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2016年10月20日木曜日

「かんぴょう巻き」




昨夜溜池の仕事場を出て、銀座の仕事場に戻った。
午後九時半頃、ちょいと腹ごなしに近所のお寿司屋さんに行った。
カウンター席に私一人、十分後位にかなりこの店に通っている風の男の客が三人入って来た。この店は十時頃には営業が終わる。私は日本酒一合とちらし寿司を頼んだ。

親方はサーファーだ。実に気持ちがいい。疲れた体を癒やしてくれる。
熱烈な巨人軍ファンでもある。
三人の男は座り馴れたカウンターの隅に座った。
その会話が実に面白かった。

マイドイラッシャーイ、ずんぐりした男三人は魚河岸系らしい。
ハイ、後期高齢者のオレいつもの、ハイ終期高齢者のオレいつもの、ハイ末期高齢者のオレもいつもの、ハイマイド。で、ビール一人、冷酒一人、お茶割り焼酎一人。
マッタクヨォ―、小池百合子はまるで月光仮面かウルトラマンだぜ。
オヤ歯、どうしたのと親方。抜いちゃったの、でもお寿司は食べれるの、ガリは飲み込むの、ウハハハ。
巨人はドラフトで誰を取るのかね、弱いね~、巨人、なにしろ暗いよ。
親方が今年は駄目だったねぇー、来年も駄目だね。
東京都もいい加減だねぇー、見積りちょっと直したらいきなり100億円以上安くなるなんて、仲買いの◯△やめるらしいよ、やってらんねぇーって、フィリピンの女とフィリピンに住むんだとよぉ、なんだかイカが噛めねえーな、ホタテはやさしくていいやな、とまあこんな会話が進んでいた。

七十~八十二、三才の三人の男はすこぶる平和であった。
結局よぉ―オレたち最後に食えるネタは玉子焼きだけだよ、ウハハハァと三人は笑った。新富町「寿し辰」ここの刺し身とちらし寿司に勝る店はない、何しろ安くて美しくて旨いのだ。巨人軍ファンではなくてもいい応対をしてくれる。
最後にかんぴょう巻きを一本巻いてもらった。私はもう一度仕事場に戻った。

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