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2012年2月17日金曜日

「生よく死を制す」




茨城県水戸に日蓮宗のお坊さんで井上日昭という人がいた。
行動右翼のシンボルとしてその名を残している。
「一人一殺」というのが心定であった。
五・一五事件で政府要人を襲撃した若者達の教祖でもあった。

時の総理大臣犬養毅は豪胆であった。
拳銃で撃たれた時、有名な言葉を発した。「話せば分かる」と。
それに対し若者たちは「問答無用」といって止めを撃った。
若者の中に四元義隆という東大出がいた。
つい最近死ぬまでは時の権力者の思想的黒幕であった。

 井上日昭は「一死多生」とも遺したという。私はこの言葉が好きである。
一死をもって一人でも多くの人に尽くしたいと願うからだ。地獄に堕ちるのが当然の事ばかりしてきたので少しでも罪滅ぼしをと思っている私なのだ。

たった一度の人生、たった一度の死、ならば世の中の為にならない奴等を道連れになどと思うのだがそれに値する様な人間がいない程悪党も小者になってしまった。

この頃あの大嫌いな五木寛之ではないが、法然や親鸞や日蓮や蓮如などの本を読んでいる。
又きっと行くであろう地獄の関係書を呼んでいる、何故だろうか。

3.11以後自分の命に対して敏感になっている様だ。
どう生きるかより、何を遺し、どう死ぬかを考える。
自分の命でかけがえのない命を救えるなら望むところなのだ。
「死よ驕る勿れ」イギリスの詩人ジョン・ダンの言葉を、詩人の田村隆一が訳した。
正に死よあんまり威張るなよといいたい。「生は強いぞ」

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