ページ

2014年11月26日水曜日

「ある勉強会」



TBS6ch午前一時十一分〜四十一分、「深夜食堂」を見終わり書いている。
今回の食事は「ロールキャベツ」だった。

主人公はストリッパーのマリリンだ。整骨師の若者はマリリンに恋してる。
若者はストリップをしているマリリンに、もうやめてくれと頼む。
マリリンは仕事にプライドを持っているので断る。

マリリンの母親が上京して来る、母親は男遊びばかりしていた。
マリリンはそんな母を嫌っていた。母親の上京の目的は癌が転移していないかの検査のためだった。マリリンのステージを見て「あたしにゃつらいわ」とストリップ劇場を出る。観客たちはマリリンの裸に拍手する。
ストリッパーは同性に見られるのを嫌うことを私は知っていた。

ある年、若手女子デザイナーと若い男のスタッフたちに浅草のストリップを見てくるように勉強会とした。落語を聞く会とか、お能を観る会、歌舞伎を観る会、相撲の朝稽古を見る会とかの延長であった。

私の主旨は芸人のプライドや芸を売る、身を鍛える厳しさ、人生の深底を知っているのは芸人さんであることを知ってほしかった。
私たちの仕事も芸人と同じ芸を売る仕事だから、いかに日々自分を見つめ、精進努力をして芸を磨くかを学んで欲しかったのだ。

「好きこそものの上手なれ」という言葉がある。
自分の職業を好きでなければ決して上達はしない。
マリリンの母親の癌は転移してなく、田舎に帰り再婚する。
マリリンは深夜食堂でロールキャベツを食べながらなじみのお客に母親の花嫁姿の写真を見せる。世の中には無数の職業がある。
その職業についている人の数だけ、意地とプライドと人生がある。
職業で人を判断するほど卑劣で愚かなことはない。

深夜食堂を楽しみにしているのは、毎回人間味あるテーマがあり、料理一品がある。
小説家はマンガ家に勝てないと思うドラマがある。
次回の主人公は「ベンガル」さんだ。むかしある作家と話した時に、いい女とはの私の問に、ロールキャベツを作れる女だよといったのを思い出した。
ではダメな女とはと聞いたら、ロールキャベツを買って来る女だよといった。むかしある女流作家に、いい男とはと聞いたら、私みたいないい女に恋する男といった。
ダメな男とはと聞いたら、出した料理にツベコベいう奴といった。

私は断然ダメな男ということであった。
今日はきっとロールキャベツを食べよう、セブンイレブンのおでんの中に入っている。
ツベコベはいわない。

0 件のコメント: