八月十六日(土)TBS夜十時〜十一時二十分位までニュース番組を見ていた。
レギュラーのビートたけしが私と同じ意見を言っていたのを八月二十日夜に思い出した。
安住紳一郎というアナウンサーが、たけしさん高校野球は見てますかの質問に、「オイラは見ねえよ、あれはまるでイジメみたいだ、わざわざ真夏の炎天下の中で何百球も投げさせて将来ある球児の肘を壊してしまうんだから」
ゴッソリと重い資料を入れたバッグを右手に、左手に右肩に左肩にと持ち替えてやっとこさ家に辿り着き、「熱闘甲子園」テレビ朝日午後十一時十分〜四十分を見る。
その中で盛岡大付(岩手)対敦賀気比(福井)を見て心底怒りを感じた。
盛岡大付属高校のエース松本くんは注目の投手であった。
最速150キロのスピードボールを投げていたからだ。
しかし松本くんの肘は県大会の段階でボロボロになっていた。
第二戦はなんとか変化球でしのいで東海大相模に4対3で勝った。
だが肘は悲鳴をあげていたのだ。
第三戦敦賀気比高校に挑み肘をテープでグルグルに巻いていた。
アンダーシャツで隠していたが肘の部分は大きく膨らんでいた。
球速は120キロ前後しか投げられない。まともな投球が出来ない。
強打の敦賀気比高校はメッタ打ちにした。監督は何をしているのか、何の為にいるのか、信じ難き虐待のシーンだ。
結局二回三分の二で9点を取られたところで交代となった。
16対1で岩手代表は敗けた。そして一人の将来ある投手が消えた。
朝日新聞とNHKとテレビ朝日はドル箱のコンテンツである甲子園を必要以上に美化し、ドラマ化し、絶叫をし続ける。野手は肘を壊すことはないが投手にとって甲子園は地獄なのだ。殆どの投手はプロに入っても数年で肘を故障する。
ちなみに甲子園の優勝投手でプロ入りしたのは33人(うち8人は野手に転向)通算10勝以上したのはわずか12人。100勝以上となると、尾崎行雄、野村弘樹、桑田真澄、松坂大輔、田中将大の五人しかいない。尾崎、桑田、松坂、そして田中の四人は肘を壊してしまった。
中継するアナウンサーはひたすら叫ぶ、新たな鉄腕誕生ダァー!一人の投手が二日間で300球近く投げたからだ。そしてまた、一人将来ある投手の肘が壊れるだろう。
スゴーイ、根性ダァー!見事な気合ダァー!故郷に届け熱投ォー!なんて叫ぶのだ。
大リーグ関係者は甲子園をクレイジーだと口を揃えていう。
入場式の歩き方は、雨の神宮球場を歩いた学徒出陣と同じだ。
その県の選手ではないのがあちこちから引っ張られて越境入学。
そして戦い終わると自分の県に帰って行く。「甲子園ビジネス」は確実に曲がり角に来ているといえる。今年ほど一年生、二年生の投手が多い年はない。
何故なら三年生の肘がぶっ壊れているからだ。
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