お前が一番親に迷惑を掛けたんじゃないか。
何いってんだお前だって二度も離婚したくせに。やめなさいよこんな日に大した財産でもない話の事で。何エラソーにいってんだあんたは何も面倒見なかったじゃないか、自分だけいい身分になったからっていつも問題があると逃げてたくせに。
まったく遺言を書いておいてくれたからよかったんだよ、大体親父はだらしないんだよ。
結局お母さんがあんな死に方をしたのも金にも、女にも何事もルーズでだらしなかったからなんだから。もう止めてよそろそろ人が来るんだから。
「終活」ブームだそうです。
決して「就活」ではありません、友人の行政書士から聞いたあるお通夜をダイジェストにしたのです。
実話はもっと強烈だったそうです。
お茶をぶっ掛け合うわ、殴るわ、蹴るわ、鼻血は出るわだったそうです。
「終活」とは死ぬ前に財産は、お墓は、ペットはどうするか、又、借金を抱えていたらどうするか、知人や友人の連帯保証人になっていたら一体誰が何を相続するのかしっかりしておきたいという几帳面な方々のする事です。
遺言ツアーも盛んで、行政書士や公証人や弁護士とかと一緒に温泉などに行きながら話し合うそうなのです。
子供たちとうまくいってなかった人、子供に先立たれた人、生涯一人だった人等様々な人達です。お墓はないし、高いし、草とりやお参りしてくれる人もいない、そんな人たちが一代供養をしてもらう所が多くなっています。
私の親友も妻と息子三人いながらこういう所に入りました。
20万円で15㎝位の仏像です。私達有志が買い求めました。
麻布です。とてもキレイでオシャレなオープンカフェがあります。
さて「終活」ですが、西郷隆盛の言葉に「子孫に美田を残さず」というのがあります。
財産なんて遺すもんじゃない、なまじ遺すと骨肉の争いをするという教えです。
私のところは何も財産遺さず母が正々堂々と逝ってくれたので明るいお通夜でした。
友人の行政書士はこの頃大変忙しいそうです。はじめに書いた大暴れのお通夜の家族に遺されていた財産は少々の銀行預金と一頭の老いた柴犬一匹だったそうです。
兄弟は他人の始まりなのです。
あの世ではコツコツお金を貯め込んだ人間はもっとも卑しいといわれたるそうです。
一度は天国に上っても一度は地獄に下ろされるそうです。
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