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2014年4月25日金曜日

「ボクサーが問いかけるもの」



スポニチより


四月二十三日夜。
 ボクシングスーパーバンダム級世界タイトルマッチ、挑戦者長谷川穂積が7RTKOで敗れた。三階級制覇の壁は厚かった。

長谷川穂積はかつて最強の伝説のチャンピオンであった。
三十三歳という年齢、厳しい減量から来る体力の回復力の低下がやはり本来のフットワークとスピードであるパンチを失わせていた。
パンチを見切る反応力が鈍っていた。

父親と愛妻、息子二人の前で長谷川穂積は血まみれになって散った。
眼底骨折、鼻骨骨折をしていて病院に送られた。

何も食べず、水も飲まずボクサーは自分を追い込んで行く。
一発のパンチで相手を殺すかも知れないし、一発のパンチで死ぬかも知れない。
減量は厳しい、1g、2g、3gのために計量の時、髪の毛や脇毛まで切り落とす者もいる。
ボクサーはそれ程までして、何百発のパンチを浴びる。

私がボクサーが聖なるスポーツというのは、リング上にその男の夢と浪漫と極限の自己愛を見るからだ。美しい花が散っていった様に長谷川穂積は美しく散った。
試合後のマナーは実に見事であった。
ボクサーは私たちに、あなたは仕事に血を流していますか、命をかけていますか、そう問いかけている。

2014年4月24日木曜日

「オレは、三郎だ」




バカヤロー、寿司のおまかせコースが一人三万円からだなんて、たかだか寿司屋がフザケンナと言いたい。

オバマ大統領と安倍晋三総理が「すきやばし次郎」で会談だと。
アメリカに嫌われた政権で長持ちしたのは無い、で、ヨイショ!ヨイショ!大会だ。

寿司なんていうのは気の早い江戸っ子が立ち食いで、オイオヤジ、コハダ、白身、赤身、次はイカ、穴子、かんぴょう巻いてくれや、で、勘定はいくらだ。
その時間二十分程で食うのが粋っていうものなのだ。

おまかせコースなんていって次から次に食べさせてやるみたいに出すのが「すきやばし次郎」。主人の名は小野二郎、オレの名は三郎だ(関係ねえか)。
本当の寿司通が、オイ、まかせたぞと言えば、店の主人はこりゃヤバイ下手は売れないと緊張するんだ。店の方からおまかせコースが決まりだなんて何様のつもりだっていうんだ。いいネタ、いいシャリ使って旨くなけりゃ事件が起きる。
旨くて当たり前、いちいち見張られる中で食べるのが「すきやばし次郎」だ。

聞くところによると、麻生太郎が行きつけですすめたとか(?)
「久兵衛」を行きつけにしている安倍晋三は海外までマグロを運ばし「久兵衛」の主人や若い衆を呼んで寿司を食べさせた。
そんな恩のある「久兵衛」(この店もどって事はないけど)を接待に使わないとは男の筋が分かっていない。

昨夜十時少し前、後輩と銀座から数寄屋橋に向かって歩いていたら、警官、機動隊、刑事、野次馬、取材報道陣の群れだった。みなさんご苦労さん、お疲れさんなんて言ってみんなに寿司でも出したら「すきやばし次郎」も粋だねと言われただろう。
どうって事はない。二千人前位握ればいいんだから。ネタは勿論おまかせコースだ。

ミシュランなんていうタイヤメーカーに星三つなんて言われて喜んでいる様じゃ江戸っ子とは言えない。私は「すきやばし次郎」より旨い寿司屋をたくさん知っている。
おまかせコースは18002500円で十分だ。(敬称略)

2014年4月23日水曜日

「ある法則」




世は時ならぬ炭酸水ブームである。
だからといって慌てて飲むととんでもない姿を生む。

昨夜仕事の打ち合わせを終えて依頼主と会社のスタッフと食事をした。
午後九時三十分を少しばかり過ぎた。
それじゃお疲れさんといって別れ、私はコンビニに寄った。

と、その時コンビニから出て来た五十六、七歳位の会社員風のオジサンが炭酸水を飲みながら自動扉を開けて出て来た。オジサンは一気に炭酸水を飲んで思い切りムセかえった。

予定より多く飲んだので逆流したのだ。
ウワッ、ウヘッ、ゴボッという声と共に口の中から、鼻の穴から炭酸水が吹き出た。
白い気泡が道路に飛び散った。オジサンは両の眼から大量の涙を流した。

炭酸水は落ち着いて予定通り飲まないといけない。
ラムネやサイダー、ビール類も同じだ。オジサンはかなり肩を落としてそぼ降る雨の中、地下鉄新富町の駅の階段を下りて行った。
持っていた傘は見るところかなりいい品であった。それなりの人であったのだろう。

炭酸水はコンビニのPB商品であった。
「振らない」「横にしない」「一気飲みしない」これが炭酸水の法則だ。

2014年4月22日火曜日

「最高の野郎とは」



バカ野郎、嫌な野郎、キザな野郎、ケチな野郎、チンケな野郎、食えない野郎、ハンチクな野郎、アブナイ野郎、スケベな野郎。


世の中、野郎と名のつく野郎にはたいがい外れ者が多いのですが、私には大好きな野郎がいます。それは映画野郎です(女性でも映画命のヒトは野郎なのです)。
三度の飯より映画好きな素敵な人間たちなのです。
映画少年、映画少女が長じて映画という麻薬の虜になった人々なのです。

四月十九日、二十日、二十一日、そんな最高の映画野郎と共にいました。
みんな、みんな眼がキラキラ輝いていました。
超低予算で世界の映画祭に殴り込みます。お楽しみにしていてください。

私の尊敬する若手プロデューサーの作品、「そこのみにて光輝く」が封切りとなりました。綾野剛主演、芥川賞に四度候補になりながらアホな委員に選ばれず自ら命を断った作家の原作です。ぜひ映画館に行って観て下さい。
プロデューサーの名は星野秀樹さんです。
きっと日本を代表する映画野郎になるはずです、今年度の代表作です。ナンバー1かも。

2014年4月17日木曜日

「疾風勁草」


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「疾風勁草」(しっぷうけいそう)
『疾風に勁草を知る』の略。激しい風が吹くと、か弱い草はなびき倒れるが、強い草は倒れず、はじめてその強さが分かる。
苦しい状況になったときに、はじめて人物の真価がわかるという意。
『勁草』は強い草の意で、節操・意志堅固な人に例える。

出典/後漢書・王覇伝。
用例/経営が思わしくなくなった時や、権力闘争などで敗れた時に信頼していたと思った人間が離れていく。疾風勁草、こういう時に強い味方になってくれる人間こそが大切な人である。

現代への置き換え/調子のいい奴は、人が調子のいい時には、おべんちゃらやよいしょを言って近づいて来るが、ひとたび調子が悪いとみると、潮が引くように離れていく。
金のない者には縁がないとばかりに、ふざけた野郎となる。
だが損得抜きの本当の付き合いをしていれば、きっとどんな時でもしっかり支えてくれる人間はいるはずだ。困った時にこそ本当の友かどうかが分かるはずだ。




2014年4月16日水曜日

「多蔵厚亡」




「多蔵厚亡」(たぞうこうぼう)
意味/多くを蔵すれば厚く亡うとも読む。
財物をたくさん貯えると、必ず失う物が多くなる。欲が深いと、人間関係を損ない、また自らの性格も悪くなり、悩みが大きくなるということ。

出典/「老子」四十四。対話/裸で物を落とす例なし。
現代への置き換え/この頃親族身内の中での残酷な殺人事件が後を絶たない。なまじ金を持ってたばかりに、金を貯め込んだばかりに、すっかり性格は守銭奴となる。この世にお金持ちや人の成功を心から喜ぶ様な大きな心を持っている人間は極めて少ない。 

70代、80代、90代の人々が無惨に殺されている。
理由は金を貯め込んでいるからだ。
一度手にした金を出したがらない人間の回りには多くの殺意がある事を知らねばならない。金がなければ殆どの殺人事件は起きない。
人生はソコソコが一番いいものと決まっている。

2014年4月15日火曜日

「朝三暮四」




本日よりの七日間、時代を見つめ直すための「四字熟語」を成句辞典より選びます。
皆様の思考にお役に立てれば幸いです。

「朝三暮四」(ちょうさんぼし)解説/眼に見える相違にこだわって、結局は同じになる事を理解できない愚かさ、また、人をうまくだまし、ばかにすると。
転じて、暮らしの生計の意にも用いる。

出典/「莊子」斉物論。
春秋時代、狙公(そこう)が飼っていた猿に、どんぐりを朝に三つ、暮れに四つ与えたら、猿が怒ったので、朝に四つ、暮れに三つにしたら猿は喜んだという故事による。

用例/時給をアップしてくれたと思って喜んだら、一時間あたりの仕事の量がぐんと増えた。朝三暮四もいいところだ。

現代への置き換え/限定正社員になったら、責任は増し、仕事は増え、結局リストラになってしまった。なんだ非正規の方がよかった。トータルにするとマイナスであった。

2014年4月14日月曜日

「メロンソーダは、少年の頃の味」


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四月十三日(日)花曇り、茅ヶ崎市立柳島小学校校庭にて午後十二時十分プレイボール。私の孫たちのチーム、松浪ジャガーズ対湘南ベンケイ。春のリーグ戦第一回戦であった。
公式審判員、記録員もずらりと勢揃い。

孫は六年生になったばかり、捕手で三番、一番小さいのだが一番大きな声をだすので主将になった様だ。お父さんはコーチだ。監督はなんと二十年近く頑張っている。
コーチや関係者は20人近くいる。選手は総勢26人、新入団は悲しいかな2名のみとのこと。

お嫁さんの車に九歳の孫娘と3歳の孫、それと私が乗っていざ応援へ。
と、まあここまではのんびりとしたいい話であるのだが、実は少年野球であっても集団であるからそれぞれ相性がある。

あいつとあいつは仲良くいかない、ボクとあいつは上手くいかないとなる。
それはまた親同士にも起き上がる。
なんでウチの子が試合に出れないの、なんでうちの子が八番なの、なんでうちの子がいつも叱られるの、なんで、なんでがメール上で言い合いというか、書き込み合いが行われる。

私の孫は主将のバッジを付けた日からプレッシャーで胃腸の調子が悪くなり、吐いたり、下したりを繰り返している。小学六年にして人間関係のストレスを知ったのだ。
それでも大きな声を出し続け、試合は2対1で勝利した。たくましくなるための痛みだ。

勝利は失っていた食欲を回復させてくれた。
試合後「ココス」というファミレスで、スパゲティミートソースとピザマルゲリータSサイズをペロッと食べた。深夜にグダグダメールをあっちこっちに送り続けていた奥さんの子が一塁手として良いプレーをしてみんなから拍手された。
奥さんはジャガイモみたいな大きな顔に黒縁のメガネを付けていた。

でもこの日は心から勝利を喜んでいた。試合後自分の子と自転車で帰っていた。
途中お嫁さんの車が追い越す時、徐行して窓から手を降ったら親子二人で振り返して来た。車中これでもう同時メールが来なくなるかもしれないよと私は言った。
我が子のファインプレイは心もファインにするからだ。

野球の試合にみんな出れるといいのだが、それは9人しかいないチームだけ。
監督さんやコーチの人たちは子どものお父さん、お母さんの顔を思い出しつつ、選手の能力を見出しつつ試合を組み立てる。
クドイ、シツコイ、シットブカイ、そんな親の子どもは起用法にとても苦心するのだ。
胃が痛い日々が続く、そして毎日太田胃散を飲み、そしてありがとういい薬ですとなるのだ。

私は少年野球を見るのが大好きだからよく応援に行く。
でも余り出しゃばらない様に心がけている。お母さんたちの視線の届かない処で。
何処へ行っても目立ってしまう。ついつい大きな声を出してしまうのだ。
オリャー審判!今のはアウトだ、セーフだ、ボールだ、ストライクだと。
スミマセンなのだ。

海の直ぐ側の小学校、潮の香りを含んだ海風が校庭に桜の花をまき散らし、それは一つのアートだった。少年たちといいショットの写真が撮れた。

それにしてもココスのミートソースはマズかった。
680円+消費税だから文句は言えないけどね。
食後に飲んだメロンソーダが久々にいいノド越しだった。懐かしい少年の顔の味だ。

2014年4月11日金曜日

「デザインの力」




この国は原子力爆弾を広島、長崎に落とされるまで戦争を続行した。
徹底的かつ壊滅的結果を見ないと何もかもわからない。
政治に無関心でいてはならないのが当然だが、その他にも危機的状況が来ている事を身を持って知らねばならない。

(一)TPP問題で日本は余りに甘い見通しの交渉を続けて来た事。
(一)ロシアはウクライナ東部を手に入れようとしているのに呑気に構えている事。(一)クジラの調査捕鯨交渉で完敗した事。
(一)ユニクロが限定正社員などというまやかしを行い始めた事。
(一)STAP細胞問題で魔女狩りもどきの事をした事。
(一)倒産が減った減ったというが実は廃業や後継者不足で閉店が非常に増えている事。(一)消費税増税で景気は消沈する事。
(一)自民党一強体制下で野党が無党になっている事。
(一)ノーベル賞受賞者が責任逃れに終始した事。
(一)国民が怒りを示さない事。
(一)冤罪を生んだ背景を反省しない事。
(一)大マスコミが全て無力化している事。
(一)八億円で熊手を買っていた事。
(一)地方経済はヘタヘタになっている事。
(一)東日本大震災がどんどん風化している事。
(一)ゴッソリいるはずのリベラルな人間が立ち上がらない事。
(一)原発再稼働に向けて着々と進んでいる事。

あ〜気分が悪くなって来たと思っていたらプロ野球の使用球が違反球であったというニュースが飛び込んで来た。どうりでホームランがバンバンスタンドに飛び込むと思っていた。打った本人たちがびっくりするほど飛距離が出ている。

プロ野球機構がまたまた無責任な態度だ。
ミズノ社はプロ野球界から出禁にすべきなのに、何故かミズノの球を使っている。
スポーツはフェアでなければならない。一投一打に命を懸けている選手たちに何と申し開きをするのか。

気が付くとシロアリで家の屋台骨が食い尽くされている様に、国の根幹がボロボロになって来ている。私達弱小企業を経営する者、身を置く者にとって生き残って行くのは至難の事だ。一瞬たりとも油断する事はできない。
プロとしての業を研磨していかねばならない。

私が心から尊敬する友人である、日本のグラフィックデザイン界の至宝、広告界の巨匠サン・アドの葛西薫氏の亀倉雄策賞受賞作品展を見た。
広島の空を見上げる表情を白い紙に黒一色で一気に描き上げている。
その数を見て私は言葉を失った。

広島に原爆が投下された日、空は何を目撃し雲は何を記憶したのだろうか。
葛西薫氏のデザインの力を見て何か大きな希望を感じた。
何かを案じているより、何かを創りださねばならない。
人間の可能性は試すためにあるのだから。

葛西薫氏の作品は五月十五日まで。
銀座リクルート本社の一階、クリエイションギャラリーG8で見る事が出来る。
最高峰のデザインはシンプルの一語に尽きる。

2014年4月10日木曜日

「極道者も心配している事」


件のHPです


ヤクザまでもが安倍政権を「国家主義」と批判し、海外で話題になっている。

今の日本で最も正しい情報を書いていると思われる夕刊紙、日刊ゲンダイによると、AFP通信が今月2日「日本最大の反社会組織『山口組』が自身のイメージを払拭するための公式ウェブサイト(HP)を開設した」というニュースを配信。
英高級紙「ガーディアン」などが次々と記事を掲載している。

問題のHPは「麻薬追放国士浄化計画同盟」の名で開設された。
ガーディアンは「警視庁は現時点では山口組によって作られたものかは断言出来ないという見解だ」と書いていたが、サイトを開くと司忍六代目組長のオリジナルソング「任侠一筋」が流れ、司組長の初詣の様子や山口組本部で開かれた餅つき大会の動画なども紹介されている。HPの「任侠道」というコーナーを見るとこう書かれているらしい。

この頃安倍首相の発言を見るに、国家主義に移行しつつあり、国民の平等の権利が脅かされつつある現実を鑑みると、憂国がファシズムに暴走し始めている事に気が付かなくてはならない。 

8日時点でHPの閲覧数は約70万という数字である。
時の政権がヤクザに右傾化を指摘されるとは…世も末だ。
こんな記事内容であった。ウソかマコトか興味ある人は見て下さい。

あいにく私は見る術も、見る機器もないので残念ながら見る事は出来ない。
瀬戸内寂聴さんが安倍晋三総理は興奮剤でも飲んでいるんじゃないかとこの夕刊紙のインタビューで語っていた。あれほど弱々しかった人間がこれ程躁状態になるとはオカシイとかなりの人々が思い始めている。
まさかとは思うがあのヒトラーも独裁者になる前、若い頃は画家を目指した大人しい学生であったという。

英国文化をこよなく愛する人、ダンディズムの見本の様なグラフィックデザイナー、高橋稔先生が、最近さ、日刊ゲンダイだけじゃないの反権力を貫いているのはさぁーとおっしゃった。
えっ先生日刊ゲンダイなんて読んでるのですかといえば、だってさあ朝日や毎日新聞は腰が引けちゃって全然ダメだもんと私を驚かした。
政界通の友人がこの頃東京新聞がいい記事を書いているよ、今やクオリティペーパーだよと言っていた。

病気にセカンドオピニオンが必要な時代、朝・毎・読の三大紙以外に一つ特別(?)な新聞を読むのもタメになるはずです。本当の敏腕記者や骨太の記者、反権力の記者、正義感溢れる記者たちは、殆ど地方に飛ばされてしまうから、地方の県版の中に実に素晴らしい記事がある。

山口組のHPを見たら、地方の県版を追って下さい。地方紙にもいい新聞は多い。
長野県の信濃毎日新聞なんかはオススメの新聞ですよ。
何しろ記事に根性が入っているからです。
ちなみに安倍晋三総理も日刊ゲンダイを気にしているとか。