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2013年5月31日金曜日

「ピンポーン」




もしもし、ヒガシモトさんですかと電話があった。
誰というと中年の女性、お墓はもうご準備されてますか。
トウモトだよといったらスミマセンといってガチャン。

もしもしトウモトサブローさんのお宅ですか、そうだよなんだよといえば、若い女性が固定資産税12000円が未納になっております、お金ないから差し押さえてもいいよといったら、そんなご冗談をといった。

ピンポーン、ハイどちらさんですかと扉を開ければ中年のおじさん。
外から見るとだいぶ壁が傷んでいますね塗装をさせてもらえませんか。
あ、そうでも傷んだ壁もまた風情だからいいよと断る。

ハイ、もしもし。トウモトサブローさんのお宅ですか、ハイそうです。
若い男の声、茅ヶ崎で土地を探しているんですが今売る気はありませんか。
ないよお客さんが来てんだよ、でガチャン。

ピンポーン、ハイ誰といっても声なし。
扉を開けば38歳位の男と33歳位の女性、それと小学校45年位の男の子。
女性の手には印刷物が、聖書にご興味はという。無宗教ですといった。
男が私たちは「ものみの塔」ですといった。
この間も断ったの、イエスにはノーなの坊やゴメンネといって終わり。

もう一つもしもしがあった。
少し年がいった女性の声、こちらアフラックですが新しいがん保険のご案内です。
うちの奴ががん保険のセールスをやってるからと嘘をついてガッチャン。

そこでうちの奴、つまり愚妻の友人宅へ電話、いる、いるわよちょっと待って。
もしもし何、何じゃないんだよ、色々うるさくてしょうがないから帰って来い、お客さんも来てんだ、でガッチャン。休日一日中家にいると実に面倒な事となる。

相手にとって仕事といえば仕事だから仕方がない。
布教もお勤めなのだろうから仕方がないと寛容の精神でいるのだ。
変な応対をして逆恨みされたらイヤダから口の利き方を気をつけてといわれているからだ。

ピンポーン、水を持って来ました。
ピンポーン、お米を持って来ました。
ピンポーン、宅急便でーす。
ピンポーン、自治会費をよろしくと。

チクショウ早く帰って来いってんだ。
で相談に来た知人の息子さんとの話を進める。
とぎれとぎれで話がわかんなくなってしまった。
えーっとそうか子どもがセブンイレブンで万引きして警察にいるんだっけ、引き取りに行った時どうしたらいいかだった。絶対手をあげたらだめよまで話たんだ。

プルルル、プルルル、ル。と気の抜けたラッパの音が聞こえた。
そうか休日はお豆腐屋さんが売りに来るのだ。
ごめん、豆腐と油揚げ買って来るわ、ちょっと待っててとなった。
アイツおっせいなマッタクと舌打ちしながら。

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