ページ

2016年11月16日水曜日

「ボヴァリー夫人」




敬虔なクリスチャン良家で育った高貴で理知的な美しい女性が、実直で清廉な医師と結婚する。親は御祝いに金の食器を贈る。

医師夫婦は自分の故郷で患者を診る生活へ入る、いつかは開業しようと。
都会で育った美しい夫人は村の評判となる。
あざとい商人が来て、家具やカーテンや敷物、衣服や宝飾品を売る。
支払いはいつでもいいですよと。何故なら医師には遺産相続する土地があるから。

美しい都会の夫人にとって、村の生活は退屈でしかない。
患者の治療に尽くす夫、生活の事は召使いがする。
やる事といったらピアノを弾くことか、クッキーを焼くこと位しかない。
そんな夫人にとって結婚は不幸せでしかない。

村の有力者の男はそんな夫人に言い寄り二人は激しく関係する。
商人から次々と着飾る物を買う。が、激しく迫ってくる夫人は男にとって重荷になり夫人を捨てて村を出る。

やがて夫人は都会から旅に来ていた若者を求める。
そのためにまた商人から物を買って着飾る。
夫の目を盗み都会に出て若者の職場まで行く。若者はそんな夫人を追い払う。
職場の上司から不倫なんかしているとクビだと言われて。

傷心の夫人が家に帰ると夫は商人に請求書を突きつけられている。
借金はいつしか莫大となっていた。
支払いはいつでもいいと言ったでしょと言うと商人は、冗談ではない自分だって厳しいんだと言う。そして有力者の男が村に帰って来ているから金を借りればと言う。
夫人は男のところに行き借金を申し込む、あなたはずっと私を抱いたでしょと。
男は君に貸す金なんかないと断る。

夫人は差し押さえられすべてを持って行かれた家の中に、隠しておいた金の食器を持って商人のところに行く。だが商人がくれたのはワンコインだけだった。
夫人はもう自分の体しか売るものはないと商人を誘うが商人はつれなく突き放す。

“退屈”ってものは高くつくと。夫人にとってやることは一つしかない。
昨日深夜ヘドロのようになった頭の中を浄化するために、借りて来ていた「ボヴァリー夫人」を観た。

美しい女性を妻に持つ世の男性よ、変化を見落とすことなかれだ。
“退屈”と“愛”に気をつけるべし。何、ウチの奴は不細工だから心配ないだと、バカモノめ、女性は顔じゃないんだよ。
午前四時五十三分三十二秒、いつものグラスに酒を注いだ。
つま味は小アジの南蛮漬けを四匹。

2016年11月15日火曜日

「イクラはいくらも」




五角形の入れ物の中に、カニ、イクラ、シャケが入っている駅弁がある。
北海鮮弁当というような名がついていた。一個1180円である。
その弁当を私の前に座った老人ご夫婦が二人で食べていた。

写真と比べるとずい分イクラは少ないし、カニは細い。
シャケはどこにあるのかしら、ホラここだよここ、あら、ずい分と薄っぺらいのね、たった三切れしかない。仕方ないよ駅弁だから、でも駅弁の中では高いのを買ったのに。
そうだな大失敗だったな。イクラなんか数が勘定できるほどしか入ってないね。
あらお箸割るのを失敗してしまった。先っぽが二つに割れなかった。
これを使いなさい。いいわよこれで。

小津安二郎の名作「東京物語」の笠智衆さんと東山千栄子さん夫婦のようなほほえましい光景があった。東京駅で売っている駅弁はかなり偽装的である。
私の前にいたご夫婦は久々に見る品のいいご夫婦であった。
あらイクラが飛んでしまったわ、私の足もとに小さな赤い粒が飛んで来て落ちた。
イクラはいくらも入っていなかったから貴重な一粒であったはずだ。

2016年11月14日月曜日

「越前若狭・焼鯖寿し」



新浦安駅からクルマで約10分のところに高洲小学校があった。
朝七時半に目覚まし時計をかけて起き、ボーっとした頭を熱いシャワーで攻める。
コーヒーを淹れる。いよいよ今年で終わりにしようと思っている朝日新聞を読む。
八時TBSで関口宏のニュース番組が始まる。

姜尚中、大宅映子、目加田教授、岸井成格などのレギュラーメンバーがトランプショックをコメントする。世界中がトランプショックで呆然としている。
フジテレビのコメンテーター木村太郎が予想が当たったからと引く手あまたで大ハシャギであった。

高洲小学校で小四の孫のサッカー応援をした。
九時過ぎ愚妻と共に家を出た。サッカーを応援した後、ひと仕事をする。
試合は残念ながら0対1、1対4で二連敗であった。ベスト16であった。
20分ハーフ、40分間走り続けていた。
陽差しが強く20度近くあったのでかなり汗をかいた。80メートル位と思われる試合場を両軍16人の少年たちは懸命に走り、攻め、そして守る。

第一試合が終わった後、学校の斜め前のイトーヨーカドーに行きお茶でもしようと思ったが、スーパーにはそんな処はなかった。
汚れが目立つエレベーターの中に、やたらに当店の生鮮食物には“放射能汚染”はありません、キチンと特別に検査してますと貼り紙があった。

その後仕事場に行き、約10万語、原稿用紙にして2500枚の生原稿の読み込みを始めた。
大先輩の書き下ろし大長編小説である。身が引き締まる。
先ずお前が読んでくれの命であった。ある会社のプレゼンを頼まれていてその原稿も書く。日曜日は静かである。陽を浴びたせいか顔が火照っていた。

月曜日に私の期待する人のパーティーがある。
出席が出来ないかもしれなくなっていたので、激励の花を送っておいた。
日本も世界も右傾化になる。孤立主義、保護主義はかつて世界戦争にと向かった。戦争か平和かが現実的テーマとなって来た。期待の人には頑張ってほしいと願う。

場末のキャバレーのような派手派手のトランプ一族を見ていると、ゾッとする。
更に、トランプは本当は話の分かる奴、実はインテリ、頭はシャープで柔軟性がある、交渉しやすい相手、なんて話をテレビに出ているいつもの連中がいう。
手のひら返しのコメントをしている。それを見ると、ゾッゾッとして体が寒くなる。

トランプにとって我が国は“戦敗国”、金ヅルでしかない。
純粋な少年たちを見て救われたが、夕陽が落ちるほどに気分も落ちた。
世界はファナティシズム(狂気的)の時代の中に入った。

出よ人物、私は決して諦めない。きっと乱世には人が出る。
少年少女の行く先が戦場にならないために。
それにしても大先輩はさすがに凄い筆力を持っていた。
東京駅で買った“焼鯖の棒寿司”を食べた。










2016年11月10日木曜日

「ドミノピザ」


夢から覚めたら悪夢だった。トランプもヒラリーもそんな思いだろう。
負けるはずはないと思っていたヒラリーと、勝つはずはないと思っていたトランプ。
ヒラリーは勝利者宣言を考えていたが、トランプは考えてもいなかった。
二人の姿にそれが有り有りとしていた。
トランプはこれからの事の重大さに気づき、えっ、ウソ、ホント、オレ政治なんか興味ネエし、わかんネエし、浮気もできない。4年間も拘束されるなんて、正直そんな気分かも知れない。

アメリカという国を、株式会社アメリカ合衆国位に軽く考えりゃいいってもんですよボス。何回も会社を潰した経験が活きるってもんですよボス。
オオそうかお前いい事いうな、国務長官にしてやるぜ。何、財務長官の方がいいってか、よしそうしてやるぜ。FBIのコミー(長官)のヤローなかなかいい芝居をしてくれた。だがよ食えねえ奴は用心しなきゃな、一歩間違えばヤバかったしな、オイ俺のホッペをつねってくれや夢かも知れないから。こうなったら大嫌いな日本人をトコトンいじめてやる。真珠湾を忘れるなだかんな。
未だ未だ金を持っているし、ちょいとオドせば、ブルっちゃって幾らでも金を出しますよボス。
オイ、PTAじゃネエTPPだけどよ、オバマの奴銀座の次郎だがっていうバカ高い寿し屋で、念押しをしたらしいけど俺はアメリカ第一、白人第一だからな、とりあえず放っておけだ。
ボスアメリカの70%は女性と有色人種ですぜ、メキシカンとかイスラエルの連中はヤバイからボディガードをバッキバキに増やしやしょう。
そうさな俺にソックリな影武者を何人か探せや、ヘイボス。なんだか面倒臭えな。
マドンナやレディガガ、ブルース•スプリングスティーンなんて連中はどう落とし前をつけましょうかボス。
ウォールストリートの金の亡者たちは、バカヤロー俺の方が金の亡者だ。
ヘイそうでやしたボス。

私の夢の中にこんなシーンは浮かばなかったが、こんなことだろうか(?)。


ところでドミノピザは未だ来ねえのか、ヘイ今出たそうです。
まったく日本のそば屋の出前みたいだな。
すぐ日本の総理大臣を呼べや、大切な金ヅルだからな、一発ハッタリかましとくから。

2016年11月9日水曜日

「大外れ」

嫌われ者同士の戦いはトランプに軍配が上がった。

野心家のヒラリークリントンは銭こそすべて、欲望こそすべての男に敗れた。
日本国はパニックを起こす。経済界も同じで株価は1,000円近く下がった。
円高はいずれ90円台となり、円高不況となる。
TPPなんて絶対反対といっているトランプに対し、今国会でスッタモンダをやっているのは何か。
ヒラリーが勝つと思っていた日本国政府は、トランプとの外交ルートがない。
大マスコミの予想も大きく外れた。
FBIのメール問題が影響した。つまりはFBIが大勝利を納めた。
アメリカ合衆国とは疑惑に満ちた怖しい国である。
メキシコのマフィアたちがトランプを狙い打ちにするかも知れない。
ホワイトハウスの中は大パニックであろう。
TPPは何処へ行くのか、病葉(わくらば)となり川を流れて行くのか、関係各位の人々は今、大きな徒労感を味わっていることだろう。賛成も反対も。

私の予想も大外れであった。ヒラリーは大嫌いだけど。

2016年11月8日火曜日

「大統領選とダイナー」




ダイナー(diner)を制するものはアメリカ大統領を制すともいう。
日本でいえばファミレスだろうか。アメリカ中にあり、あらゆる人種が集まる。

たっぷりのミルクに卵を入れてかき混ぜる。そこに大きなカットパンを入れてフライパンで焼く。メイプルシロップをたっぷりとかける。
バカでかいバンズ、バカでかいハンバーグ、レタス、トマト、玉ネギ、それにチーズ。アメリカンハンバーグだ。大量のフライドポテトチップとポテトフライ。
トマトケチャップをどっぷりとつける。
バカでかいチキンを溶き卵につけ小麦粉に浸し、油で揚げる。
卵5つ分のスクランブルエッグ、太いソーセージ、お決まりのフライドポテト。
大きなマグカップのコーヒーにはシュガーを一袋ゴッソリと。

シェールガス革命に命をかけたが、サウジアラビアが減産を中止したのでシェールガスは安い石油でなくなり、シェールバブルは終わった。
群がった男たちは消えてしまい残ったのは動きを止めた油田ばかりだ。

太るために必要な全ての食べ物と飲み物をペロッと平らげる。
男と女たちは言う、移民を止めさせろ、不法移民は帰せ、イスラム教徒の首を斬れ、既成の政治家のウソとゴタクを並べる言い訳にはもうオサラバだ。

アメリカ全土で20万軒はあるというダイナーでは、投票最後の日の夜までヒラリーかトランプかをビールを飲み、コークを飲み、バカでかいハンバーガーを食べながら語り合う。と言うより怒鳴り合う。
履き古したジーンズ、泥だらけのブーツ、色あせたタータンチェックのシャツにつなぎのバンド、安手のコート・ジャケットにテンガロンハット。

年金暮らしという老人たちは口を揃えて、既得権益の代表、嫌な女、野心家ヒラリーはトランプに負けてしまえと。
ダイナーには大統領候補も来て運動をした(11月7日午前二時BSにて)。
日本でいえばデニーズ、ガスト、ロイヤルホスト、ジョナサン、ココス、すかいらーくなどだ。

一人の天才からTempo dropという不思議な置物を送ってもらった。
一見理科室にある実験用のようなものだ。円錐の三角形のビーカーの中に、米麹みたいな白い粒子が自在に浮遊する。その日の天候などによって無数の白い粒子の動きが変わる。海底2万マイル探検の時に役立ったとか。
航海術や気象学などは全く分からない私だが毎晩その変化を見ている。

アメリカ合衆国はどんな変化を見せるのだろうか。
肥満大国は砂糖とコークとハンバーガーとポテトで滅びるともいう。
いつものグラスにジンを入れた。
BGMは沖縄の友が送ってくれた飛び切りいかしたTerry Callierの音楽だ。
R&Bのような、ビーバップのような、ソウルフルなギターと叫びだ。
悲しい夜にはやけに沁みる。

2016年11月7日月曜日

「コンフィデンシャル」



名優ケビン・スペイシー主演の映画に「LAコンフィデンシャル」というのがある。
すべては疑惑の中というアメリカの実態だ。
名優デンゼル・ワシントン主演の映画に「トレーニングデイ」というのがある。
アメリカの警察はヤクザよりヤクザなのだ。
名優アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの主演映画に「ゴッドファーザー」がある。
アメリカはマフィア国家なのだ。この映画の主演中の主演はマーロン・ブランド。
名優ジョージ・C・スコット主演映画に「パットン大戦車軍団」というのがある。
アメリカ人は戦争大好き国家なのだ。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」という映画では、アメリカの有力組合の委員長がウインナーソーセージにされてしまう。仲間に追われたギャングのボスは自らゴミ収集車の中に入り、ゴミとして砕かれる。アメリカ人の大好きな言葉は、ジャスティス(正義)だ。正義の大安売り。
が「スミス都へ行く」という映画では、正義心の固まりのような上院議員スミスが法律で定められた方法で24時間ブッ通しで不正の追求をする。トイレ以外座ったら即演説は終わり。
「スミス都へ行く」は議員の教本となった映画だ。

アメリカという合衆国は正義から極悪まで、ユダヤ人とギャング、マフィアがほとんど支配している。
世界ヘビー級チャンピオンと大統領はギャングとマフィアがつくるといわれている。
ボクシング映画の名作は多くある。
その多くは八百長試合を拒否したボクサーがその命である拳を粉々にされる話だ。

さて、いよいよアメリカの大統領選もラストシーンとなった。銭こそ命のトランプと、野心こそ命のヒラリーの泥試合だ。
正直私はトランプは泡沫と思っていたのだがここまで来るとは、アメリカも人材不足なのだ。
目くそ鼻くその戦いだな。ブッシュがゴアをイカサマで負かしたように、今は相方のバックがイカサマを練っているはずだ。どっちにしても習近平やプーチンの相手ではない。
FBIがどうして法を犯してまでトランプ支持に動いたか。
それはトランプ勝ちを読んだからだと思うが、コンフィデンシャルなのだ。

メリカ合衆国は確実に滅びはじめている。「博士の異常な愛情」という映画では、ジョージ・C・スコット将軍が、大統領たちに核をバンバン打ち込めと言い放す。これがアメリカの本音なのだ。
ヒラリーが勝てば、FBIの総取っ替えとなるはずだ。
レームダック(死に体)といわれたバラク・オバマが実は生き体になっていた。
これほど頭脳的な大統領はF・ルーズベルトしかいない。どっちが勝っても影響力を持った。

もしかしてFBIを動かしたのは(?)さぁ~どっちか、丁か半か、銭か野心か。
アメリカ追従、アメリカ一辺倒の日本国はその先が見えていない。
銀座のデパートの館内放送は中国語ばかりなのに。商人は政治家の何歩も先を見ている。
堺や博多の商人が、織田信長を秀吉を使い光秀を焚き付けて殺したように。
かつての商人たちはマフィア以上であった。

2016年11月4日金曜日

「文化の日」



前夜、強く降っていた雨はすっかり上がり、神奈川県大和スタジアムは久々の晴天になっていた。別名ドカベンスタジアムといわれる。
グラウンドの入り口には水島新司氏が生んだ人気漫画の主人公ドカベンのでっかい彫像があった。

午前九時試合開始なので目覚まし時計を六時半にセットした。
早く寝ようと十二時頃にふとんに入ったが結局眠ったのは午前二時を過ぎていた。
やけに腹が減っていたのでトーストを一枚焼いた。
紅茶を少し飲んで再びふとんに入った。睡眠導入剤といつもの酒を追加した。
目覚まし時計が鳴った時テレビは付け放しで、小さな電気スタンドも付け放しであった。枕元に週刊文春が開き放しになっていた。レコード大賞に裏金一億円の記事があった。

辻堂⇔藤沢⇔大和と東海道線と小田急線で行くことができる。
八時半頃スタジアムに着く、素晴らしい球場であった。
ミサワホーム杯親善野球大会、相手は“横浜金沢”であった。
前の週の試合、横須賀スタジアムで愛する孫(中二)は三塁打で二打点、満塁ホームランで四打点、試合は7対0で六回でコールドゲーム勝ちをした。
夜ビデオでそれを見てみんなで大拍手をした。相手は強い“保土ヶ谷シニア”であった。

体の小さい孫も少しずつ大きくなり練習の成果が出てきたのと、食事の量が増えパワーがついて来ている。このところ当たっていると聞いた。
スタンドのベンチは未だ雨が残っていて、太陽の強い光を浴びて一気に蒸発していった。朝寒かったので厚着をして行ったがすぐに一枚二枚と脱いだ。

息子のお嫁さんが当番で朝五時に起き、一度ホームグラウンドで集合し他のお母さんとお茶やらコーヒーを用意してグラウンドにいた。
この日お嫁さんが家に帰って来たのは夜九時少し前であった。

3対4で残念ながら敗けてしまった。孫は三打数一安打であった。
一番サード第一打席いきなりセンター前ヒット。六回打球が来たが軽快にさばいた。
試合開始直前お嫁さんの携帯に私宛の電話が入り私はそれに出た。
決していい内容の話でなかった。気分はドスンとなったが声援を送り続けた。
第一試合に勝てば午後一時からもう一試合であった。
が、敗けたのでみんな荷物を乗せてそれぞれ寒川神社近くのホームグラウンドに帰り、練習であった。11人の少年たちはクルマに乗って行った。涙と無言であった。
最終回一点を入れて、あと一本ヒットがでれば同点であったが勝負は甘くない。
当番のお母さんたちもヘトヘトになる。
職人の息子は仕事に出ていて試合を見れなかった。

この日船橋の娘の息子(小四)がサッカーの県大会を九十九里の方でやっていた。
第一回戦4対0、第二回戦3対1で勝ってベスト16になったと電話が入った。
孫は一ゴールを決めたと聞いた。私にとってこんなニュースが何よりの話なのだ。

久々に藤沢駅ホームの大船軒で、チャーシューメン(520円)を食べた。
実はこのラーメンが格別に旨いのだ。さっぱりとしたしょう油味で人気なのだ。
小田原行が16分遅れなので食べる事ができた。
列車に乗り座ると一気に眠気が来てしまった。

家に帰り返却日となっていた映画「殿、利息でござる」を観た。
これはいい映画であり勉強になった。大船軒のラーメンに匹敵するいい味であった。
史実に基づいている話で、現代の金儲け第一主義の人たちに是非オススメだ。
監督よし、カメラよし、照明よし、何より一人ひとりの役者よし、歴史家磯田道史氏の原作よし。代官様は悪い人ばかりでなかった。
役人社会の仕組みは現代以上に複雑であった。
戦のない時代、武士が多過ぎるのでいろんな役職をつくり、縦割りの仕組みがあった。
人間ヒマほどの敵はない。週末是非ご覧あれ。


2016年11月2日水曜日

「ブリ大根と官僚」




次に書くことが私の危惧で終わることを願う。
豊洲の盛り土(つち)問題の元凶はこの者たちに有り、と名指しされた東京都の副知事以下の姿をテレビで見ると、何か重大なことを覚悟しているように見える。
キーマンが一人二人と背任を負ったり、負わされたりして姿を消すケースは数多い。
官僚(役人)の掟である。

カメラのレンズを通すと、その人間のその先を見ることができる。写真は正直という。
小説や映画、古典芝居や史劇、テレビドラマなどの主題で多いのが、官僚たちの闇の力である。豊洲の移転問題も、オリンピックの会場移転問題も官僚たちが仕切っている。
“移転”という二文字には必ず利権が絡むからだ。
誰かに責任を追わせなければならない時、トカゲの尻尾は切られる。
が、その尻尾は主を変えて再生する。

この国は何から何まで東京大学法学部卒によって仕切られて来た。
戦前、戦中、戦後と官僚たちは壮大な野心と野望を持ち、またあらゆる情報を握りそれを力の源泉として支配し続けて来た。ある年立花隆氏の巨著「天皇と東大」を読んだ時、そうか、そうだったのかと思ったが、何もかもその通りなのだ。

明治維新を天皇を利用した暴力革命だと言う歴史家は多い。
その立役者の一人、薩摩の大久保利通が生んだ官僚組織は大久保が暗殺された後、長州が受け継いだ。官と軍と警察は、薩、長、土、肥が仕切ることになりそれは今でも脈々と続いている。警察組織に鹿児島出身と土佐出身が多いのはそのためだ。
戦争とは国と国による利権の奪い合いだから官僚がすべてを取り仕切る。
軍はその実行者に過ぎない。知に勝る海軍は陸軍を見下ろしていた。
彼らは天皇も権力者も意のままに動かすことができると自負している。
例え総理大臣の任期を何年延長しようとその時が来れば権力者は交替する。
官僚たちは腰を折り、膝を屈し、頭を下げながら実は政治家を見下ろしている。
まして東大法学部卒でなければ相手と思っていない。
自分たちに不利益と思えば情報をリークして政治生命を奪う。

天皇が生前退位をビデオメッセージで国民に訴えた。
再び戦争のために利用されたくないという、天皇家のメッセージでもあった。
今、この国では憲法九条改正反対の天皇家と、アメリカの代理人、利権の代理人である官僚が戦っている。殆どの権力者はその代弁者に過ぎない。
初代総理大臣、長州出身の伊藤博文からその歴史は続いている。

昨夜夕食をゆっくり家で食べた。ブリと大根煮、肉野菜炒め、肉じゃが、油揚げとトーフの味噌汁、知人が送ってくれた大好物の奈良漬けであった。料理を作っていた愚妻がひと言言葉を発した、“おそばいる?魚焼く?”“いらない”会話はこれで終わり。

シャーロット・ランプリング主演の映画「さざなみ」を午前二時~三時四十分まで観た。年をとった名女優は文学的だ。名作「愛の嵐」を思い出した。

2016年11月1日火曜日

「祝福」


久々に結婚式らしい結婚式に出席をした。
大変お世話になっている会社社長のご長男であった。
この頃は家族だけで式を挙げ、後日友人知人たちとパーティーをするのが多い。
これはこれで堅苦しくなくていい。

一方ホテル内で式を挙げ、そのまま披露宴となる形式も適度に堅苦しく、緊張感もあり映画のシーンのようでいいものだ。お仲人さんがいないのが定番化しているようだ。
型通りに進むのがいい。
主賓の方々のご挨拶、どんなに場馴れしている人も、一番バッターは緊張する。

ある結婚式で私の知っている社長は30分位喋ってしまい大変なことになってしまった。文金高島田で立ち尽くした新婦はお色直しの時、控室であ~このままでいたいと言ったとか。
結婚式で新郎新婦のご両親がかしこまっている姿はいいものだ。
やっとここまで来たか、感無量となる。

友人のスピーチ、生い立ちから二人の出会いまでのエピソードをビデオ映像で。
美人ソプラノ歌手の唄に酔い、中国人の変面(一瞬で顔面が変化する)に驚き、美味しい料理を楽しむ。

普段お会い出来ない偉い人と会えるのも結婚式ならではだ。
また久しく会っていなかった人にも会える。いや~どうもどうも、お~元気だった、お久し振りですご無沙汰で申し訳ありませんとかの言葉が行き交う。
両親たちはあの方、あの人に遠くから気をつかい、あいつら余計なことを話してないか、あいつ酔っ払わないかと心をつかう。

結婚しない若者たちが増えている。
自分たちで家庭を築いて行くということは人生の目的でもある。
式を挙げるのもよし、式を挙げずもよし、私は若者たちの結婚を心から祝福したい。
水に常形なし、雲に常形がないように結婚の姿も同じものはない。


♪~しあわせは歩いてこない だから歩いて行くんだね(水前寺清子 365歩のマーチ)。
まだ若輩者です、どうか若い二人に今後共ご指導ご鞭撻をお願いします。
父親の挨拶にホロ酔い加減の出席者は、よし分かったまかせておけと思ってくれたはずだ。