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2019年8月20日火曜日

「盆栽とマクベス」

お前は生きているのか、それともダメなのか、日々そういう問いかけながら、朝には水をかけてやる。今年1月、知人から小さな松の盆栽をいただいた。小鉢ぐらいの上に、一本の松がなかなかの枝ぶりで、目をなごませてくれていた。しかし盆栽の手入れの仕方が分からず、6月頃に枝がポッキリと折れてしまった。銀座松屋の裏にミニ盆栽の専門店があるので、そこでイロイロ聞いたら、それはもう大変に難しいことであった。知人には誠に申し訳ないと思い、枝のなくなった部分、つまり苔の部分を育てようと思いずっと愛情を注いでいる。しかしこの部分は生きているのか、死んでいるのか分からない。カラカラでコチコチになり、緑色だったのが、土気色になってしまう。そんなときはちょいと日本酒をあげたり、お〜いお茶をあげたりする。過日は飛び切り高価な大吟醸酒をポタポタあげたら、こりゃウメェ〜と言って(声は出ないがそんな感じ)、コチコチがヤワヤワになり、指で押すとたっぷり水を含んだ芝生のようになり、土気色が緑色になった。松屋の裏の店でその話をしたら、「う〜ん、よく分からないけど、酒が好きなのかも」と言った。昨夜帰宅すると、また土気色になっていた。冷房にあたりすぎているのではと思い、場所を移動した。盆栽類は湿気を好むらしい。「オイ、ガンバレ」と言いながら料理用の酒とミリンを少々かけてやった。生きていればきっと緑色になるのだが。植物の生命力は人間の想像をはるかに超えるそうだから。テレビのニュースで、あおり運転で暴行して逃げていた男が捕まった。宮崎文夫という名であった。その顔を見ていて誰かに似ているなと思った。そうだ、今は亡き名優「平幹二朗」さんだ。スミマセンなのだが、かなり似ていた。ずっとむかし、故蜷川幸雄さんに仕事をお願いしていたとき、日生劇場で上映中の「マクベス」のチケットを2枚いただいた。友人と行ったら、一番前の席であった。目の前で平幹二朗さんと、栗原小巻さんがものすごく恐い顔をした。それが残像として記憶されているのだろう。名優はやさしい人だったそうである。ご子息「平岳大」さんはいい役者だ。ちなみに母親は佐久間良子さん、変な比較をしてしまって、フォローが大変なことになった。悪い野郎は宮崎文夫だ。

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