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2019年10月4日金曜日

「旅は道連れ」

フランスであった話ですけどね。仕事で出張中の会社員が、ちょっと女性と遊んでホテルでSEXをした。が、不幸にも腹上死してしまった。日本であれば「何をやってるんだバカ者め」と言われるだろうが、そこは性の国フランスのこと、ちゃんと事故(?)による保険がいただけたとか。物知りの人と旅をして仕事をしていると実に楽しい。ホテルで眠れなくて、朝まで世界陸上ドーハ大会を見ていた。で、なんで日本人は陸上競技はダメなんだろうね。痛々しいほど下位を走ったり、跳んだりしているもんね。物知りは言った。それは日本人が農耕民族でヌルヌルした地でスベッたりしないように“スリ足”なんですよ。雪国の人はスリ足でスベラず、しかも早く歩くでしょ。狩猟民族は食べ物を追うために、スリ足では生きていけない。筋肉のDNAが違う。柔道とか、空手とか、相撲とか、レスリングなど、スリ足が基本なのは強いんですよ。陸上でも競歩で金メダルをとったけど、競歩はスリ足の極みですからね。マラソンが強いのは、ガマン強い飛脚のDNAですね。柔道の寝技が強いのは、日本人は畳文化で、男と女性が日々くんずほぐれずをしていたDNAですよ。外国人はベット文化だから、日本人みたいなことをしていたらベットから落ちてしまいますからね。話がホントかどうかは、定かではない。女子砲丸投げを見ていて、その驚異的体型に目を奪われる。ドラム缶にゴッツイ筋肉を持つ、両手両足をつけて顔と頭をのっけたようであり、ウギャーと砲丸を投げる。日本の選手は姿も見えない。しかし、日本人と同じような顔をした、中国人が一位であった。怪力怪女は、見応え十分である。オッパイも筋肉化している。ひょっとして金メダルかもと注目している。とても恐いが、とても凄い。ハンマー投げも同じ。私の体のメンテナンスをしてくれている、鍼灸の達人は佐賀県内でも、有名な(?)円盤投げの選手だった。で、円盤投げをしっかり見ている。実に奥深いようだ。自己と闘う哲学を必要として、その上科学的でないと円盤は遠くへ行かない。他のスポーツも同じ。個人競技は自分がライバルなのだ。「人間皆苦」という言葉があるが、人生は過酷な個人競技である。「長距離ランナーの孤独」という名作を基にした名画があった。一着で走って来たランナーがゴールテープのところでとった行動に、この世へのメッセージがあった。物知りが言った。「この頃『死後離婚』というのが多いのですよ。ある住職の話ですがね。死んだら、絶対同じ墓に入りたくないという女性の遺言で、お寺業界では死後離婚と言うらしいんです」「分かるね、その話」。私は深く納得したのであった。結婚という旅は道連れではないのだ。昨日夜「マリア・カラス」という映画を陸上の合い間に見た。史上最高の歌姫の人生は、53歳で死ぬまで歌と愛と、結婚と別れ、そして「天上天下唯我独尊」であった。ギリシャの海運王オナシスとの再婚と別れは、ドラマチックであった。歌姫は言う。「『マリア・カラス』は二人いるのよ。“マリア”という一人と“カラス”という一人が」。国王が劇場に来ても、声の調子が悪いとオペラすべて中止するという絶大な歌声と美しさを持っていた。しかしマリア・カラスも「長距離ランナーの孤独」の主人公であった。午前一時、テレビを見ると十種競技の中の円盤投げで、日本の右代選手がすばらしい記録を出した。人間は「苦愛」に満ちている。いつものグラスに氷をコロンコロンと入れた。




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