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2010年12月8日水曜日

湘南の嵐便り 「声の道場」


私の長い友人の奥さんが一冊の名著を上梓した。
題名を「声の道場」という。
友人から送られて来て直ぐに読んだ。中々奥深い教えの本であった。

道場の風景


著者の名は「山村康子」さん、観世流梅若会の能楽師である。
日本人が声の問題を抱えていて正しい発声法を学んで社会を正したいという極めて根源的テーマに対して取り組んだ本であった。



山村康子先生は声の道場を聞き、いかに正しい呼吸法が大切か歴史的見地から今日的テーマに対して息の大切さを語る。息とは自分の心という文字だと知った。
モンゴル人と日本人の発声が同じ様である事も書いてあり、日本人のルーツはモンゴル系である事も私は確信した。


息を飲む、息をつく、息が上がる、息を潜める、肩で息をつく、息を詰める、息を開く、息が長い、息にまつわる言葉の元を知った。



姿勢が大事です!

正しい姿勢、正しい発声が生む声が子を育て、身を育て、学問を育てる事を知った。

中でもこのエピソードが大好きであった。
アメリカの原住民が傷ついた鷲を捕まえた。日本人は大丈夫かしっかりしろ的な事を一生懸命に声を掛けたが鷲は一向に静かにならない、そこで原住民が母国語で優しく語りかけると鷲はピタッと静かになったという。大丈夫だよという言葉を掛けたのだ。生のイントネーションが違ったのだろう。


先日「プロフェッショナル」というNHKの番組で奇跡のお米を開発した農家の夫婦の話を見た。その人の作ったお米は他の米の五倍の値段がつくという。その方法は毎日稲に語りかけ声を掛けるのだ。

熱いけど頑張ってなとか台風が来るからしっかり頼むぞとか、美味しい水を入れてやるからなとかまるで子供を育てる様に愛情を込めるのだ。
稲穂は猛暑の辛さに耐え会話を交わしながら立派に育って特等米となる。


これは我々全てに今何が大切かを教えてくれている。
声を掛け合う大切さ、息即ち自分の心で語り合う大切さだ。ギザギザになってしまった家庭や政治や社会や会社や人間関係その全ては「声」にあるのだ。


パソコンやメールに声はない、あってもデジタルで無機質な声だ。
是非この一冊をお薦めした。丹田に力を集め大きく吸い小さく静かに出す。もうすっかりさび付いた夫婦関係や友人関係もきっとKURE-556の様に愛情を込め腹から声を出せばきっとスムーズになるはずだ。熱い吐息と共にそれだけで十分なのだ。

私は山村康子先生の声の道場に入門したいと思っている。

このままでは世界は声なき声で滅びる。世界中秘密情報の流出で大騒ぎだ。
メールより手紙、パソコンより電話、会いたい人とは会う事だ。

横着と便利は人を動かせない。

2010年12月7日火曜日

湘南の嵐便り 「映画完成」


123日(金)深夜一年がかりで作っていた短編映画二本が完成した。

この日は麻布十番のスタジオと目黒の109スタジオをはしごした。
二本で約25分、低予算だけに一流のスタッフが忙しい中時間を縫って作っていくから時間が掛かる、又様々な人達や会社の方々にご協力をしていただいて作っていく自主映画は一銭も無駄には出来ない。


来年のカンヌ国際映画祭に出品する、その他の映画祭にも出品する。
私に残された仕事はいかに若い感性の映画屋を育てるかにある。


一本は「夢魚」、平間絹乃さんという若い女性の監督第一作目。

平間絹乃監督 「夢魚」

もう一本は「120円」、寺尾学ぶさんというきっとこれからの映画界にデビューする若い監督の第一作目だ。

寺尾学ぶ監督 「120円」

カメラマンは二作とも長年のコンビ猪俣克己さん、又無理を頼んだ。
プロデューサーは奥野和明君とサポートプロデューサーとして鈴木智暢君、制作デスクは上原有美君だ。頑張ってくれてありがとうと言いたい。


祭の音、風の音、花火の音、車の音、蝉の音、川の音、カエルの音、鈴の音、餅つきの音、笛の音、電車の音、携帯の音、自販機を殴る音、蹴る音、ジュースを飲む音、お札を数える音、小銭の音、犬が吠える音、絵を描く音、色んな音を重ねて仕上げていく。

色味を細かく調整しナレーションを取る(何回もやり直しながら)私がOKを出さない限り終わりはない、だからみんなの意見を聞く。一人一人いいアイデアを出してくれる。


スポンサーがお金を出してくれるコマーシャルとは違う、コマーシャルの最高責任者はスポンサーだからだ(泣く子とスポンサーには勝てないという)。

最終的には監督が自分の作品にする、そしてOKいいじゃない最高だよと私が言った時、スタジオ中が拍手拍手となるこの一瞬が何よりのご馳走だ。
二人を世に出してあげたい必ず。


1211日渋谷宮益坂のスペインレストラン、ラ・プラーヤ(児玉徹オーナーシェフ)で完成試写会をする。


ランチ&シネマ、自主映画なので有料試写会にしてもらった。
120円」という映画は銀座のクラブのオーナーの義姉が主役、初めての演技とは思えない熱演だ。試写会には店のNo.1ホステスさんはじめ何人もスッピンで来るという。
女性はスッピンが一番だ。

※写真はイメージです


なんとその中の一人の女の子がヘアーヌード写真集を自分の記念に作りたいという。
勿論OKいい写真家を起用していい写真集を作ってあげる約束をした。

物作りをしていると色んな事に出会う事ができる。
頭の中にはアイデアが夏の雲の様にモクモクと沸いて来ている。
美しい顔、美しい肌、美しい豊かな胸、美しい足。果たして心の中は美しいか?写真は決して誤魔化せない。トコトンえぐり出す。
「銀座と人生と男と女」そんな世界を作るつもりだ。


映画はきっと劇場にかける様にしたいと思っている。


2010年12月6日月曜日

湘南の嵐便り 「ミシュランは×印」


身の程知らずのフランスのタイヤメーカーのミシュランが私の地元に近い鎌倉の店に星印をつけていた。

なまじミシュランなんかに星印を貰ってすっかり馴染みのお客に去られて青色吐息の店が東京中ゴロゴロある。田舎から出て来たお上りさん相手とか、外人接待とか、夜の世界のご同伴とか、悪巧みをする代官とお主もやるよのぉーの商人が行く店ばかりなのだ。




鎌倉で選ばれた店は味は何の事はない店ばかり。どっちかというと気取り代、場所代、お上りさんへのお土産代(行ったのよという)みたいなもんだ。

たかだか寿司屋に一人前二万も三万も払うバカが行けばいいんだ。
精進料理なんて坊主達が食べるのにバカ高い値段を払うバカがいけばいいのだ。おそばなんて一気にすすり込むのが正しい食べ方なのにオロオロソロソロ音も立てずに食べるバカが行けばいいんだ。


ここの鰻は天然物で気をつけないと釣り針が入っているだよなんて女の子をデートに誘って本当に唇に釣り針がささり血が出て唇は真っ赤な明太子。今日こそ彼女の唇をなんて考えも水の泡。ネッ、本当だろ天然ものなんだよ。




やっぱりミシュランの星一つ貰っただけの事はあるよななんて店出る頃は彼女は友達から急ぎのメールが入ったのなんて言われてハイサヨウナラ。
大体出て来た物をいちいち説明する店、店の作りをくどくど語る店、わざわざ肉や海老や野菜なんかを見せに来るところには殆ど裏切られる。
店に入って直ぐミシュランガイドが置いてある店も同じ。


本当に本物の店はミシュランなんて相手にしない。
かえって迷惑だと取材に来ても門前払いだ。常客を優先するからだ。ガイドブック持ってウルサイ、クサイ、ダサイ、ババジジに来られたらたまったもんじゃない。
どうせ一回こっきりの客たちなんだから。

本当の名店はこういった路地裏にあるものです

男のプロはいい女性やいい友と会うのは決してミシュラン等に選ばれた店に行かない。
いい店は必ずいい路地裏にあるものなのだ。
ひっそりと何も自慢せずそれとなくある、そして決して高くない。神楽坂とか神田とか四谷とか横浜や鎌倉だって路地裏にある。


なまじミシュランなんかに選ばれてミーハーに喜んでいるとどっと中国人や韓国人がやって来て泣きが入る事だろう。



私が時々行く鎌倉や逗子や横浜の店は当然ミシュランお断りだ。
「星三ついただきました」なんていって喜んで良いのは「堺正章のチューボーですよ」でいいのである。







よく結婚式とかに招待されてフレンチを食べて帰ると何か腹がギトギトする。昨日のの切り身残っていたならお茶漬けでも食べようとなって食べる、鮭茶漬けと漬け物の美味しい事といったらない。



フレンチはソースの味が決め手の料理、世界一お風呂嫌いのフランス人(中国人も風呂嫌い)が香水を発達させた様にソースでかなりフェイク(ごまかし)が出来る料理。毎日食べる事など決して出来ない。胃の中がベトベトになる。



素材と食器と盛り付けで見栄えをよくしてソースで味を感じさせる。だからどこのフレンチも写真に撮ると大差ない。肉と魚と野菜が入ってケーキみたいな気取った料理なのだ。
かの開高健はフランス大好き人間であったが一番旨かったのは露店で買った新聞紙に包まれた白身魚のフライだと書いてあった。


2010年12月3日金曜日

湘南の嵐便り 「ホテルグッドバイ」

私の家から海岸まで歩いて約八分、海岸の脇にベイシティホテルといういわゆるラブホテルがある。

※写真はイメージです
大きなビニールののれんの中に朝から晩までひっきりなしに車が入って行く。
先日海へひと歩きしに行ったらそのホテルの前に沢山の人だかりで、痴情にもつれた事件かはたまた売春か買春のもつれかと遠回しに見ながら歩く速さを遅くしたら、何人かの人が居た。何かあったのと聞くとそのラブホテルが立ち退いて直ぐ隣に新しく小学校が出来るので風紀上立ち退かなくてはならなくなったとの事であった。

※写真はイメージです

その日集まっていたのはラブホテルで使用していたベッドとか電気スタンドとか、カーテンとか風呂のバスタブとか二束三文だけで色んな業者が買い取りに来ているのだ。

商魂の逞しい事。ベッドは特に再生すればいい値段で売れるらしい。
気が付くと私はすっかりその集団の中に居て話を聞いていた。
何しろ好奇心だけは人一倍ある。三十代位の女経営者とその右腕の様な中年男が七人の業者と交渉している。

※写真はイメージです
会話の中で一番興味を引いたのはベッドや寝具に染み込んだ臭いをどう値付けするかであった。何しろ様々なカップルが享楽の売買と不倫とか許されざる行為を年々も支えて来た。ベッドや恥ずかしい姿を隠して来た道具達である。
染み込んだ体臭や香水や化粧や体内から放出された男女の液体の臭いは特殊なものであり消すのに費用が掛かるらしい。

※写真はイメージです

ベッドは1800円、小さな冷蔵庫は200円、ファンシーケースは150円、サイドテーブルは80円、電気スタンドは50円、掛敷ふとんセットは1500円とかで競売されていく。それはあっという間の出来事だ。安っぽい花や風景画はただであった。
2トン車のトラックや軽のバンが来ては去って行く。


私が33年前引っ越しして来た時は当時結婚式の名門、平安閣がありその前は子供達が夏は毎日の様にプールに行った地産ホテルがあった。
海岸の横にあるベイシティホテルは中々に風情があったもんだ。
立ち退き料をしっかりもらってどこぞに行くらしい。その隣に美しい小学校、私の孫が三年生と二年生から転入する。


アベック、カップル、訳あり、何千何万の愛の行為の「性界遺産」だ。
妙な怨念とか、怒りとか、別れのブルースとかカモンベイビーのロックンロールが聞こえて来る。有名人も沢山来ていたと地元の運転手さんから聞いた。

気が付くと四十分も居てしまった。
秋の陽はつるべ落とし、すっかり暗くなり初めていたが、女主人の笑い声は場違いと
いうか奇妙に似合っていた。平塚の風俗でNO.1であったらしい。
市原悦子と泉ピン子の体型に今陽子の顔をのせた様な女性であった。


再び歩き出して海岸を歩いていた私は、五木ひろしの「よこはまたそがれ」と井上陽水の「リバーサイドホテル」を口ずさんでいた。
ホテルの解体は簡単に終わったらしい。

2010年12月2日木曜日

湘南の嵐便り 「掟破り」


タクシーの運転手さんに鉄則があるという。
一、 野球の話はしない(お客さんが何処のチームを応援しているか分からないから)
二、 政治の話をしない(お客さんが何処の政党を支持しているか分からないから)
三、 宗教の話をしない(お客さんが何の宗教を信じているか分からないから)
この三つを基本としているらしい。


最近四番目に沖縄と朝鮮半島の話をしないが加えられたらしい(運転手さんに沖縄や韓国の人が多いから)
一歩間違って「お客さんロッテが優勝して良かったですね」
「一体民主党とかはどうなっているんですかね、又この小さな国に7つもの政党が必要なんですかね」「あの宗教関係の親玉はかなりヤバイらしいですね」
そして「沖縄じゃ基地でたっぷり儲けている悪い奴等がいるらしいですね」
なんてお喋りな初心者の運転手さんはかなりデンジャラスと言える。


※写真はイメージです


事実ウルセイ黙ってろなんて後から蹴飛ばされる人も多いという。
会社は運転手にも問題があるので余程傷が大きくないと警察に訴えない。


そこで思い出した事がある。私の後輩の女性が伊豆で大きな温泉旅館の女将をしている。
泊まり客の中で一番破廉恥でメチャクチャに騒いで暴れるのが、一位学校の先生関係、二位が警察関係、三位がお役所関係。一番スケベなのがお医者さんの学会関係という。
翌朝お詫びの言葉もなくハチャメチャにしてゴルフ場に向かう。


かつて東京駅で赤帽をしていた人と飲み屋で隣り合わせになった。
自分で書いたという本を後日送ってくれた。これが面白い事この上ない。

これがその本です

チップが多かったのが勝新太郎とか荷物を持ってくれたのがジャイアント馬場とか、スッピンで誰だか分からないでいた大女優とか東京駅の歴史本であった。

世の中は万華鏡の様な物。面白いと思えば色々に見えて面白い。何だがゴチャゴチャしていて見ていてもつまらないと思えばつまんない、視力検査みたいだから。


先日やけに毛深くてまつ毛が濃くて立派な運転手さんの車に乗った。
ネームプレートを見ると玉城とある。運転手さんは沖縄かい?知事選の方はどうなっているのと聞くとその手の話はしてはいけないと言われているのでご勘弁下さいと具志堅用高みたいな甲高い声で断られた。

でも実は結果はもう分かっている仲井真でね、既に建設会社がテトラポット、残土処理、生コンや運送会社もほぼ決まっているんですよと言った。

運転手になって五日目であった。
掟破りの人であった。

2010年12月1日水曜日

湘南の嵐便り 「冬の花火大会」



1127日(土)毎年夏に行われている江の島の花火大会がこの日行われた。

何故か?諸説ある。
APECの警備対策のためとか、不景気で大量の打ち上げの数が必要な夏は行えないとか、夏は若者達が集まりすぎて事件が起き過ぎるとか、冬の花火も夜空は澄み粋でいいではないか等々である。

※写真をお借りしました


六時から打ち上げ開始、家の物干し場から良く見えた。例年の半分位で終わった。
冬の花火はモノクロームの世界に多彩に色をちりばめた様で美しいがとても儚いしなんとなく切ない。夏の体感温度の中ならビールを飲みながらだが寒気の中ではぬるめの酒を手に花火の音と色を楽しむ。



冬の花火には何か血の香りと血の色を感じた、どこかで同じ気分になった事を思い出していた。そうだ乃木神社だ。先日大学で建築を学ぶ全国の生徒たちの日本一決定戦で選ばれた作品展を乃木坂に見に行った。
待ち合わせより少し早く乃木坂に着いたので何となく乃木神社に一人で立ち寄った。



そこは一歩入るとタイムトリップした様に軍国の香りがする。
日露戦争で有名な二百三高地で戦死した数万の血の色がどんよりした空気の中に見えて来る。
乃木大将夫婦が住んでいた住居は小さく狭い。夫婦で殉死した部屋などは子供部屋の広さだ。ガラス越しに血の形をした軍人が見えて来る。それは冬の空に打ち上がっては散って行く赤い花火の様である。この住居に老夫婦が住んでいたら生きている事に何の意味も感じないだろう。軍人は戦場が住居なのだから。

江ノ島神社
児玉神社

そういえば江の島神社の隣に児玉神社がある。二百三高地をどうしても陥落させられなかった乃木希典大将に代わり陸軍の至宝といわれた長州出身の児玉源太郎大将を祀った神社がある。
児玉は二百三高地をいとも簡単に陥落させ戦場を去った。
乃木希典は愚将といわれ続けたが天皇崩御と共に夫婦で殉死し軍神となった。明治の大砲の音に似た音を出し彩やかに上っては散る花火に江の島と乃木坂が繋がっていた。
冬の花火には何か哀切さを感じた。


一方日本一決定戦に勝ち残った学生達の作品は驚嘆すべき才能の花火であった。
第一位、二位、三位、そして特別賞数点。藝大建築科を首席で出た一人の女子学生の作品が展示されていた。

広島の軍港のドッグだった場所を再生し都市を作るという素晴らしい作品であった。他の若者たちの誇らしげな凄い作品も見てつくづく若い才能を羨ましいと思った。
三メートル近い模型は精巧を極めていた。信じられない繊細さだ。


少年の頃私の通信簿で図画工作は確か一か二であった。
一本の通りを向かい合わせにして日露戦争という破壊とこれからを創造して行く若き建築家たちの空気は青空の下、全く違って見えた。

冬はやっぱり鍋ですね

冬の花火を見終わった後、今年初めて大好きなたらちり鍋を食べた。
風邪をこじらせ声がよく出ないのでそっと静かに。


そう言えば何年か前に神楽坂のたらちり鍋の美味しい店にミシュラン関係の日本人料理批評家とフランス人の男が三人で居た事がある。食べながらこれ最高に美味しーい、トレビアン、本当は星三つと言っていたとか(フランス語が分からない)。


しかし当然ミシュランの星などは一つもなかった、そんなもんなのである。
ガラガラなのに絶賛上映中とか大ヒット中という映画と同じ批評家は全く当てにならないのだ。

2010年11月30日火曜日

湘南の嵐便り 「ボス」


サントリーCM白いボスより

サントリーの白いデザインの缶コーヒーCM(山崎努、本人は女々しく嫌な奴だが)が面白い。本当なのか、ウソなのか、ヤル気あんのかハッキリしろいボスとなる事がこの頃多い。

政治のボス菅直人が全く使い物にならない事を満天下に晒している(元々最低な男だった)資産数千億、報酬三億円。安物ファッションメーカーの銭ゲバのボス(古舘伊知郎にソックリ)が毎朝五時から必ず一日一冊本を読むという博識のボスという?。
博識は何に使っているかハッキリしろいと言いたい。酒を飲まないならしい。
この会社は上に登る人材ほど「鬱状態」になるというが原因をハッキリしろいといいたい。


歌舞伎が大好きだが、大好きな行事に「顔見世興行」というのがある。
海老蔵がボコボコにされ化粧をしなくとも赤タン、青タンになり鼻は折れ、アゴは砕けた顔で目の周りはどす黒く腫れた顔で大見得を切って欲しかった。
そうすればさすがこれからの梨園のボスという事が証明される(無理だけど)、私は海老蔵は大好きで間違いなく歌舞伎界のボスになる人材だが、何しろ酒癖が悪い。
中村勘三郎といい勝負だ。飲むと必ず「俺は人間国宝」だ文句あっかというのが定説だ。


同じボコボコでも勝利してます!


今回飲み歩いたのは、芸能界やスポーツ界、政界、財界、カタカナ業界や危ない業界の人が集まるお店のフルコース。オカマバーから始まってあの朝青龍や押尾学達クスリ一派が集まる有名店。これはハッキリしているんだといいたい。

傷から見ると喧嘩のプロの仕事、まず強烈な頭突きを食っている(パッチギ)背中は肘で、アゴはパンチ系、つまり頭突きで鼻が折れ、歯は欠け背中を肘でくの字にして強烈に打たれると息が止まる。重点的に顔ばかり狙っているのはかなり意図的に感じる。
一人で家に帰ってこれたとは思えない、誰かが居たはずだ。





文字通り午前様、午前七時半頃に帰宅した。私の経験だと警察に訴えて誰かがパクられても後々大変な落とし前の金が動く。朝青龍の時は山口組系と稲川会系の交渉事となったらしい。


海老蔵は歌舞伎のボスになるために生まれた男、しっかりしろいといいたい。
土下座して命乞いをしたらしい。



オカマとかニューハーフの後には恐い恐い本当のボスがついている(その手の人が多い)気をつけよう夜の新宿、渋谷、六本木、西麻布。

但し週刊誌でも見れないとんでもない、信じられない、考えられない光景がいろいろ現れるのは確かだ。


東京の夜か明け方はハッキリいって面白いボス達の世界だ。
一度ツアーを楽しむといい、紹介します。
但し青タン(青アザ)、赤タン(赤アザ)の覚悟があれば。

2010年11月29日月曜日

湘南の嵐便り 「心コレクション」

葛西薫氏
葛西氏装幀の本
葛西氏装幀の本


葛西氏装幀の本




友人のアートディレクター葛西薫氏が装幀をした本を送ってくれた。
題名がいい「心コレクション」著者が各分野の人から得た100の心を一冊にまとめた実にためになる本である、是非おすすめしたい。


その内の三つの心を紹介したい。
一人名曲喫茶かなんかで美味しい珈琲を飲みながら一時間もあれば読む事ができる。
シューマンとかシューベルトなんかが向いている気がする。



昔、中国の高官が歌姫に恋をした。
「私の部屋の窓の下で、床几にすわって百夜お待ちくだされば、あなたのものになりましょう」女はそう言った。
九十九日の夜、くだんの高官は立ち上がり、床几をこわきに立ち去ってしまった。(ロラン・バルト)
なぜもう一日待てなかったのかという問に対する答えは永遠の謎となっている。例えば、高官は自分のばかげた行動が恐くなったのかもしれない。そんなことをしても、恐らく彼女は自分の手に入る事はないだろう。これはただひたすら彼女の気まぐれに過ぎないのではないか。そう思っても不思議ではないだろう。一体自分はなんという愚かな事をしているのか。日本にも、深草少将が小野小町のところに百夜通ったというよく似たエピソードがある。果たして真相はいかなるものだったのか。

M・シャプサル:つまり、恋愛において、何かを恐れているときはそれを口に出して言わないほうがいいということですね。
P・レアージュ:その通り。(M・シャプサル「嫉妬」)
なんでも言葉にすればいいというものではない。恋愛をダメにするのは饒舌だ。必要以上にしゃべってはいけない。だから、恋人たちは同じ言葉(「きみを愛してる」)をくりかえすのだ。作家P・レアージュは、「悪魔をその名で呼ばない文化はたくさんあるわ」「同じように神を神と呼ばないのよ。神に近づきすぎてはいけないから。危険なのよ」とも語っている。さすがに傑作「O嬢の物語」の著者だけのことはある。

他人の過失を見るなかれ。
他人のしたこととしなかったことを見るな。
ただ自分のしたこととしなかったことだけを見よ。(「ダンマパダ」法句経)
だれでも他人のやることを見れば腹が立つものである。他人の放屁はがまんならないが、自分のはなんとなく愛着を感じてしまう。自分のやったことを心から反省する人は少ない。そう考えると、結婚なんてまさに奇跡でしかないことになるわけだが、待てよ、この「ダンマパダ」の言葉は、結婚生活を続けるための秘訣かもしれない。うまく生きよ!

この一冊を手にすれば目からウロコ、100の心に出会えます。

2010年11月26日金曜日

湘南の嵐便り 「蟻たちへ」


挫折こそが人間を豊かにする。
危機を好機と捉える事だ。今やレールの上のトロッコに乗っていてもどこに連れて行かれるか分からない。であればむしろそんなトロッコは思い切って飛び降りてしまえばいいのだ。


様々な挫折や葛藤を味わった結果、新たな価値観を見いだして行く、「時代が悪い」というのは簡単だ。

就職の内定がもらえないと大学生達が泣きを入れている。
潰れない?大企業に入って老後の安心を得たい等と不届きな若者達だ。パパママに学費を出して貰ってぬくぬく育ち、合コンやナンパばかりをしていた「去勢された若者達だ」。
女性の気ばかりを気にして力強くリード出来ない。苦労や苦難の海へ出れないのだ。

リクルートスーツの集団は蟻ん子の様

ドイツの哲学者ショウペンハウエルは、人間は「欲望の動物」であると言った。
自分を磨き、昇華させたい、富を得たい、功成り名をあげたい、社会に貢献したい、広い世界をこの目で見たい、異性に魅力的だと思われたい、そういう果てしない欲望が人間にはある。

その『渇き』に突き動かされた若者達が時代を動かして来た。ペーパーテストの成績が良ければ褒められ、いい大学からいい就職先へ、そのレールに乗りたがって来た老後を考える大学生。


その結果草食系男子なんていう種族が生まれた。
まるで蟻ん子の集団の様に同じリクルートスーツの男女達、僕は100社、私も100社、でも内定なしとオロオロしている。


東大出たって人間力がないと体からオーラが出てないと面接を突破出来ない。
大学生は就活でなく「就社」をしているとある大学教授が言っていた。
何かをしたいのでなく安定が欲しいのだ。


先日、ラグビーの早慶戦を見て感動した。
若者は捨てたもんじゃない、最後の一分一秒まで一発のトライをするために一発のキックを決める為に肉弾戦を行った。

結果は108で慶應が10年振りに早稲田に勝った。
全力を出し合った同士涙を流す、うれし涙と悔し涙を。私はラグビーが大好きだ。
鳥肌が立つ試合だった。

早慶戦

「就社留年」をするなんていう若者がいる。親が仕送りしてくれるからだ。
こんな若者は役に立たない。中小企業の中に夢やロマンを追っている素晴らしい経営者達が沢山いる。大企業のたった一個の歯車になるより、中小企業のエンジンを目指す事だといいたい。


ヤクザの親分でも目指してみろといいたい。
役人以外学歴なんかでこれからは生きられない。自分が何をやりたいかだ。
一度しかない人生なんだから。


泥だらけになって一個のボールを追う気構えを持つ事だ。
ただ働くだけの蟻になってはいけない。