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2017年5月16日火曜日

「顔札」




前頭葉部分を打ったせいか、表社会のことが浮かばず話は裏社会っぽいのになる。
「顔札」“かおさつ”ではない。バクチの世界では“がんふだ”と言う。
プロのバクチ打ちは八百長の名人、達人でもある。

トランプカードとか花札に自分だけ、あるいは自分の仲間だけ見分けられる印をつける。この目印のついたものを「顔札」という。
これさえあれば相手の手の内がひと目で分かる。
プロはその日使う数だけ顔札を用意する。
はじめはテープが巻いてあるのでシロウトはマッサラの札(使っていないもの)だと思い込んでしまう。

プロは数学の天才、記憶力の天才である。
シロウトは絶対に勝てない。顔札にするプロは細工物の名人、達人でもある。
例えば黒い札(花札の裏)に黒い印をつける(主に鉛筆を使う)と、小さな小さな印が光の当たり具合でチラッと見えるのだ。
トランプカードは白地だから当然白いものでつける(日本画の顔料とか)やはり光の当たり具合でチラッと見えるのだ。

トランプといえば、アメリカの大統領がロシアと八百長をやっていたのと疑惑が生じている。顔札はネット上でやっていた。
トランプカードや花札の印は名人、達人に頼めばキレイに消せるが、ネットはそうもいかない。FBI長官の首をいくつ取っても八百長のやり取りは消せない。

FBIといえばアンタッチャブルのエリオット・ネスが有名だが、果たして現在のFBIはアメリカ伝統の正義心と報道の独立心を発揮するだろうか。
歴代のFBI長官の中でフーバーという稀代の男がいた。
50年近くFBI長官に君臨して政財界を動かした。J・F・ケネディ暗殺の黒幕ともいわれる。あらゆる秘密情報を握っていた。つまりこれという人間に印をつけていたのだ。

現在ではGPSなどというものでずっと追う。顔札を警察ではS=スパイという。
あいつはオレが顔をつけている札だとか、オレのS、オレたちのSという。
トランプ大統領がニクソンになる日が来るかもしれない。

アメリカ合衆国に正義があることを信じたい。
ジャーナリズムと民主主義があることを信じたい。
ハッタリ屋のトランプ大統領の手の内は、ノーカードかワンペアかもしれない。
相手が脅しで降りるのを待っている。実は心臓がバクバクしているのだ。
だからオレのこと調べてないよな、などとドシロウトみたいなことを聞いてしまうのだ。
そういえばトランプはトランプカジノを破産させていた。
韓国語ではこんな状態を、オプソ=終わりと言う。

いつものグラスに冷酒を入れた。
つま味は知人のヨットマンが航海の途中に送ってくれた煮干しを焼いたものだ。
おしょうゆをかけると香り高く絶品この上なし。

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