仁義なき戦いより |
入口の駐車場には二台のベンツ、側には4人のボディガード風、ここはホテルニューオータニの一階コーヒーショップ。みんな煙草をバカバカ喫っていて煙がモクモク。
私はそこで待ち合わせがあったのでタクシーで車寄せに着きました。
おっとボディガードが寄って来る。何故か私がすこぶるその人達に近い感じがするのだろう、でもジーンズにジャケットを着ている恐い人はいない。
一応私の体を目で上から下、下から上へと見て離れて行った。
ニューオータニのコーヒーショップは昔のニュージャパンの替わりになって恐い人の集う一番のホテルと云われている。
何組か座っているが殆どが煙草を喫っている。
オーダーを取りに来たボーイに禁煙じゃないの?ちゃんと注意しないと駄目じゃないと言うと、えー今日はマアちょっとと苦笑した。仕方ないよな、沈めるな埋めるだなんて物騒な声で怒鳴っているしな。えーマアと更に苦笑した。
後で女優の○○さんが来るからルームサービスにするので部屋を二時間とってくれる?マネージャーも来るから三人ね。会議用の部屋があるから頼むと言った。
何しろ世の中で一番恐い人たちが群れている、何でここを指定したんだろうと思った。
カプチーノの大を飲みながら前後左右に気を遣う。
ナニー、コリャーボケ指一本や二本じゃスマネェゾわかってんのか、来週オヤジが出て来るのに未だケジメがついていないなんてオレに恥かかせんのか、エー、オイ。なんて二台の携帯を使い分けている。
アレ国会議員の××先生が秘書と二人で近づいて来るではないか、そして恐い人とその親分の奥方(姐さん)にいや〜どうもどうもおそくなりましてと最敬礼するではないか。
その時午後一時十六分三秒、一体どうなってんのという感じ。
支配人らしき男が来て煙草の注意でもするのかと思いきや、君っと言ってボーイに灰皿を取り替える様に指示を出す。
余程オリャー禁煙だろうがちゃんとルールを守れと言おうと思ったが、元々ルールを破るのがしのぎの人達、ナンセンスかと思ったので止めた。
姐さんはミックスサンドなんか食べている。
××先生は姐さんの耳元に何か囁いている。
突然姐さん顔に似合わず着物に似合わずウソーウソーギャハハハと大笑い。
周りの恐い人達は決して笑わず目配りを怠らずギラギラギョロギョロだ。
あっ、来た帽子とサングラスで顔を隠した女優さん登場。
ボーイが直ぐ近づいて言葉を掛けそのままエレベーターへ。背が高いし黒いコートに長めのショール、やはり目立つ。立ち止まって支払に向かうと又、オリャーボケ、甘ったれんじゃねえぞオラオラと又始まった。余程沈めたり埋めたりするのが好きらしい。
後で判った事だが女優の○○さんの男がこのホテルのスイートを一ヶ月借り切っていたのです。なるほどでした。
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