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2014年4月15日火曜日

「朝三暮四」




本日よりの七日間、時代を見つめ直すための「四字熟語」を成句辞典より選びます。
皆様の思考にお役に立てれば幸いです。

「朝三暮四」(ちょうさんぼし)解説/眼に見える相違にこだわって、結局は同じになる事を理解できない愚かさ、また、人をうまくだまし、ばかにすると。
転じて、暮らしの生計の意にも用いる。

出典/「莊子」斉物論。
春秋時代、狙公(そこう)が飼っていた猿に、どんぐりを朝に三つ、暮れに四つ与えたら、猿が怒ったので、朝に四つ、暮れに三つにしたら猿は喜んだという故事による。

用例/時給をアップしてくれたと思って喜んだら、一時間あたりの仕事の量がぐんと増えた。朝三暮四もいいところだ。

現代への置き換え/限定正社員になったら、責任は増し、仕事は増え、結局リストラになってしまった。なんだ非正規の方がよかった。トータルにするとマイナスであった。

2014年4月14日月曜日

「メロンソーダは、少年の頃の味」


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四月十三日(日)花曇り、茅ヶ崎市立柳島小学校校庭にて午後十二時十分プレイボール。私の孫たちのチーム、松浪ジャガーズ対湘南ベンケイ。春のリーグ戦第一回戦であった。
公式審判員、記録員もずらりと勢揃い。

孫は六年生になったばかり、捕手で三番、一番小さいのだが一番大きな声をだすので主将になった様だ。お父さんはコーチだ。監督はなんと二十年近く頑張っている。
コーチや関係者は20人近くいる。選手は総勢26人、新入団は悲しいかな2名のみとのこと。

お嫁さんの車に九歳の孫娘と3歳の孫、それと私が乗っていざ応援へ。
と、まあここまではのんびりとしたいい話であるのだが、実は少年野球であっても集団であるからそれぞれ相性がある。

あいつとあいつは仲良くいかない、ボクとあいつは上手くいかないとなる。
それはまた親同士にも起き上がる。
なんでウチの子が試合に出れないの、なんでうちの子が八番なの、なんでうちの子がいつも叱られるの、なんで、なんでがメール上で言い合いというか、書き込み合いが行われる。

私の孫は主将のバッジを付けた日からプレッシャーで胃腸の調子が悪くなり、吐いたり、下したりを繰り返している。小学六年にして人間関係のストレスを知ったのだ。
それでも大きな声を出し続け、試合は2対1で勝利した。たくましくなるための痛みだ。

勝利は失っていた食欲を回復させてくれた。
試合後「ココス」というファミレスで、スパゲティミートソースとピザマルゲリータSサイズをペロッと食べた。深夜にグダグダメールをあっちこっちに送り続けていた奥さんの子が一塁手として良いプレーをしてみんなから拍手された。
奥さんはジャガイモみたいな大きな顔に黒縁のメガネを付けていた。

でもこの日は心から勝利を喜んでいた。試合後自分の子と自転車で帰っていた。
途中お嫁さんの車が追い越す時、徐行して窓から手を降ったら親子二人で振り返して来た。車中これでもう同時メールが来なくなるかもしれないよと私は言った。
我が子のファインプレイは心もファインにするからだ。

野球の試合にみんな出れるといいのだが、それは9人しかいないチームだけ。
監督さんやコーチの人たちは子どものお父さん、お母さんの顔を思い出しつつ、選手の能力を見出しつつ試合を組み立てる。
クドイ、シツコイ、シットブカイ、そんな親の子どもは起用法にとても苦心するのだ。
胃が痛い日々が続く、そして毎日太田胃散を飲み、そしてありがとういい薬ですとなるのだ。

私は少年野球を見るのが大好きだからよく応援に行く。
でも余り出しゃばらない様に心がけている。お母さんたちの視線の届かない処で。
何処へ行っても目立ってしまう。ついつい大きな声を出してしまうのだ。
オリャー審判!今のはアウトだ、セーフだ、ボールだ、ストライクだと。
スミマセンなのだ。

海の直ぐ側の小学校、潮の香りを含んだ海風が校庭に桜の花をまき散らし、それは一つのアートだった。少年たちといいショットの写真が撮れた。

それにしてもココスのミートソースはマズかった。
680円+消費税だから文句は言えないけどね。
食後に飲んだメロンソーダが久々にいいノド越しだった。懐かしい少年の顔の味だ。

2014年4月11日金曜日

「デザインの力」




この国は原子力爆弾を広島、長崎に落とされるまで戦争を続行した。
徹底的かつ壊滅的結果を見ないと何もかもわからない。
政治に無関心でいてはならないのが当然だが、その他にも危機的状況が来ている事を身を持って知らねばならない。

(一)TPP問題で日本は余りに甘い見通しの交渉を続けて来た事。
(一)ロシアはウクライナ東部を手に入れようとしているのに呑気に構えている事。(一)クジラの調査捕鯨交渉で完敗した事。
(一)ユニクロが限定正社員などというまやかしを行い始めた事。
(一)STAP細胞問題で魔女狩りもどきの事をした事。
(一)倒産が減った減ったというが実は廃業や後継者不足で閉店が非常に増えている事。(一)消費税増税で景気は消沈する事。
(一)自民党一強体制下で野党が無党になっている事。
(一)ノーベル賞受賞者が責任逃れに終始した事。
(一)国民が怒りを示さない事。
(一)冤罪を生んだ背景を反省しない事。
(一)大マスコミが全て無力化している事。
(一)八億円で熊手を買っていた事。
(一)地方経済はヘタヘタになっている事。
(一)東日本大震災がどんどん風化している事。
(一)ゴッソリいるはずのリベラルな人間が立ち上がらない事。
(一)原発再稼働に向けて着々と進んでいる事。

あ〜気分が悪くなって来たと思っていたらプロ野球の使用球が違反球であったというニュースが飛び込んで来た。どうりでホームランがバンバンスタンドに飛び込むと思っていた。打った本人たちがびっくりするほど飛距離が出ている。

プロ野球機構がまたまた無責任な態度だ。
ミズノ社はプロ野球界から出禁にすべきなのに、何故かミズノの球を使っている。
スポーツはフェアでなければならない。一投一打に命を懸けている選手たちに何と申し開きをするのか。

気が付くとシロアリで家の屋台骨が食い尽くされている様に、国の根幹がボロボロになって来ている。私達弱小企業を経営する者、身を置く者にとって生き残って行くのは至難の事だ。一瞬たりとも油断する事はできない。
プロとしての業を研磨していかねばならない。

私が心から尊敬する友人である、日本のグラフィックデザイン界の至宝、広告界の巨匠サン・アドの葛西薫氏の亀倉雄策賞受賞作品展を見た。
広島の空を見上げる表情を白い紙に黒一色で一気に描き上げている。
その数を見て私は言葉を失った。

広島に原爆が投下された日、空は何を目撃し雲は何を記憶したのだろうか。
葛西薫氏のデザインの力を見て何か大きな希望を感じた。
何かを案じているより、何かを創りださねばならない。
人間の可能性は試すためにあるのだから。

葛西薫氏の作品は五月十五日まで。
銀座リクルート本社の一階、クリエイションギャラリーG8で見る事が出来る。
最高峰のデザインはシンプルの一語に尽きる。

2014年4月10日木曜日

「極道者も心配している事」


件のHPです


ヤクザまでもが安倍政権を「国家主義」と批判し、海外で話題になっている。

今の日本で最も正しい情報を書いていると思われる夕刊紙、日刊ゲンダイによると、AFP通信が今月2日「日本最大の反社会組織『山口組』が自身のイメージを払拭するための公式ウェブサイト(HP)を開設した」というニュースを配信。
英高級紙「ガーディアン」などが次々と記事を掲載している。

問題のHPは「麻薬追放国士浄化計画同盟」の名で開設された。
ガーディアンは「警視庁は現時点では山口組によって作られたものかは断言出来ないという見解だ」と書いていたが、サイトを開くと司忍六代目組長のオリジナルソング「任侠一筋」が流れ、司組長の初詣の様子や山口組本部で開かれた餅つき大会の動画なども紹介されている。HPの「任侠道」というコーナーを見るとこう書かれているらしい。

この頃安倍首相の発言を見るに、国家主義に移行しつつあり、国民の平等の権利が脅かされつつある現実を鑑みると、憂国がファシズムに暴走し始めている事に気が付かなくてはならない。 

8日時点でHPの閲覧数は約70万という数字である。
時の政権がヤクザに右傾化を指摘されるとは…世も末だ。
こんな記事内容であった。ウソかマコトか興味ある人は見て下さい。

あいにく私は見る術も、見る機器もないので残念ながら見る事は出来ない。
瀬戸内寂聴さんが安倍晋三総理は興奮剤でも飲んでいるんじゃないかとこの夕刊紙のインタビューで語っていた。あれほど弱々しかった人間がこれ程躁状態になるとはオカシイとかなりの人々が思い始めている。
まさかとは思うがあのヒトラーも独裁者になる前、若い頃は画家を目指した大人しい学生であったという。

英国文化をこよなく愛する人、ダンディズムの見本の様なグラフィックデザイナー、高橋稔先生が、最近さ、日刊ゲンダイだけじゃないの反権力を貫いているのはさぁーとおっしゃった。
えっ先生日刊ゲンダイなんて読んでるのですかといえば、だってさあ朝日や毎日新聞は腰が引けちゃって全然ダメだもんと私を驚かした。
政界通の友人がこの頃東京新聞がいい記事を書いているよ、今やクオリティペーパーだよと言っていた。

病気にセカンドオピニオンが必要な時代、朝・毎・読の三大紙以外に一つ特別(?)な新聞を読むのもタメになるはずです。本当の敏腕記者や骨太の記者、反権力の記者、正義感溢れる記者たちは、殆ど地方に飛ばされてしまうから、地方の県版の中に実に素晴らしい記事がある。

山口組のHPを見たら、地方の県版を追って下さい。地方紙にもいい新聞は多い。
長野県の信濃毎日新聞なんかはオススメの新聞ですよ。
何しろ記事に根性が入っているからです。
ちなみに安倍晋三総理も日刊ゲンダイを気にしているとか。

2014年4月9日水曜日

「ミル貝と今でしょ!」


イメージです 


行きつけの寿司屋さんに行って寿司ネタをガラス越しに見ていた。
そこにミル貝がまだ活きていて口を尖らしてパクパク私に何かを語りかけている様であった。

ミル貝にお前誰かに似ているなと声をかけた。
あっ、似ている!今売り出し中の林修(東進ハイスクールの先生)だ。
「今でしょ!」のひと言でブームとなって今や池上彰を超えて来た。
私はいつまで人気が続くでしょうかと聞いている様だったので、秋まででしょ!と応えてやった。ミル貝は少し泡を吹きながら尖った口を閉じてしまった。

ついこの間まで“あの人は今”だった掃除機の様な坂上忍という異常キレイ好き人間がテレビに出まくっている。
かつて「電波少年」で猿岩石として世界の果てを歩かされその後消えてしまった、有吉弘行は売れっ子中の売れっ子となっている。
マツコ・デラックスという超怪人やミッツ・マングローブという女装男たちに人気が集まるのは、毒舌家であり、歯に衣着せぬ物言いで言いたい放題である事だ。
日頃言いたい事を言えぬ人々の代弁者として支持されるのだろう。

 
キワモノ芸人は売れている時がいちばん悪夢を見るという。
今売れているからといって明日売れているとは限らない過酷な競争社会だからだ。
「今でしょ!」が「もう終わりでしょ!」になる日は必ず来るのでその恐怖は計り知れない。

私は一発芸人が大好きなのだ。
ただ一つのポーズや、ただひと言でメシを食って行く人間に心から敬意を持っている。
その中にいかなるコピーライターも書き得ないキャッチフレーズがあり、時代を鋭く切っていたのだ。
古くはトリオ・ザ・パンチの「ハードボイルドだど」、トリオ・スカイラインの「なつくな!」、セントルイスの「田園調布に家が建つ」「定期預金に残はない」、てんぷくトリオ三波伸介の「ビックリしたなもう」、人生幸朗の「責任者出て来い」なんて今の時代にピッタリではないか。

今日小保方晴子さんが反論するという。
理研の責任者は誰なんだ、みんな名ばかりではないのか。一人位私が責任を持って小保方晴子さんと対決しますとは言わないのか。

とても残念だったのは、ips細胞の山中伸弥教授だ。
国会で三十代のヒヨコには無理だみたいな事を言った。
私は山中伸弥教授が未熟なところがあるが小保方晴子さんには無限の可能性がある、ぜひ私のところに来ていただいて一緒に研究を重ねてほしい。
人類の未来のために、難病で苦しんでいる人たちのためにその才能を生かしてほしいと思う。私がキッチリ見守り教育していくからと。
若い才能の芽を踏みつぶさないで頂きたいと言ってほしかった。

ノーベル賞を受けた偉大な学者のひと言はきっと若い研究者たち、難病で苦しむ人々に夢と希望と勇気を与えただろうと思う。
理研の顔色の暗い人々の責任者たちと、みんなの党の責任者である渡辺喜美氏のだらしない寝癖のついた髪型、油汗がにじみ出た顔がダブってしまった。
芸人たちはひと言に命をかけ、生活をかけて生きている。

山中伸弥さんいまからでも遅くない、私が小保方晴子を引き受け人類のために一緒に研究をする、と言ってほしいと重ねて願う。
ミル貝の尖った口先もそうだ、そうだと言っている気がした。プシュっとまた泡を吹いた。「今でしょ!」だって。

2014年4月8日火曜日

「ザ・コツ」




世の中にはいろんな「コツ」がある。
天ぷらを揚げるコツ。おそばやパスタを茹でるコツ。
漬物を作るコツ。人に取り入るコツ。
プレゼンテーションを勝ち抜くコツ。
女性を口説くコツや別れるコツ。文章をパクるコツとか、人から金を騙しとるコツ。
人間一人ひとりに何かしら一つや二つコツを持っている筈だ。

ゴマスリのコツが上手な人間が出世を重ね、その逆の正直者が降格されたりするのが世の常だ。早い話、コツコツ働いている良い人間ほど、悪い奴の悪いコツの餌食になってしまうのだ。

私は何ら自慢するコツは持ち得てないのだが、慢性的なコツを一つ持っている。
「坐骨」ザ・コツだ。
右腰から仙骨(むかし尾っぽがあったところらしい)周辺、オシリから太モモを通り足の先までズキズキ、ズンズン痛く、ジンジン痺れるのだ。

この“ザ・コツ”とは長い付き合いなのだが、この頃重い資料を持ち歩いていたせいか、かなり「麻痺なスターズ」(和田弘とマヒナスターズです)ぽく酷い状態となってしまった。
椅子に座る姿勢が悪いせいもあるらしいのだが、いちばんの原因は老いのせいだろう。
若い頃バットや木刀で何度も何回も腰を攻撃された古傷が今になってズキッズキッと出て来たらしい。

人間アチコチ痛いのは生きている証といえるから生きている限りは“ザ・コツ”とは付き合っていかねばならない。
武田鉄矢が「ビリビリ、ジンジン、チクチク」は神経障害性疼痛かもしれないからお医者さんへとCMで言っているが、そんな人は山ほどいるだろう。
四十代、五十代を過ぎてどこも痛くないという人に会った事はない。

人生とは痛い事の歴史なんだと思っている。
セコイ、ズルイ、コスカライ、ケチンボ、タカリ上手な人間たちには人の痛さが分からないだろう。お天道様はちゃんと見ているから、悪いコツを数多く持った人間には「キツイ、オシオキ」をするのだ。

私もオシオキを受けているのかもしれない。
職業柄数多くのコツを使い分けているのだから。

平塚のハリとお灸の名人が時間を問わず来てくれている。
この人は、人を治すコツを知っている特別いい人だ。

2014年4月7日月曜日

「神の子」


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ある年、飲酒の席でジョークの名人だった亡き友が、フランス語で妊娠の事を何ていうか知っているかと言った。
日本語すらよく分かってないんだから、分からないと私が言った。
一緒に飲んでいた人間も分からないと言った。


ただ、どうせいつものジョークだろうと分かってはいた。
「シャセジュセ」って言うんだよと言った。
へえーそんなんだ、で、ジョークの種を明かしてと言った。
“シャセジュセ”=射精して受精するからだと得意気に笑って友は言った。
上手い!座布団一枚だねと私は言った。

こんなジョークを次々に飛ばす親友は今はあの世だ。
チクショウもう少し生きていれば病気はきっと治ったのにと思わせるテレビ番組を見た。NHKスペシャルのミクロの世界シリーズだ。
CGが目ざましく発達したので人間の中の仕組みが全て見れる。
それは得体の知れぬ神の領域であり、誰も描く事が出来ないアートの世界だ。

人間の全ての細胞は、シャセジュセ→受精卵から生まれる事を知った。
たった一つの細胞の誕生は男(オス)と女(メス)との動物的行為から生まれる。
オタマジャクシみたいな無数の精子がチョロチョロしながらやっとこさ一個の卵子に出会い、くっついた瞬間に一つの生命は誕生し数十兆もの細胞が作られていく。

人間の中に出来た細胞の中に、あらゆる病原体をやっつけてくれる免疫細胞がある。
ところが最近この免疫細胞が暴走して自己の免疫細胞を攻撃してしまう事が分かってきたのだ。これにより今まで不明だった様々な病気の原因とその進み方が分かってきたのだ。難病の原因とその治療法が見えてきたのだ。
あと一歩のところまできているので決して諦めないでほしいと思う。

シャセジュセで生まれた免疫細胞は思春期の頃に消えて無くなるらしい。
神は人間が100歳近く生きる事を考えていなかったのかもしれない。
思春期を過ぎた人間の免疫は色々やりくりして病気から守ってきてくれていたのだ。
遺伝子医学はこの免疫細胞を作ってくれるらしい。
受精卵という途方も無い奇跡的なものを再生すると、人間は死ななくなるかもしれないのだ。難病は近いうちにきっと治っていくはずだ。
人間の卵子は神の子だ。

街には社会人の卵たちが黒スーツを着てウヨウヨ酔っ払っている。
歓送迎会の後にシャセジュセになる事が多い。いよいよ春は盛んになって来た。

「オレがむかし神の子だった頃、オヤジは精子でオフクロは卵子だった。
兄貴はタダの子で妹は玉子だった。イエーイ!ワカルカナ、ワカンネーダローナ」(松鶴家千とせ風)実のところNHKスペシャルを見ていてよくワカンネーなのだが大きな期待が膨らんだ。

2014年4月4日金曜日

「イカした男」



朝日新聞より


芸術なんてものは実のところこんな物かもしれない。
雨に降られてかなり濡れて帰宅した。

夕刊を広げたら痛快な記事があった。
イタリア捜査当局が2日、盗まれたポール・ゴーギャンの静物画をシチリア島で発見したと発表した。

所有していたのは元工場労働者の男性、同時に盗まれたピエール・ボナールの作品とともに、75年に競売で45千リラ(約3千円)で購入し、台所に長年飾っていたという。
当局はゴーギャンの作品だけでも少なくとも1千万ユーロ(約14億円)の価値があるという。2作品は盗難直後イタリア、トリノの列車内で発見され、価値に気付かれぬまま保管された後、競売にかけられたのだ。

男性は当時自動車大手フィアットの工場に勤務。
自宅のテーブルに合うと考え、絵を買った。
引退後男性の息子が絵画の目録で似た作品を見つけ、鑑定を依頼していた。
で、きっと息子は内臓が全部口の中から飛び出るほどびっくりして、ブッ倒れて気を失ったかもしれない(ひょっとしてあの世に行ったかも?)。

芸術的価値とは作られるものだから、本人が3千円でも高えよといえばそんなもんであり、偉い先生や鑑定士や画商たちがこれは13億円だといえば、へえーそうなのとなるものである。つまり買いたいという美術館や画商や収集家、金の使い道に困っているが競り合えば値はグングン上がって行く。
それが証拠に芸術家は生前は殆どビンボーで無名であり、死んでから値がつくのだ。
そして有名になっていく。

ある高名な美術評論家によると日本の美術館にある絵の80%は偽物、有名骨董品屋にあるものは殆ど偽物だという。なにしろ鑑定士そのものが偽物ばかりで、その偽物たちが本物を手にするのは、宝くじに当たるみたいなものらしい。
まてよ、本物だと鑑定出来る鑑定士がいないのかもしれない。

「フーテンの寅」にこんなシーンがある。
ある旅先で寅さんは老陶芸家に会う。陶芸家は寅さんが気に入って、お皿の様な物を一枚あげる。ある時陶芸家の弟子が、先生の展覧会があるのでしばし返してほしいと寅さんに頼む。あーあれか、あれはタコにくれてやったよ。

タコとは「とらや」の隣で小さな工場を経営している社長のアダ名だ。
タコ社長はその皿を灰皿代わりに使っていた。
人間国宝の陶芸家の弟子は、オラッ返すよと投げつけられた皿を地上スレスレでキャッチして気を失う。寅さん、タコ社長にとって人間国宝の作品もただのお皿なのだ。
権威主義への山田洋次の痛烈な風刺だ。

3千円のゴーギャンを台所に飾り、パンをかじりながらパスタを丸め、スープを飲んでいたなんてイカした男ではないか。

2014年4月3日木曜日

「赤坂一ツ木通り」






かしましいと、やかましいとの差はどう違うのかよく分からない。
だがウルセイならよく分かる。

とにかくウルセイ連中が直ぐ側で酔っ払っていると話がビリヤードの玉みたいにアッチコッチにぶつかり合い、話の内容もゴロンゴロンになってしまう。
つまるところ話の先の行き場が決まっていないのだ。

「中山美穂が離婚するんだってヨォー」
「龍谷大平安が優勝だ仏教関係が多いよな」
「小保方さん理研にケツまくるってよ」
「楽天の松井勝てなかったな」
「消費税が上がったのでお小遣いが上がるかと思ったが下げられそうでマイッタよ」
「東京湾でもダイオウイカが捕れたんだってよ」
「タモリはすごいよな30年以上休まずなんだから」
「黒柳徹子はもっと長いってよ」
「見たかよ京都の岬近くでイルカの大群がビュンビュン飛んでいたのを」
「クジラの肉が食えなくなるんじゃねえの」
「ヤクザ者たちがゴルフを出来なくなるってよ、どうやって見分けんのかな」

などなど男二人、女性一人の三人組が一度に口に出すのだ。
お互いの話はあまり聞いていない。自分の話も別に聞いてもらうつもりもなさそうだ。
自分の頼んだドリンクを飲んで。

自分の話を一方的に喋って終わり、友人と待ち合わせをした場所のところに少し早く着いたので今流行のスタンドバーでハイボールを一杯飲んだのだ。
人と人の声は雑音でしかないのだが、少しずつ拾い聞きした十五分ほどだった。
赤坂一ツ木通りはいつからか立ち飲み通りと客引き通りになっていた。

「それにしてもヨォ、さんまはしゃべりすぎだったよな一人で一時間位だぜ」
「爆笑問題の太田が田中康夫を首投げしたのは笑ったな」
「どうでもいいけどこのお肉なに(?)固くない」
「クジラじゃないの」
「俺のイタリアンや俺のフレンチ、俺をつけりゃいいってもんじゃないよな」
「君さあ俺の女にならない」
「ジョーダンじゃないわよ」
(こんな言葉へ進んでいったかもしれません)。

2014年4月2日水曜日

「素粒子」


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四月一日エイプリルフール。
いつも嘘八百なのにこの日帰宅し、ふと思うとウソをついていなかった事に気づいた。
正直者だったのだ。

大増税の日、この筆者の文章には消費税はかからない。
朝日新聞夕刊の名物コラム(?)というよりは、与太話、酔っ払いの戯言。
おそらく現在の日本において最も高い文章といえるだろう。
決して質が高い訳でも、格調が高い訳ではない。

コラムの名を「素粒子」という。
宇宙の中のチリのようなものだが、一日わずか150文字位(句読点含)で年収ン千万を得ているという。このコラムと「天声人語」、それに「社説」を担当することが朝日新聞の記者の頂点だという人もいる。

で、消費税が上がる。武器輸出三原則が破られる。STAP細胞の問題を小保方さん一人に背負わす理化学研究所のノーベル賞受賞者(理事長)や調査委員会の無責任な面々の記者会見。みんなの党の渡辺喜美代表の八億円熊手問題などなど重要なテーマがあるにかかわらず、こんな与太話を書いていた。

読んでない人のために書いておく事とする。
「素粒子」□大きなものには、みなその名をつけた。宝くじもプロゴルファーも。そんな時代を運び。ジャンボ機最後の離陸。
☆□時流は世界に広がりCO2は噴き出し。温暖化の後戻りも難しく。生物は絶え食料が不足し、どうなる沖ノ鳥島。
☆□後戻り出来ぬ増税の時世。きょう新生活を始めた若者の気分やいかに。いいさ、ジャンボ時代はもう来なくても。

以上である(大切なテーマもあるのに)、さてこれをシラフで書いたのだろうか。
丸谷才一氏の「女ざかり」や元朝日新聞記者の「たかが朝日、されど朝日」を読んでいただければ堕落を極める論説委員だか解説委員だかの実態が分かるはずだ。
日本国からジャーナリストやジャーナリズムが消えて久しく全く期待していないが私は特にこの素粒子だけは許しがたいと思っている。

昼ごろ出社、一流ホテルで高級ランチ(女性と一緒)高級ワイン。
ちょいと出社しチロチロ書いて退社→高級料亭や高級寿司店、高級レストランへ。
その後高級BARでホラ話をし、次に高級クラブで得意の与太話、その後ハイヤーでご帰宅か高級ホテルにしけ込むのが定番メニューなのだとか。

ザケンジャネエってんだよと日々怒っているのだが、一応情報ネタも朝日新聞にはあるので購読しているのだが一考せねばならない。
他の新聞も等しく一考せねばならないのだが渡世の義理もあるので購読を続けなければならない新聞もある。
勿論朝日新聞に有能かつ正義感ある人も多い事は分かっている。

ちなみにこのブログは四月一日エイプリルフール内の午後十一時四十六分二十二秒に書き終えた。一日の最後に一つウソをついたかもしれない。
テレビのニュースでみんなの党の渡辺喜美代表が“声が出なくなった”ので顔を出せないとの事であった。この政治家は完全に終わるしかない。
これは“ウソ”に決まっている(エイプリルフールだからかな…(?))。

必ず来る増税不況の中、どうやって私たちは生き残っていけるか、与太話を相手にしている場合ではない事に気づいた。あらゆる世界が重大な時代になった事を真剣に考える事とする。

いつものグラスに酒を注いだ。夜明けまで時間はある。
冷やしたトマトを四分割して塩をかけた。