ごく普通の人間が狂人に変わるスイッチがある。
家族で赤い夕食を食べている。
ある家庭は赤いスパゲッティ、ある家庭は赤いチキンライス、ある家庭は赤いトマトベースのブイヤベース。テレビでは赤い血がほとばしる殺人シーンの連続。
又、お笑いイジメタレントを使った恐怖シーンの連続。
又、世界ビックリニュースとかでの残酷シーンの連続。
テレビマンの企画力が全くなくなり制作会社やフリーの人間に丸投げする。
ゲーム世代に育った彼等には血と暴力と阿呆とセックスと恐怖しかない。
少々視聴率が稼げるのと制作費が安いのでテレビ局は採用する。
又、見識のないスポンサーが提供する、そして事実は小説より奇なりを遙かに超えたとてつもない残酷な事件が起きる。世の推理小説家なんてまるでその発想力を否定される。
赤いスパゲッティを食べてた男は浮気女房に殺意を感じ、赤いチキンライスを食べた主婦は博打狂いの夫への復讐を考え、赤いトマトベースのブイヤベースを食べていた若い夫婦は練炭による無理心中を心に決める。
普通の人間程いとも簡単に狂人と化すという。
身持ちの良さそうな主婦が売春に走り、清楚な女性が麻薬の虜になる、男も又然りである。
年間に1000件以上殺人事件があるという。
その中で現在確定死刑囚は109人だ。人間の命が平等に扱われていない。
実は殺された方がよっぽど悪い奴であるという方が圧倒的に多い。
死刑とは何か深く考えさせられるこの頃である。
殺人を裁いた人間が殺人で終わらせるのだから大きな矛盾をはらんでいる。
選ばれた裁判員が将来犯罪を犯さないという保証はない。
生まれた時はみんな可愛い赤ん坊であった。
何処でどう人生のスイッチが変わったのかそれを情状の価値という。
私はテレビやインターネットに大罪有りと云いたい。
あまりに多い殺人や残虐なシーン、残酷なシーン、エログロなシーンそれを見ながら平気で食事が出来る家庭はこの国位だ。
阿呆と馬鹿がひな壇一杯になって繰り広げる救い難き番組の数々。
この国は間違いなくテレビが滅ぼすと断言できる。又、それを批判しない新聞。
内田樹の「街場のメディア論」を読むといい。
才能有るナインティナインの岡村隆史が精神的に参っていると聞くと彼には立派な良心があって悩み苦しんでいたんだと思う。
真っ当であったのだ。これから続々と心と体を痛める芸人が現れる。
宇多田ヒカル、沢尻エリカ、中森明菜は実は真っ当であったのだ。
とにかく怖い怖い世界の住人達である。
おぞましい、おぞましい。
こんなおぞましい世の中に可愛い孫達を出すのかと思うとゾッとする。
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