ページ

2014年9月2日火曜日

「ジンとオイルサーディーン」



人生とは失敗、失策(エラー)が連続する事をいう。
成功は数少ない。
成功者というが人がいるとしたら、その人はきっと自分はまだまだ失敗者だと思っている人だろう。頂点とは、これから落ちて行く場所の事だ。
一流の人間は決して頂点まで登らない。



野球史上これほどの凄い記録を知らない。
全国高校軟式野球大会で優勝した中京高校は、4試合79イニングで野手の失策はゼロだった。唯一の失策は投手の悪送球の一つだけ。
いかに優れた指導者がいい教え方をし、それに選手が応えたかがわかる。
中京高校は頂点にたったが、指導者はまだこれからだと思っているだろう。
ぜひ会いたい人だ。

防災の日だった昨日は、雨が降っていた。
我が国は防災大国、何度も何度も失敗と失策、失政を繰り返して来た。
みなさん防災グッズはちゃんと揃えていますか。
ずっと保管していた缶詰や乾パンを食べ尽くしていませんか。
ロープはちゃんとありますか。
呼び笛は、懐中電灯は、ローソクは、マッチは、手回しラジオは。


私は鯖缶と鯨缶と、カップヌードルやオイルサーディーンを食べてしまいました。
マズイ!失敗した。買って来ないと。
ジンフィズやジントニックと、オイルサーディーンは実によく合うのです。
全く駄目な男なのです。

2014年9月1日月曜日

「ハッピーより、ホッピー」




夏の終わりは八月三十一日(日)ピッタリの日付で終わった。
九月一日は当然月曜日だ。これがいいスタートである事を願う。

夕方の海岸から見る富士山は赤く染まっていた。陽は早く山の中に消える。その速さは加速して一気に秋となる。塩干トンボに混じって赤トンボが季節の移り変わりを告げていた。ガソリンを燃やした様に熱かった炎暑と、天を破りありったけの雨を降らした夏は、細長い山林の国、日本の運命と宿命を見せつけた。

TVでは善意の押し売り、偽善のイベント24時間テレビを視聴率稼ぎのためにバカバカしく流していた。犬好きの友人夫婦がソフトバンクのCMを見て怒った。
もういい加減このシリーズ止めさせよ、犬がかわいそう、電流流してブルブルさせているみたいで酷すぎる、サイテーだと。
実は音の振動なのだが、私もこの作り手の幼児性を見る。
動物虐待はその症状の大きな一つだからだ。きっと、犬が嫌いなのだろう。

自民党の石破氏という根性無しが、本性の弱さをさらけ出し赤っ恥をかいた。きっと次はキミだからさ、なんて言われたのだろう。政治の世界に次はない。
権力者の甘言にグラグラするようでは、駄目者だ。子分たちは引き潮の様に石破茂のもとを去って行くだろう。元々大した男じゃない。

政府は株価吊り上げの為に我々国民が収めた年金を、国債から株の投資へと大移動させた。どーんと株が下がると国民の年金はガアーンと下がり地獄絵となる。
マスコミはそれを大きく報じない。ロシアは汚いズル国家、その本性をむき出しにして来た。イスラム国、シリア、イラク、ウクライナ、問題は冷戦時代以上の緊張を迎えている。マスコミはそれを大きく報じない。
日本国の平和憲法改悪は着々と進んでいる。

全国軟式野球大会には驚いた、劇画より劇的だった。
中京対崇徳、延長何と50回。四日間の死闘はもっと熱く報じられるべきだろう。日刊スポーツは一面でその経過を報じていた。30で勝った中京は直ぐに決勝へ。そして三浦学苑を30で破り優勝した。

高校野球の青春は硬球ばかりではない。
神奈川県海老名にある“三水公園球場”孫の公式戦第二戦、十一時四十分プレイボール。いきなり6点、二回に3点、三回に2点、計11点を取られてコールド負け。
0 11相手は強かった。
第一回戦は延長8回サドンデスで32のサヨナラ勝ち、大コーフンさせてくれたから、行って来いだ。

お世話になっている会社の新ブランド立ち上げまでいよいよあと二ヶ月、野球でいえば9回に入った。延長戦は許されない。敗北もまた許されない。必勝を期して全力を尽くして行く。プロフェッショナルの力を結集している。新しいコンセプトがきっと新しい時代を告げるはずだ。

夏の終わりは焼肉店、日本酒一合とホッピー一杯ですっかり酔ってしまった。家に帰り、テレビの前で眠ってしまった。目が冷めてテレビドラマを流す。
八時三十八分「黒田官兵衛」竹中直人の豊臣秀吉が、伴天連追放じゃ、なんて命令をしていた。♪〜赤トンボ羽根を取ったらアブラムシ。そんな歌を思い出していた。ハッピーより、ホッピーだった。


今日は防災の日だ。みなさん真面目に訓練をして下さい。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 

2014年8月29日金曜日

「SAY・YES」



倍率126倍といえばあなたは何を想像するでしょうか。
商店街の一等賞や宝くじの二等賞、銀座のクラブ創立記念の三等賞。

実はASKAの初公判の傍聴券の事。 
21席に対して長蛇の列をつくった人の数が2646人。
で、私でも出来る計算をすると126倍となる。
この人数の99.9%アルバイトで集められた人々なのだろう。

専門の仕出し屋が手配した人たち。時間給は3000円位〜◯×円?。
朝日、読売、毎日からNHKNTVTBS、フジTVなどの報道各社が雇ったのだ。
これは話題の事件の公判の時に毎度行われる。

ASKA事件の報道の狙いはただひとつ。 
ASKAがシャブを使ってどうSEXをしたか、それを記事にしたいため、次にパソナとの関係、次に未だ黙秘を続けている女性との関係、その次に入手先との関係(これはすでに一部うたっている)。
傍聴場面を描くスケッチ作家の席も確保しなければならない、という訳で傍聴券を入手した貴重な一枚が、グイグイ高値となる。このバイトだけで食っている連中も多い。

裁判所に入ると、各法廷にその日行われる公判の札が出ている。
裁判マニアは毎日通って面白そうな法廷で公判を傍聴する。
それを売れない作家から人気作家、大御所までがピンからキリの値段をつけその一部始終を買い求める。それらを足したり、引いたり、掛けたり、誇張拡大したりして何とか本に書く。出版社の編集長とか編集者は、異常に本を読んでいるので、ちょっとやそっとでは本にしてもらえないからだ。

世の中の人はスキャンダルが大好き、人殺し事件大好き、警察もの大好き。
要するに人の不幸が大好きなのだ。ヒマな人は一度裁判所に行って見ると、その実感が目に出来る。ヒマにマヒした人は、テレビの前で、アッあのメガネはどこのとか、あのスーツはどこのとか、あのシャツはどこのブランドとかを言いながらヒマを潰す。

世の中でいちばん始末が悪いのは、ヒマを持て余している人たちと言える。
この人達の噂話が多くの冤罪を生んで来た。

ほっとけ、時間があるのなら何かしろ、働けと思っているのだ。
口に筆をくわえて絵を書く人も、足の指に筆を挟んで書を書いている人もいる。
難病で体がカチンカチンになっても、動くところを動かして生きている証を残している人もいるんだ。“人”は体が動く“間”は働かなければならない。
だから“人間”というのだ。ASKAよきっと再起し世の中を見返すんだ。
未だ才能は有り余る程残っている。大丈夫、勝負はこれからだ。SAY!YES!

2014年8月28日木曜日

「初秋刀魚」




湿った海岸を歩くと足が砂の中にグツグツと入る、その感じが好きだ。
海岸には荒波が運んで来たゴミや流木が山ほどある。
カラスが何匹も群がっている、ひと稼ぎした海の家の片付けも終わっている。

全然ダメだった、去年の半分位しか売り上げられなかったと海の家を出していた男たちは言う。台風が多かったせいか、たまには見える青い海はなかった。
心なしか遠くに見える富士山も、江ノ島の灯台も元気がない。

私は混雑している海には近づかない。
トワ・エ・モワの歌ではないが「誰もいない海」の方がいい。
夏の終わりはもうすぐだ。私の好きな海岸を歩くと、名は分からないが何度かに一度分厚い大きいな貝殻を見つける事がある。
その貝殻に願いを書くと叶うと子どもたちに言って集めた貝殻が数十個壺の中にある。私が鬱の頃見つけた貝殻には、気合とか根性だとか、チクショウの文字が多くある。

八月二十七日(水)の午後四時頃、曇りだったが自転車で海岸に行った。
雨が少し降って来たので直ぐに帰ったのだが、ちょっと海岸に出るとあの貝殻が二個も見つかった。滅多にない事だ。持ち帰り水で砂を洗った。まだ何を書くかは決めていない。

秋が急ぎ足で近づいているのを感じる。暗くなるのが早い。
夜、今年初めての秋刀魚を食べる。嘴が黄色くて、ふっくら太っているのが旨いのだが、愚妻はそんなところは見ずに、長いきゅうりが弓みたいに曲がった様な、細々としたものを買って来た。

きっと去年の冷凍物だろう。
秋刀魚独特のジュージューの感動がなかった。
脂が乗ってねえなと言えば、大差ないわよで終わり、考えてみるとこのひと言の会話は三日振り位であった。オバサンたちがコンビニの入り口にあるベンチに座り、アタシ昨日の夜、コオロギの泣き声を聞いたわよと言っていた。

2014年8月27日水曜日

「眠る前に」




このブログを書いているのは、八月二十七日(水)午前四時四十八分五十二秒、外はほんのちょっぴり雨、久しぶりにイカレクーラーをつけないでいい。
トマトとキューリと、トウモロコシと、ハムのサラダをフォークで突っつきながら、いつものグラスにハイボールを作る。

NTV「おはよん」を見る。
5人の女子アナの名は知らない。5人とも疲れ切ったBarのホステスさんみたいだ。
特に真ん中のメインの女子アナのヘアースタイルは最悪だ。他の4人も同じヘアーメイクはついているのだろうがお化けみたいだ。
5人共に仮眠から抜け出たみたいでネムそうだ。

巨人と阪神は巨人のサヨナラ勝ち、タイガースはここの一番でネコになる。
女子柔道の試合、あんな女子柔道家に寝業に持ち込まれたら逆セクハラだな。
福島で仮の住まい生活に耐えられなかった58才の主婦が焼身自殺した。東電はオレたちのせいじゃねえよと突っ張ったが、当然敗訴した。
ユリゲラーというインチキ男が又、スプーン曲げに来日とか、67才にもなっていつまでもスプーン曲げてんじゃねえ。
アイス・バケツ・チャレンジというアホな寄付活動に賛同したマヌケが池に飛び込んで死んだとか。私の高校時代の恋人はALSで死んだ。だけど私はバケツの氷水なんてかぶらない。氷水かぶった奴は100ドルを払わないって事なのか(?)、それとも両方(?)。
日本海で地震が起きたら、津波が早い所には1分で押し寄せてくるとか、学者たちは国からオドされているのか、浅波の高さは低く見積り、
渋谷の道玄坂で3ヶ月の幼児を殺した18才の女性がエクスタシーを感じていたとか。
安倍首相と石破茂が差して会って話をしたとか、スケールの小さな政治家同士の対話だ。

私はこれから少し眠る事とする。


広島の人々は酷い状況だ。
アメリカでも西の方は何百年に一度の大干魃で野菜は絶滅みたい。
東の方は何百年に一度の大洪水。

文明はその文明を作ったものによって滅ぶという。
歴史を見ない者は、今が見えないという。
今見ている現実はかなり酷いものなのだが、未だ見足りないというのだろうか。

昨日のブログを訂正する。NHKのドラマの中に出て来る、フェルメールの絵の題名を「聖プラクセディス」に変えさせていただく。

夏の終り、みなさんくれぐれも油断なき様に。なんでも有りの世の中だから。

2014年8月26日火曜日

「どーでもいいか」


シラス丼 ※食べログより


高校生のところに一人の家庭教師が来る。
美しい、白ずくめのファッション、十字架のネックレス。
江ノ電が走っている。遠くに江ノ島の灯台、流木に座る女、そこは稲村ヶ崎。

勉強嫌いの高校生には優秀な兄が一人、美しい家庭教師に勉強を教わる、高校生の視線は先生の胸の谷間。何日か目部屋の中で先生に抱きつきキスをする。
それに応える先生、二人は関係を持つ。その日を最後に先生は消息不明に。

がんばって東大に入って私を恋人にしてねの言葉を思い出し猛勉強、そして東大法学部に合格、あっという間に九年後、高校生は東大在学中に司法試験に合格、とある弁護士事務所に入る。看護師の恋人が出来ている、結婚を約束していた。

テレビのニュースが流れる弁護士事務所。そこに警察に捕まった一人の女。
男二人を殺し、一人を寝たきりにしてしまった。
その人には多額の保険金が掛かっていた。
テレビや新聞や週刊誌は連日の大騒ぎ、稀代の悪女だと。
母親があの先生にソックリねと言う。

ある日弁護士事務所の所長が言う、あの美人の事件は裁判員裁判、女は弁護士を探していると。そして面会に行く事にする、若い弁護士を連れて。
面会室、女は白いファッションで現れる。私を信用できますか、私は死刑制度に反対なの、死刑だけは避けたいと。
かつての高校生、今は若い弁護士になった男と目と目が合う。
拘置所内の女、思い出し笑いをする。手を合わせ祈る。

自称美術コーディネーター、好きな絵はフェルメールの「牛乳を注ぐ女」優秀だった兄は引きこもりになっている本の山の中、パソコンの画面には白いファッションの女の映像。女は弁護を依頼して来る。
勿論あの高校生だった弁護士、午前一時二十五分〜二時十五分までの間にこれだけの事がドラマの中に起きる。

原稿を書きながら振り返りつつ見てしまった。再放送だった。
JUJUの主題歌「ラストシーン」が流れる。
ドラマのタイトルは「聖女」白いファッションの女は広末涼子、高校生から弁護士に成ったのは永山絢斗であった。

多分この二人はこのドラマがキッカケで結ばれる。
広末涼子はキャンドルアーティストと離婚する。そんな現実のドラマを感じた。
まぁ〜どうでもいい事だが。

悪女、毒女、鬼女、怪女、殺人鬼、この頃の事件は怖い女性が主役だ。
事実は小説より奇なりの毎日だ。女性には決して逆らってはいけないのだ。
自民党の代議士橋本聖子がスケートの高橋選手とキスをしてしまったとか。
どーでもいいか。

湘南名物シラス丼で都会人に人気の店「あさまる」が食中毒を出したと記事にあった。
どーでもいいか。

2014年8月25日月曜日

「週末は少年たちを」




八月二十二日(金)東京駅。
長い長い地下へのエスカレーターで総武線へ、六時〇六分発千葉行快速電車。
これがすごいギューギュー詰め、馬喰町、新日本橋、更にギューギュー詰め。

私といえばカバンを足元に置いて両足で挟む、両手は吊り革に、金輪際離さないとしがみつく。何故ならこの間ある高校の先生が痴漢をされたと女性に訴えられてヒデー目にあった。生徒たちの協力で無罪になる、長い裁判の末であった。

スマホをいじる男、男、女、女、体と体が密着する。
ふと思う、何で女性だけが痴漢と訴えられるのか、男だって訴えていいじゃねえか、女性が男の体を触ったらどーすんの。男女平等じゃないかいと。


約二十五分後船橋へ、土曜日に愛する孫(小学二年)のサッカー大会の予選の応援に行ったのだ。朝九時キックオフ、オオー、いきなり孫がシュートを決めた。
ダメ押しの四点目も決めた。42で勝ち、第二試合まで一時間待ち、第二戦はノーゴール、半分はキーパーをした。試合は勝った。そこで帰る事にした。
第三戦は強い相手で81で負けたとか。孫はノーゴール。
でも予選突破、九月六日にまた行く事とした。

八月二十四日(日)午後一時三十分、息子の長男(小学校六年)愛する孫の野球の試合の応援に。孫はいちばんチビだが主将で三番、この日はショート、捕手、そして投手をやった。公式戦は一時間半で終わりだが練習試合なので七回まで、いきなり相手の主将(一番でショート)にでっかいホームラン、エース不調で5点を取られる。
一度は55の同点となるも相手の打撃は相当に凄い。バカスカ打たれる。
相手は70球投げたら交代だ。

孫は第一打席ライト前にライナーのヒット、第二打席フォアボール、第三打席ランナー二、三塁で見逃しの三振、第四打席、投手越えの内野安打、第四打席は左中間にでっかい二塁打、あと少しでホームランだった。
捕手の時二人を牽制のサインを出して殺す、投手の時三塁ランナーを牽制で殺す。
4打数3安打打点5、投手で23分の2で失点5,結局、1610で負けた。


熱心なコーチたちにつくづく感心する、本当に野球が好きな人たちだ。
一人が椅子を持って来てくれた。孫は何度も何度も私の方を見る。
ガッツがありファイトもある。

夜ごはんを食べに来たので、ご褒美に500円玉一個、嬉しそうだった。
気がついた事を私は書いて渡した。
どんなに疲れていようと、私は愛する孫たちの応援に行くのであった。

私の父は51歳で亡くなった。私を応援する日は一日も無かった。
私は少年が大好きなのだ。

そんな中、金、土、日の三日間で400字詰原稿用紙三冊半を書き上げた。
一冊分は既に書き上げていた。断りきれない義理があって近々本を出版する。
230250ページ位になると思う。多分誰も買わないだろうが。

日曜日午前三時十六分、これから新しいブランドを立ち上げている大切な会社の映像用の原稿を書き始める。テレビは通販しかやっていない。
いつものグラスにジンビームのロックを作った。レイ・チャールズの音楽を流す事にした。勿論「愛さずにはいられない」I can’t stop loving you.

2014年8月22日金曜日

「甲子園の犠牲」




八月十六日(土)TBS夜十時〜十一時二十分位までニュース番組を見ていた。
レギュラーのビートたけしが私と同じ意見を言っていたのを八月二十日夜に思い出した。

安住紳一郎というアナウンサーが、たけしさん高校野球は見てますかの質問に、「オイラは見ねえよ、あれはまるでイジメみたいだ、わざわざ真夏の炎天下の中で何百球も投げさせて将来ある球児の肘を壊してしまうんだから」

ゴッソリと重い資料を入れたバッグを右手に、左手に右肩に左肩にと持ち替えてやっとこさ家に辿り着き、「熱闘甲子園」テレビ朝日午後十一時十分〜四十分を見る。
その中で盛岡大付(岩手)対敦賀気比(福井)を見て心底怒りを感じた。
盛岡大付属高校のエース松本くんは注目の投手であった。
最速150キロのスピードボールを投げていたからだ。

しかし松本くんの肘は県大会の段階でボロボロになっていた。
第二戦はなんとか変化球でしのいで東海大相模に43で勝った。
だが肘は悲鳴をあげていたのだ。

第三戦敦賀気比高校に挑み肘をテープでグルグルに巻いていた。
アンダーシャツで隠していたが肘の部分は大きく膨らんでいた。
球速は120キロ前後しか投げられない。まともな投球が出来ない。
強打の敦賀気比高校はメッタ打ちにした。監督は何をしているのか、何の為にいるのか、信じ難き虐待のシーンだ。

結局二回三分の二で9点を取られたところで交代となった。 
161で岩手代表は敗けた。そして一人の将来ある投手が消えた。
朝日新聞とNHKとテレビ朝日はドル箱のコンテンツである甲子園を必要以上に美化し、ドラマ化し、絶叫をし続ける。野手は肘を壊すことはないが投手にとって甲子園は地獄なのだ。殆どの投手はプロに入っても数年で肘を故障する。

ちなみに甲子園の優勝投手でプロ入りしたのは33人(うち8人は野手に転向)通算10勝以上したのはわずか12人。100勝以上となると、尾崎行雄、野村弘樹、桑田真澄、松坂大輔、田中将大の五人しかいない。尾崎、桑田、松坂、そして田中の四人は肘を壊してしまった。

中継するアナウンサーはひたすら叫ぶ、新たな鉄腕誕生ダァー!一人の投手が二日間で300球近く投げたからだ。そしてまた、一人将来ある投手の肘が壊れるだろう。
スゴーイ、根性ダァー!見事な気合ダァー!故郷に届け熱投ォー!なんて叫ぶのだ。

大リーグ関係者は甲子園をクレイジーだと口を揃えていう。
入場式の歩き方は、雨の神宮球場を歩いた学徒出陣と同じだ。
その県の選手ではないのがあちこちから引っ張られて越境入学。
そして戦い終わると自分の県に帰って行く。「甲子園ビジネス」は確実に曲がり角に来ているといえる。今年ほど一年生、二年生の投手が多い年はない。
何故なら三年生の肘がぶっ壊れているからだ。

2014年8月21日木曜日

「合掌」




広島の大災害を見ていると、今日はとてもブログを書く気にはなれない。

何が起きるか分からない世の中、みなさんくれぐれもご注意あれ。
いかなる文明も、大宇宙、大自然の怒りに勝つ事はできない。
日本がポンペイにならない事を願わずにはいられない。

広島で災害に遭った人々に合掌。

2014年8月20日水曜日

「銀座四丁目にて」




去年もそうだった。その前の年もそうだった。とにかく暑かった。
今年はそれ以上に暑い気がする。
熱暑、猛暑、狂暑、炎暑。

銀座を歩いていると、ヘトヘト、ベタベタ、フラフラ、トボトボと人が歩いている。
男も女もガニ股になる。歩幅は狭く速度は遅い。
無言の人たちが、汗と汗と汗でつながっている。気どっている場合じゃない、気どっている場合じゃないわと、かなりだらしなしなっている。

ただ太陽が眩しかったからと、人を殺した男の話があった。
人それぞれに無気味な殺気がある。気温が35度を超すと人間の頭の中からリズムが消えるという。人は音楽を失うとケダモノになって行くという。
ダランダラン、ペタンペタン、ガニ股の角度は広くなって行く。

銀座四丁目、交番前のオープンカフェで汗を引かせるためにアイスコーヒーを飲みながら、行き交う人を観察する。
私の耳鳴りは30度を超すと強烈になる。何十匹もの蝉が私の耳の中で集会を始める。
隣の人に聞こえているのではと思う。
 
交番では若い巡査が何か事件でも起きないかなぁと突っ立ている。
中国人観光客がミヤーミヤーと騒いでいる。
和光の前には一人の雲水がじっと固まっている。
過去の過ちを噛みしめているかの様に。
人と人が一色触発の危険を孕みながら移動している。
 
人間は35度以上になると何も考えずに機関銃をひたすら撃ちまくると言った米軍の元兵士の言葉を思い出す。日本兵は40度以上もあるタコ壺の中で、何百度もある火炎放射機で焼き殺されていった。

去年より、その前の年より、今年は戦争に近づいている。
銀座はやっぱり秋がいい。やっぱり夜がいい。
ブルースが似合うからだ