現在地球上の大陸には約70億人の人類がいる。
全員を巨大な秤に載せたとしたら、その総重量はおよそ3億トンになるという。
もし乳牛や豚、羊、ニワトリなど、人類が飼育している家畜をさらに巨大な秤に載せたら、その総重量は約7億トン。
ヤマアラシやペンギンからゾウや鯨まで残存する大型の野生動物の総重量は、1億トンに満たない。
約15億頭の畜牛がいるのに対し、キリンは約8万頭ほど、約4億頭の飼い犬に対しオオカミは約20万頭、チンパンジーは約25万頭位という。
これらはやがて絶滅する。人類がいつまで生きながらえるかは分からない。
ゴキブリとネズミが生き続けるらしい。
人類はやがて化学によって作られた食物ばかりを食わねばならない。
遺伝子組み換え食品を食べる。食品表示の部分をよく見れば判別できる。
食物は減るが世界の人口は増加する。が、日本は人口が減少し続ける。
腹は減っては戦はできないと、食物を奪い合う戦が起きる。
かつては石炭や石油資源の奪い合いであった。
インドや中国、パキスタンの人口で世界人口の約50%近くになって行くだろう。
すでに中東からユーラシアそしてアジアは飢餓人口に満ちあふれている。
空腹は人類最大の敵だ。
あるドキュメンタリーフィルムを見た。佐賀県名護屋は近海捕鯨が盛んであった。
巨大な鯨に対し裸にふんどしの漁師たちはたくさんの小船に乗って鯨を追った。
手には数キロの鉄のモリ、10数メートルから20メートル近い鯨に漁師たちはモリを投げて刺す。何本も体にモリが刺さり、やがて鯨は弱ってくる。
そこに羽刺という飛び切り凄い漁師が巨大なクジラの上に飛び乗りへばりつきトドメを刺す。彼らの技術は四国、中国地方の捕鯨に伝承されて行ったという。
鯨一頭で村だか町が、100日は空腹でなく満腹だったのだ。
鯨は捨てるところがない。100日天下と言われた。
人類は食うためならどんなことでもする。そしてどんな物でも食べる。
キミが食べたステーキはかわいい子牛だった。
あなたが食べたトンカツはかわいい子豚だった。
ヤキトリはついさっきまでコケコッコーと鳴いていた。
子熊を守る親熊も、子を生み川に帰った鮭もソックリ食べる。
人間ならやがて子となる。
イクラも鮭がいくらなんでも子どもまではと頼んでも、イクラ丼にしてしまう。
人類は他の生き物に一切の同情をしない。飢餓となれば絶対全て食べる。
いい人ぶって、かわいいなどと言った豚を豚鼻、豚足、豚耳まで全部食べてしまうのだ。
活魚という言葉は私はあまり好きではない、ついさっきまで活きていたということだから。ピクピク動く活き海老もそうだ、白魚のおどりなんて生きているのを飲み込むのだから。
かわいい子羊がチューチュー母羊のお乳を飲んでいる。
人類はその両方をおいしいと言って食べまくる。
子羊のローストステーキだとか言って。
夜食に残り物のおでんのチクワブばかり食べていたらやけに頭の中が、白いメリケン粉のようになってしまった。チクワブは生き物でないから罪悪感がない。
何だか胸騒ぎがする。人類が恐竜やマンモスになる日は近いのかもしれない。
生き物を食べた物は一度必ず地獄に行かねばならぬと、僧源信の「往生要集」にある。
ヤキトリ一本、串カツ一本でもだ。
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