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誰だか忘れたが手帳をパラパラとめくっていたらこんな一行が書いてあった。
「運命は性格の中にある」芥川龍之介だったかもしれない。
博学の徒なら分かるはずだから気がついたら教えていただきたい。
グサッと刺さる言葉だ。
何か上手くいかない、何だかツキが回って来ない、何もかも面白くない。
そんな時、親のせい、兄弟姉妹のせい、会社のせい、上司のせい、気に入らない同僚のせい、クライアントのせい、あの野郎のせい、自分が持って生まれたDNAのせい。
要するに全ては自分以外のせいで片付けている人には、運命は複雑に動くのだろう。
私も運命にため息をついた時、あっちこっちのせいにしては「せいせい」させていた。
人間は運命線の上を走っているのだから長いトンネルに入ったり、落石にあったり、脱線したりする。
そんな時は乗っていた列車を降りて道路の上を歩くといいと分かったのは、実はつい最近だ。この事に気がついたらずっと見えていなかった自分が見えて来た。
時すでに遅しの感がするのだが、その見えて来た法に従って行こうと心を決めた。
私の性根と性格の悪さは治るはずがない。ならば、何故今日これまで生きて来られたかを振り返ってみる。
午前一時四十七分四十一秒。
いつものグラスにジンビームを入れた。ストレートで一杯。
喉から食道を通り胃袋に熱い液体が通過した。トンネルの中を列車が通過する様に。