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2016年2月2日火曜日

「違いが分かる人のネスカフェ」



ネスレ日本が2015年の新入社員の採用活動からエントリーシートをやめ、代わりに年齢、学歴、国籍を問わないインターネットを通じたテストに切り替えたという記事を読んだ。
「徳川家康が残した“最も多くの人間を喜ばせた者が最も栄える”という言葉の背景を説明せよ」こんなひねったお題を8日連続で提示して答えてもらうという。
その狙いは定期採用を通年採用にし、選考もインターンシップやディスカッションを重視するためだ。

門戸は広げるが、採用試験は易しくない。
官僚タイプの社員は不要、本当に入社したい社員を採るための手段だ。
官僚タイプとは前例踏襲型でチャレンジ性がなく、権力志向、出世肩書志向が多いという事だろう。
テレビ東京の名物番組「なんでも鑑定団」の制作責任者が、石坂浩二さんをジクジク追い込んで番組から降板させるのはその典型だ。
自分に逆らったり、文句言ったり、意見を出したりする人間を徹底的にスポイルする
学歴と肩書をひけらかし人を見下ろす。
日本経済の最大のネックはホワイトカラーの生産性のなさと、ブルーカラーの給料が上がらないことにある。日本ネスレの社長はそんなことを言っていたが、全く同感である。
つまり能書きは一人前、仕事は半人前の自称エリートたちだ。

同じ時期に、同じ服を着て、とりあえず内定をとるために、10社、20社、30社と面接をする。私はそんな学生さんたちに同情する。内定がもらえない学生さんは、せっかく個性があるのに見抜いてもらえなく、自信を失い、疲労感たっぷりとなる。


社会全体が知恵を出し合う時期に来ているのだ。
若者たちに夢も希望もない社会にしてはならない。
一年中いつでもいい人を求める、そんな社会でないと、あっとオドロクような人材は出て来ない。今、時代を動かしている人間は、規格外の人間たちばかりだ。
ところでネスレ日本は、私が応募しても受け付けてくれるのだろうか。最
もインターネットが使えない、現代社会において私は箸にも棒にもかからない使えない人間だ。

アメリカの大統領選の第一ラウンドがアイオワ州で始まる。
ホワイトハウスのトップに就職できるのは誰だろうか。
ヒラリー・クリントンは疲れ切っている。トランプはとち狂っている。
バーニー・サンダースは年をとっている。
だが「政治的革命」を起こそうというフレーズは若者たちを動かすだろう。
アメリカも人材不足なのだ。

日本は史上初のマイナス金利時代へ。
銀行にもっと金を貸せというが、かえって銀行は貸し出さないだろう。
何しろ自分たちの銀行(信用金庫とか信用組合も)の収益が悪くなるのだから。
日銀もまた人材不足なのだ。黒田東彦総裁は後世にその悪名を残すだろう。
マイナス、マイナスと言われると、気分がマイナスになってくる。
これから悪質な詐欺商法が出て来る。
詐欺師たちが、手を変え品を変え現れる。この世界は人材が豊富なのだ。
ウマイ話には裏がある。
※ネスレ日本の記事を詳しく読みたい人は、二月一日(月)日経新聞朝刊、9面「経営の視点」をぜひ。

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