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2015年4月8日水曜日

「もらるはあるか(?)」




AKB48の「前田敦子」という女の子は役者として抜群の演技力があることを知った。
私はアキバ系にはまったくの情報オンチである。
国民的人気投票で第一位になっていたことは知っていた。

日本の映画界で大活躍している「山下敦弘」監督はCM界出身というが間違いなく代表的監督として日本の映画をリードしていくだろう。

一本の映画を紹介する「もらとりあむタマ子」という題名だ。
70分ほどの作品だ。
舞台は山梨県甲府市のとある町、そこに甲府スポーツ店がある。
母親はどうやら男のもとに出ていってしまったようだ。
父親とタマ子(23)の二人暮らしのスポーツ店だ。
タマ子は大学を出てから店にへばりついている。何もしない。

父親の『康すおん』という初めて見る役者、この父親が実にいい。
チョイ役で出た「富田靖子」以外の役者さんは全員知らなかったがそれぞれいいキャスティングであった。
春夏秋冬一年間定点観測のように甲府スポーツ店と、なにもしないタマ子を追う。
父親は朝昼晩タマ子のために食事を作る。

映画の四分の一はタマ子が何か食べている。父
親が食事しながらテレビゲームをする、マンガを読みふける、スマホをいじり続けるタマ子に、お前なんのために大学に入れたと思っているんだ、何かしろよというと、タマ子は不機嫌になる。
何かになりたい夢があるのだが今はただタダ飯を食べ、べったりと家にへばりついている。

前田敦子はこの役を見事に演じていた。
山下敦弘監督は地方を舞台にした小さな話を作るのにすばらしい才能を発揮する(天然コケコッコーもよかった)。

ある日相変わらずタマ子はテレビを見ながらだらしなく食事をしている。
ニュースを見ながらタマ子はつぶやく、まったくこの国はダメだわ、と。
父親はボー然とつぶやく、タマ子日本がダメなんじゃない、お前がダメなんだよと。

春夏と秋冬、二組のスタッフに分けて撮影をしていたようだ。
タマ子ちゃん人生は長い、一年間食っちゃ寝、食っちゃ寝でもいいんだよ。

映画は人気俳優を起用して大きな予算をかければ必ず成功するものではない。 
100本作っても一本もヒット作は出ない。何故なら次の四つが揃ってないからだ。
一、シナリオ。二、監督。三、役者。四、編集だ。

「もらとりあむタマ子」は全てによかった。
ヒットしたかどうかは分からない。TSUTAYAで借りられます。

私たち映画バカが集まって作った三十分の作品を近々お披露目する予定だ。
二度の試写会は大好評だった。日本映画史上初めての超豪華な食事が出る。
ところでこの国にもらるはあるのでしょうか。

「寺尾学ぶ」という監督がきっと世に出ます。必ず出してみせます。
すばらしい人格と才能です。よくその名を覚えておいて下さい。

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