にいる。そんな悪夢を見た。 
56日、安倍晋三内閣総理大臣は、ゴルフ場の芝生の上を勝利者の様に会心の笑みを浮かべて行進していた。

総理!支持率最高、やるなら今でしょ!の掛け声が聞こえた気がした。
7月にやらねば三年後体が健康である保証はない。
また、アベノミクスという人類史上初の日銀による実験は大失敗に終わっているはずだからだ。急いで歴史に名を残したいと思う人間には、今そこにある果実しか目には入らない。(敬称略)

2013年5月7日火曜日

「予想以上」



※イメージ


その日、辻堂駅北口にあるテラスモール湘南4階の本屋さん有隣堂から頼んでおいた本が入りましたとの電話、よし、食前の運動とばかりゆっくり三十分程歩いてモールに着きました。

午後一時を少し過ぎていました。
エスカレーターで上がったところ、レジは大行列でした。
で仕方なく四十番目位に並びました。
ところてんの様に少しづつ押されてレジに近づいて行きました。
二十番目位になった時、行列は渋滞となりました。

 ごっそりマンガを買った親子、数冊買った本にあれこれうるさくカバーを付けさせる嫌味な男、マガジン一冊にも領収書を書かせねばならない会社員風の女性、図書券を使って買う小学生とカウンターは詰まってしまいました。

さて、と左を見ると村上春樹著の「多崎つくる・・・」の新刊がごっそり平積みされている、どこも売り切れなんて言っていたけど。見るとへんなりと薄べったい。
何のオーラも出ていない、誰も手にしていない。

思わずその本を手にした。
357頁、作家の命はじめの一行はイマイチだった。とその時列が動き出した。
本を手にズルズルと前へ進んでしまった。結局買ってしまったのだ。

家に帰ると、え、村上春樹を買ってきたの、みたいな視線。
午後四時位から読み始めた。マズった、やはり予想どおりというか予想以上に不出来だった。読み進むほど遠藤周作の名作「深い河」を思い出した。 

180頁位読んで麻婆豆腐、回鍋肉、小籠包、野菜スープを食した。
そして再び読み進めた。

いやはや参ったなんの、ハルキストの人には申し訳ないがフツーの青春小説だ。
全てが辻褄合わせ。村上春樹氏なる男は余程女の子にモテなかったのだろう。
かなり気恥ずかしくなってしまう。そしてクドクド同じ事が多すぎる。

後で知ったが有隣堂では二箇所で平積みをしていたとか(追加大増刷した)。
村上春樹氏は名古屋人が嫌いなのがよくわかった。

かつて読者から小説はどう書いたらいいのですかとの問に村上春樹氏はこんな答えをしていたという。まず何を書くか、次にどう書くか、だから何を真似るか、そんな意味の事を。でもまあ売れたが勝ちか。

昨日ある大学で講演をした。撮影NG、録音NG
人に顔を見せるのが嫌いだとか。出席した人の話によると、自分の書いた小説を、今度のは良くなかったが、次に期待する。そんな待っていてくれている読者が好きだとおっしゃっていたとか。先生はやはり優れたプロデューサーだ。

その日の麻婆豆腐は想像以上に甘かった。

2013年4月26日金曜日

「黄金の日」


イメージです
明日は4月27日(土)だから、休みの取りようで十日間のゴールデンウィークとなる筈だ。私といえば出たり出なかったり、ひょっとしてずっと出なければとなった。
で、ブログも5月6日(月)までお休みとした。
さて皆々様はどうしてますか。休むのも仕事の内といいますから、一日でも多く休んで下さい。休日というからには何もかもお休みが決まりです。
ダラダラOK。ゴロゴロOK。パジャマな一日OK。マルちゃん正麺にネギ多め、メンマ入れ、ナルト投入、ゆで卵二つ切りそっと入れOK。プラス冷たいライス&永谷園明太子ふりかけOK。マルハのサバ水煮缶におろし大根どっさりのせ&イカ丸煮缶&オイルサーディン&サトウのご飯、なんて家庭内キャンプみたいでドリームホリデーとなる。ノザキのコンビーフなんかも二個位用意しとけば少々の地震が来たってOKだ。
人混み大嫌いだから外には出ない。愚妻はいずこかへお泊まりへ。
ひとりパラダイスなキャンプ生活をするのだ。いっその事、寝る時はシュラフ(寝袋)にするかと思っている。
食う、寝る、飲む以外何もしないという事をする。
電子レンジを一度だけ使った時にオムライスが炎上して以来、電子レンジとは不仲になった。サトウのご飯はチンしないと食べられない。
ひとりじゃ生きていけないわよ。そのくせ火は危ないから使わないでよ、なんてヌカしやがるから、小さな庭で飯盒を炊いてやるかと計画をしている。
何が起きるか分からない世の中、皆々様くれぐれも油断は禁物、人生は荷物。
良きゴールデンウィークを。火の用心を!

2013年4月25日木曜日

「イカン、アカン」


イメージです


人生とは何か?この深遠なるテーマは如何なる哲人も答えを見出していない。
その核心を知るため、ある人は滝に打たれ、ある人は坐禅を組み、ある人は旅に出る。又、ある人は酒を断ち、欲を断つ。人はさまざまに悟りの境地に入る事を試みるも、その域に達する事は難しいのである。
この頃「さとり世代」という言葉によく出合う。
車やブランド品に興味がない。旅行にも興味がなくお金を稼ぐ意欲もない。地元志向で恋愛に淡白、過程より結果を重視する。情報源はネットが頼り・・・等というのが特徴らしい。
1990年代後半に生まれ、現在年齢20代半ばの若者たちだ。
物心ついた時には景気が後退。その一方ネットの普及で情報はあふれていた。
物事の結果を先に知ってしまって合理的に動く。
「ほどほど」が合言葉。
偉くなりたいかのアンケートでは8.7%しか偉くなりたいと思わない。夢はあんまりない。そこそこがいいと“さとり”きっているのだ。
ある大学の社会教育学の教授は「夢は情報のないところに生まれる」と書いていた。受験や就職の向こうに、いい生活があると思えないと、さとってしまっているのだ。
さて、こんな事でいいのかしらんと思ってしまう。
野心も野望もなく、夢や希望もなく、色も欲もない若者たちがこの国の未来を背負っているのだ。イカン、アカン、ヤカンなのだ。
遊べ、食べろ、恋をしろ、夢を抱け、四苦八苦せよ。
人生の何たるかに向かって歩を進めよ、だ。
先輩諸氏よ、若者たちに遊びを教えてやって下されや、とお願いする。
私といえばいまもなお、多くの煩悩をかかえ、ちいさな庭に咲いた牡丹ちゃんと問答をするのです。
人はパンのみに生きるに非ずという。


2013年4月24日水曜日

「偉い経営者と、貧しい経営者」




世の中には実に理解ある偉い経営者がいる事を知った。
その日、本屋さんで週刊誌をパラパラとめくった。そこに小さな広告があった。
千房㈱、㈱一門会、㈱牛心、㈱信濃路、カンサイ建装工業㈱、㈱プラス思考、㈱プログレッシブの社名があった。日本財団が広告主であった。
キャッチフレーズは、“少年院、刑務所出所者を支える「職親」プロジェクト”であった。
MISSION】出所者の円滑な社会復帰を支え、再犯率を下げる。とあり、
GOAL】働く場の提供から生活支援まで。参加企業が出所者を見守る「職親」制度をつくる。であった。

先日発表になった数字を見ると刑務所を出所した人の再犯率は30%〜40%位であった。
又、暴力団員の30%位は元の組織に戻るとあった。
エンコを詰めている人(指を詰めている)、モンモンを背負っている人(刺青をしている)、シャブ中だった人(麻薬中毒)あらゆる犯罪に手を染めてしまって、刑務所に入り出所した人を受け入れてくれる会社の経営者の存在に心から、あなたたちこそ本当の経営者だと思わず週刊誌の広告に声をかけた。

4月23日の朝日新聞でユニクロの柳井正社長がロングインタビューに応えていた。早い話、仕事は生きるか死ぬかだ。例えブラック企業(ネット上でそう言われているらしい)と言われようと、社員が「うつ病」になろうと、入社して直ぐ辞めようと知ったこっちゃないのだと。
ちなみにユニクロに入社して5年もつ人はかなり少ないらしい。
柳井正社長の貧しい顔、貧しいコメントを読むと、この男には絶対天罰が下ると確信した。
日本一金持ちの男は、日本一貧しい男なのだ。