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2013年5月9日木曜日

「上と下」



※イメージです



株式市場が外国人のヘッジファンドの買い増しで偽活況化している。
私は全く株式投資に縁はないのだが、あの大バブルの時期大手証券会社の仕事をさせていただいた。

相場の世界では「獅子は眠れるうちに、うなぎは動き出す前に捕まえろ」という格言があるらしい。今は時すでに遅しかもしれない。

日本橋兜町には証券会社が立ち並ぶ。
兜町の栄枯盛衰を見守ってきたのが「うなぎ屋」さんだ。
最盛期には十数店舗あったが今は僅か五店舗だと聞いた。

うなぎ上りという言葉がある。株があがるとうなぎ屋さんの売上も上がるのだ。
長引く不況と株の低迷、またシラスウナギの激減で仕入れ価格がうなぎ上りで経営が苦しくなり一店、一店と店仕舞いをしていった。

「松よし」という店のご主人の記事が目を引いた。
株価は五割以上も上昇、政府も好況感を煽るが庶民の懐具合がよくなった実感はない。
客は一日7080人で変わらないが、特上4000円が一日10個以上出るようになった。
おまけに領収書なし、ポケットマネーが潤ってきたかもしれない。
最大の関心はやはり業界トップの野村證券の夏のボーナス、野村が上がらないと本物ではないらしい。
お客さんの8割は証券関係以外だと、山一證券が破綻してから証券会社が次々に消えていってしまったのだ。
ご主人は投資への誘惑も多いけど、やっていたらこの店もなくっていただろうと語っていた。

月に二回、私は証券取引所の横を通る。
水天宮に通う用件があるからだ。
私も証券会社の仕事を沢山させてもらっていた時、投資を勧められたが本業をするので手一杯、また博打の怖さは若い頃嫌という程学んだので仕事上で勝つか負けるかに集中した。1950年創業の「松よし」へ行ってみんなで特上を食べる日を願っている。

上がったら下がるものがあるのが世の常だ。
私大下宿生への仕送り額が最低になった。 
12年連続のマイナスだ。一ヶ月の平均仕送り額は前年度より1800円減、過去最高だった94年度124900円より3割近く落ち込んだ。その額平均89500円。家賃を除いた生活費は27700円、一日あたり923円という。
果たして多いか少ないか(?)
親が一生懸命働いて仕送りしているのに、親不孝を重ねている学生も多いがこの国の未来は彼等にかかっている。

私の若者への期待はいつでもうなぎ上りなのだが彼等に特上のうなぎは奢れない。
が、並ならごちそうできる。世の中を自らの力で動かしてやる、そんな気がある人は是非会いに来て欲しい。「うなぎ+肝吸い+お新香」を一緒に食べよう。
ただし、ヌルヌルと掴みどころのない者はお断り。
ビシっと気合の入った目をしている人を待つ。

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