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2013年12月9日月曜日

「熔ける人」



WHO(世界保健機関)は国際疾病分類に「病的賭博」という項目を設けている。
わかりやすく言えば、ギャンブル依存症の事なのだ。

次の10項目に心当たりのある人は要注意だ。
   賭博にとらわれている。
   興奮を得たいがために、掛け金の額を増やして賭博をしたい。
   賭博を抑える、減らす、やめるなどの努力を繰り返し、成功しなかった事がある。
   賭博を減らしたりやめたりすると、落ち着かなくなる。またはイライラする。
   問題から逃避する手段として、また不快な気分を解消する手段として賭博をする。
   賭博で金をすった後、別の日に取り戻しに帰ってくる事が多い。
   賭博へののめり込みを隠すために、家族、治療者、またはそれ以外の人にウソをつく。
   賭博の資金を得るために、偽造、詐欺、窃盗、横領などの非合法的行為に手を染めたことがある。
   賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある。
   賭博によって引き起こされた絶望的な経済状態を救うために、他人にカネを出してくれるように頼る。
 
双葉社刊・井川意高著「熔ける」より(原文ママ)東大法学部に現役で入る程の優秀な人間、元大王製紙社長、現在懲役四年の刑で入獄中。
カジノへ行き勝った負けたを繰り返し、やがては負けて、負けて

賭博で熔かした金額は1068000万円。
賭博は必ず胴元が勝つと決まっている。
勝ち逃げする勇気と、今日はここまでで終わりという強固な意志がある人間、または今日は偶然勝ったのだ、だから二度と偶然はやって来ないという冷静さを持つ人間でないと、地獄へ落ちやがて入獄となる。
株や相場への投資、不動産などへの投資をしている人も同じだ。

井川意高(もとたか)元社長の場合は「アルコール依存症」と「ギャンブル依存症」、それと「抑鬱状態」の三拍子が揃ってしまった結果だと書いてあった。
入獄せずにいたら200300億と熔かし続けた筈だ。何しろ病気なのだから。
 そして何より財力があったからだ。命が無くなるまで続けただろう。


十二月六日(金)午後六時半〜八時四十五分、会社の番頭さんとやっと手に入った「立川談春・独演会」に行った。板橋の会館はビッシリ満員、相変わらずの大人気だ。
「立川志の輔」と共にチケットが手に入らない当代一、二を競う落語家だ。
演目は「寝床」と「ねずみ穴」であった。

談春が書いたエッセイの名著「赤めだか」に確か父親が大の競艇好きで、子供の頃板橋から埼玉県戸田に引っ越した、直ぐ側に戸田の競艇場があり、父親とそこに入り浸っていたと書いてあった。その夜すっかり落語に酔った後、会社に戻り、資料と共に友人より借りてあった「熔ける」をカバンの中に入れて帰った。

何が目的で書いたのかは分からないが、本の印税は全額社会福祉事業に寄附いたしますと書いてあった。日本にもいよいよカジノを作るとか。

井川意高元社長が拘置所に入った時、堀江貴文から座布団の差し入れがあった。
それがとても温かくありがたかったと書いてあった。
入った者だけが知る差し入れのメニューだ。

世界中のカジノで共通している事、それはカジノで儲ける者は「質屋」と「カード会社」「ジャンケット」というお客をカジノに引張る人間。それと当然の様にソックリ儲けるのは「カジノマフィア」だ。賭博はやらなければ絶対に負けない。
そして熔ける事もない。
人生最後に勝つのはコツコツ働いた人間と歴史的に決まっている。(敬称略)



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