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2011年4月5日火曜日

湘南から喜怒哀楽 「手巻き式」

この度の計画停電で思わぬ優れものに出会った。
それは「たまご充電」という手巻き式ラジオ兼懐中電灯兼非常用サイレンだ。
手のひらサイズでふっくらしたたまご型、裏に手巻き機が埋め込まれている。120回、回すと1時間ラジオが聴ける、AMとFM両方だ。

パチンと停電になったらカセットラジオは役に立たない、ラジオはないかという事になった時愚妻が確か通販で買った非常用ラジオがあると言いだして物入れをゴソゴソした。

あったあった、これラジオよと言った。
丁度義姉が来て居り組み立ててくれた(私は家では基本的に何も出来ない)娘と息子の所にも以前送ったと言って連絡をした。

手巻きを一生懸命回す役は私がやった。ラジオから次々とニュースが入る。やるじゃないこれと言ったら愚妻が手を叩いて喜んだ。真っ暗な中で蝋燭と懐中電灯、そして手巻き式ラジオ。

なんとも近代的だがやっぱり重要な三点セット、トリオザパンチ、トリオスカイライン、トリオロスパンチョスだ。原発の放射能流出を止めるのに新聞紙とおがくずを投入なんてコンビの名を聞いた時耳を疑った。
考え抜いた手段が高分子ポリマー+新聞紙とおがくずなんて一体どうなっているのかと思わず苦笑した。
おい、新聞紙大事にしておけよいずれ計画集配に来るかもしれないからと言った。


週刊誌をペラペラめくっていたら銀座のホステスさんがリュックの様なバッグを持ち歩いている。中には下着を3日分、防寒着、ペットボトル預金通帳や実印など戦時中と見間違うばかりの光景が広げられているとの事だ。

着物姿はほとんどいない。逃げる時に不便だからだろう。グラグラ揺れた日の前日から夜の銀座には行っていない。自分の客を持っていない女の子たちは自宅待機との事だ。銀座の女の子にとって命の次に大事なのが預金通帳らしい。たまった数字は一番の精神安定剤なのだろう。

浜圭介の歌に「おんな道」というのがある。
「嫌なお客にせがまれて 男の枕にされながら 作る笑顔も生きるため」とかであった気がする。

私の預金通帳に残はない。精神不安定になるが6月のイベントに全てつぎ込んでいる。
咲いた花なら散るのが覚悟、人生最後の落とし前をつけたいと思っている。60余名のアーティストの人達が才能の花を満開に咲かしてくれている。自分の心を手巻き式の様に回している。120回回すと一時間頭が働くのである。

1 件のコメント:

こし さんのコメント...

6月のイベント楽しみにしています。


この惨事。
自分は非力だと思えて、悲しくなってしまいます。
しかし!
私は深く考えすぎると、さらに何もできなくなる気がするので・・・

とりあえず、今日も気合入れて乗り切ります。