北野理沙さん(ホームページより) |
♪〜何から何まで真っ暗闇よ、すじの通らぬことばかり 右を向いても左を見ても ばかと阿呆の…
この続きは人それぞれに当て込むといい。
ばかと阿呆の殺し合いとか、ばかと阿呆の騙し合いとか、ばかと阿呆の傷つけ合いとか。私と同年代の方々ならこの歌をご存知のはずだ。
今は亡き鶴田浩二の大ヒット曲だ。
いつの世も人と人との“絡み合い”は変わらない。
人間がラクダの様に砂漠の中を歩いているかの様だ。
愛も、情も、夢も、浪漫もカラカラに乾いてしまって、右を向いても左を見ても心のオアシスが無い。
東京砂漠を歌ったのは前川清であった。
♪〜あなたがいれば ああ あなたがいれば 陽はまたのぼるこの東京砂漠〜と。
「あなたを大切に思う人は、すぐそばにいます」その電話の声はきっとあなたのいのちにつながっている。JR東日本いのちのホットライン0120-556-834(ココロヤサシイ)
三月は自殺対策強化月間です。
何故期限があるのか、三月二十一日、二十二日の二日間だけだった。
その夜私は両手にずっしり重い資料を持って国府津行きの列車に乗っていた。
打ち合わせの後、戸塚駅から乗るとドアの上に自殺対策強化月間の細い横長の車額ポスターがあり、その上にロール式のインフォメーションがあった。
そのインフォメーションに中央線が人身事故で運休中とあった。
三月十九日夜九時四十分頃であった。
このところ連日人身事故がある。
かつて山谷親平さんという名物パーソナリティがラジオで人生相談の番組をしていた。
そのはじまりは「絶望は愚か者の結論なり」であった。
その頃は未だ自殺は少なかったからだ。
山谷親平さんが生きていたら今の時代に何というイントロのフレーズを用意しただろうか。果たして愚か者の結論なんていえるだろうか。
「人」の「身」になって人と人が助け合い励まし合い、弱いもの同士が手と手を取り合えば、命が救えるのではないだろうか。
一人でも多くの命を守るために何かが出来るはずだ。
“チェ、また人身かよ、まったく迷惑なこった”こんなつぶやきが時代のアッチコッチから聞こえて来る。
明日は我が身かという言葉もある。
弱者に冷たくしていると必ず不幸の雨が降り注ぐという事を知るがよい。
今日は人の上、明日は自らの上と賢者は教えている。
心がカラカラに乾いた人にオアシスの様な歌手を紹介する。
その名を「北野理沙」さんという。
音楽大学でクラシックを習い、苦学してイタリアで声楽を学んだ努力の女性だ。
その美しい姿から発する声は、透明を極めている。ザラつきのない純度100%の歌声だ。
未だワンマンショーが二回目という新人だ。
二十三日(日)午後四時〜六時、渋谷道玄坂プライム6階でその二回目というワンマンショーに行った。知人の広告代理店社長に紹介されていた。
友人の写真家と後輩のデザイナーと共に。
人間でゴッタ返す東京砂漠の中でオアシスに出会った様な二時間だった。
こんな世の中と別れたい、逃げたい、もう嫌だ駄目だと思っている人に音楽を進めたい。自分がいちばん好きだった曲を聴いて下さい。
楽しかった日の出来事を思い出して下さい。音楽は一人ひとりの味方です。
図々しい位生きて生きて、生き抜いて下さい。
絶望の先にきっと希望のオアシスがあるはずです。
何から何まで真っ暗闇ではありません。