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2021年8月6日金曜日

つれづれ雑草「パンとケーキ」

ノドチンコがブチギレるんではないかと思うほど、アナウンサーは絶叫する。金メダルだぁ~、やったぁ、金メダルだぁ~。私はスポーツ大好きであるから、当然オリンピックそのものは大好きだ。といって私はナショナリストではないので、ニッポン、ニッポンとばかりは応援しない。日本選手よりも小国の選手を応援する。一着に輝いた選手より、一周おくれでも、ヘトヘトになってゴールする選手に拍手する。各スポーツ協会は、莫大な強化予算をもらって、スポーツ選手を発掘して育てる。勿論、恩師や友人、知人、ご近所の人の熱い支援もある。オマエウルセイんだよ、と思っている松岡修造は、とにかく暑苦しい奴だ。だから私はこの男が出ると、すぐにテレビを他のに変える。日本人の金メダル候補を見ていると、古代ローマ時代の剣闘士(グラディアートル)を思い起こす。為政者たち(今回の場合は日本国政府とそのリーダーである)は、自らの失政を隠すために、愚民政策をする。食糧をばらまき、剣闘士たちが、死闘するのをコロシアムに集めた大観衆に見せる。人間対人間、人間対ライオンやトラなどの野獣との闘いもある。闘いに負けた者は、為政者が握った拳の中から、親指を出し下に向けた合図と共に、大観衆は、殺せ! 殺せ!の大合唱を浴びせる。そして殺され、野獣の餌食となる。歴史上、帝国や王国と名のつくもので、滅亡しなかったものはない。(形ばかりの王政を残しているが)つまりパン(食糧)とサーカス(娯楽)によって結局は滅びる。(詩人ユウェナリス)観衆とは熱しやすく冷めやすいものである。前回の金メダリストの名を何人憶えているだろうか。強化費という食糧をたらふくもらった各スポーツ協会は、金、銀、銅メダルを追う。今回の日本では金こそがメダルであって、銀や銅の選手は、あの円谷幸吉選手のように、責任を果たせずに申し訳ありませんと涙を流す。金メダルを目指す選手を見ていると、戦時中の肉弾三勇士とか、神風特攻隊を連想する。見事敵をやっつけて金メダルを奪っても、そこに笑顔はない。息をすべて失ったかのように、深い、深い、呼吸をする。銀とか銅だと、もう敗者のように言葉を失う。バカなインタビューアーが、未だゼイゼイしているのに、つまんない質問を長々とする。日本刀でブッタ斬ってやりたいと思う。スケボーとか、サーフィンとか、遊び心でやっていた少女や若者は、笑顔がいっぱいである。金メダルを背負わされていないからだ。金メダルは恋人です、なんて言える。ユニフォームさえ着ていない。これでいいんだよと思う。元々は参加することに意義がある。としてオリンピックは始まったのだから、新聞の各国メダル獲得表も、本当は禁止であったはずだ。私はいちばん下から見る。名も知らなかった小国に、銅が一つ、銀が一つ、金が一つだとよろこぶ。かつてのスポーツ大国や日本は、肉をバンバン食べて、世界中のいいコーチをつけて、科学的に選手を発掘、育成する中国にメダル数で、全然かなわなくなった。この差はどんどん広がって行くだろう。走力、跳躍力、投擲力、スポーツの原点である。十種競技で日本人はそれほど進化していない。オイテケボリだ。卓球とか、バトミントン、テニス、スケボー、サーフィンのように道具を使うものとか、体操や柔道という伝統的なものでメダルの数を増やす。道場とかマット上は畳の上で育ったから得意だが、フィールド競技はダメだと思う。根性論ではなく、食生活も含め、もっと科学的に練習することだ。女子体操の村上茉愛選手が床運動で銅メダルを得た。私はこの選手が立って歩けないほど体中を壊し、負け続け必死にリハビリをする番組を数年前に見た。身長148センチ、決して足は長くない。太くて短いと言ってもいい。が、この選手は底抜けに明るく、前向きで、悔し涙を流しながらも笑っていた。神の代わりがお母さんだった。村上選手に希望を与え続けた。だから奪ったではなく、得たと言いたい。すばらしい笑顔に、いちばん感動を得た。国民というのは冷たい。ずっと日本中を感動させてきた、内村航平選手が、鉄棒でミスをしてメダルを逃した。やっぱり世代交代だ、もう橋本大輝選手の時代だとなる。内村航平選手へのいままでの賛辞はまったくなかった。オリンピックがすすむ中で、為政者は、皇帝ネロになったが如く、次々と悪政を進め、コロナ禍は拡大し、自力にて治療せよとなった。死にそうになった人しか病院に入れない。少年院には、初等、中等、特少(特別少年院)のランクがあるが、コロナ感染者は、特少でないとすぐに病院に入所できない。(他に医療少年院がある)ニッポンガンバレ! は、もうすぐ終り。熱しやすくて、冷めやすい国民は、猛暑の中で我にかえり、ニッポンヤバイ! となる。アーメン・ソーメンどうかコロナ禍が……。と願うのだ。パラリンピックは(?)非情な国のリーダーの目は、すでに自分自身のことしか考えていないようだ。それにしても、何故コロナの問題解決のために、科学者たちを頼らないのだろう。養老孟司さんとか山中伸弥教授、福岡伸二教授とか。多くの分野にすばらしい学識研究者がいる。私は今、チリの映画「盲目のキリスト」を見始めた。実に静かだ。暑苦しい松岡修造がいないのがいい。スポーツはまず、かけっこだ。少年たちの走力が弱くなっていると調査の数字が出ていた。映画を見ながらすする、深夜のソーメンは格別に旨い。白いメダルだ。(文中敬称略)



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