そりゃあんまりだよと昨日書いた映画「関ヶ原」の酷評について、映画に関係したスタッフの一人が言った。
そうだなでも50点だから別段悪い点じゃないよ、でもね撮影は大変だったんだ。
分かる現場の人たちは自分の専門分野に命がけだからねと言った。
映画の世界は実に恐い。
どれほど苦労に苦労を重ねたワンカット、ワンカットも、製作委員会の中でいちばん出資している会社の人間が、そのカットいらないね、カットカットでカットされる。
監督はジッと我慢をしていたが遂にカッとなり、そのカットの重要性を口角泡を飛ばして語る。
なんであの女優の濡れ場がないの、お客はそれを見に来てんだよ、脱がせよ、脱がせと、次に出資している会社の人間が言う。
監督はロマンポルノじゃないんだとカッとする。
あのさぁ~私シナリオ読んでないんだけどね、資金はいっぱい出している訳よ、でさぁ中華そば屋のシーンでさ、なんでギョーザ食う時にラー油使わないの、お酢がさ多すぎじゃないの、それにラーメンの中にホウレン草入ってんの嫌いなんだよね、取り直してほしいな。
なんてことを真顔で言う。
才能ある監督はバカヤローとカッとして台引っくり返す。
俳優を送り込んでいる事務所は人気女優が監督にイジメられていると言い、現場でそれダメ、それ見えすぎ、それ汚しすぎと口を出す。
監督はカッとし続け一本の映画をつくるとストレスで頭の毛が抜けてしまう。
悪徳プロデューサーは各マスコミに頭を下げる、が集めた資金をこれはオレの特権とポケットに入れてしまう。
その結果監督の撮りたかったシーンは消えて、空だ、波だ、カモメだ、竹林のざわめきだという心象風景に変わってしまう。
製作委員会の連中は、なんであの子と飲めないのとか、あいつなんであいさつに来ねぇのとブンムクれる。
監督は徹夜。
徹夜でカッとしながら編集をする。
そんな苦労を知っているが、映画は出来上がった作品がすべて。
苦労話とネコババやおねだりは後日談。
大ヒットすればマァいいでないかいとなる。
監督はそうはいかない評価がどうかが気になるのだ。
ひょっとして映画賞をと考える。
だがこの賞がクセ者である。
えっ、な、な、なんであの映画が一等賞なのとなる。(映画会社制作作品に決まっている)
それでも最近はインディーズ系が名を連ねる。
いい映画を低予算でつくっている。
何故いい作品が生まれるか、製作委員会方式でなかったり、あっても二・三社だけだからだ。
さて、「関ヶ原」だがぜひ観てください(?)その上でご連絡を。
お互いの意見をガンガン交わしましょう。司馬遼太郎先生の原作は何故ヒットしないかを話します。(大河ドラマでも)映画的のようで映画的でないんです。
オイ隣りのおじさんいつまでベビーラーメンバリボリ食べてんだよ。これがイヤーな臭いなんです。
この中年男はビールのおつまみではなく爽健美茶を飲みながら、ベビーラーメン2つをボリボリと食べまくりました。とても映画談議には縁のないような、つまんない顔をしていました。帰りの列車の中のことです。
私はあまりの臭いにカッとなったのです。ヘイ!ベイビーと…。