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2021年3月5日金曜日

つれづれ雑草「アチコチ、コチコチ」

二月二十八日、日曜日。辻堂東京上野大宮仙台岩手角館大曲秋田へと往復日帰りの旅をした。否、旅とはいえない。一つの仕事を得んがための下調べである。過日の地震がなければ、東京秋田は八時程であるが、途中徐行運転のため、往復で二時間過算された。新幹線の中はガランガランであった。写真を撮ってくれるいつもの人と二人であった。秋田は寒いと聞いて余分に服を着ていたが、これ以上ないいい天気で、小春日和であった。ずっと座っていたのでオシリが痛い。腰はパンパン、両足はシビレていた。秋田駅に着き、まずは珈琲を一杯。目的地は二ヶ所そこへ行きすぐにアチコチを調べ、写真を撮ってもらう。体中のアチコチが、コチコチになっているのを感じる。秋田はかつて勇将と言われた、佐竹義宣の領地であった。豊臣秀吉に支えていたが、関ヶ原で敗れ家康に支えることになる。もとは常陸の国の領主であった。義理堅く、筋道を通す。豊臣秀吉の恩を忘れぬ戦国武将であった。勝利者となった徳川家康は、裏切り、寝返りが常となっていたその時代において、我が徳川にもこれほどの武将はいないと、その命を大事にし秋田へ転封させた。佐竹20万石である。テレビCMに秋田市長の佐竹さんが、秋田産の「龍角散」をPRしていた。きっと佐竹一族なのだと思う。豊臣秀頼を守りつづけた。朝鮮出兵もした。後北条の城攻めの時、有名な「忍城」の水攻めも石田三成とした。徳川家康は佐竹義宣を高く評価した。敗者の誉れであろうか。一泊であれば、ハタハタでも、しょっつる鍋でもと思ったが、駅弁だけであった。列車の中から雪景色をずっと見ていると、気持ちが洗われた。家に帰り二時間ほど夕刊を読んだり、テレビのニュースを見た。その後三本の映像作品を見た。一本は、黒沢清監督が第77回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した「スパイの妻」。もう一本は「阿部一族」。原作は森鴎外、監督は深作欣二で、山崎努さんや佐藤浩市さんが出演している1995年の作品である。熊本細川藩50万石、その藩主が死ぬ。家臣たちは忠義の証しとして腹を切り殉死する。次々と殉死する。後を継いだ城主は、もうそんな世じゃない、これ以上の殉死は許さないと命じる。いつの世も同じ、足軽から武功を立てて先君に1000石まで出世させてもらった、阿部一族の主は何枚に腹を切らぬのかと噂する。現代社会でいえばネット上のイジメだ。新しい城主には大目付としてくせ者が付いている。現代社会では安倍政権時代の、現首相菅義偉である。くしくも菅義偉は秋田湯沢出身である。阿部一族はこの大目付によって策を張りめぐらされて、いよいよ悲惨な結末を迎える。いつの世も人の噂とは恐ろしい。人間とは嫉妬を栄養とする生き物である。「阿部一族」はシェークスピアの悲劇に似ている。菅義偉の腹心は岡山出身の加藤勝信官房長官であるが、これがまったく使えない。ヤクザ者の世界では、その組の若頭の器量を見れば、その親分がどれほどか分かるという。日産自動車を食い物にしたカルロス・ゴーンの、これでもかという横暴と、巻き上げたい放題の給料に対して、日産の社長たちは、恐ろしくて何も言えなかったと語った。カルロス・ゴーンはやっちゃえ日産とばかりに私腹を肥した。そのゴーン逃亡を企てた、アメリカ人親子が日本に移送されて来た。その手口は、ネットフリックスで見た、アメリカの連続ドラマ「ブラックリスト」の中の話に近い。逃亡のプロとしてきっと、ブラックリストに入っていたはずだ。このドラマを全部見るには大作業だが、とにかく面白い。そして世界はあらゆる悪者で成立していることを知る。義理も、人情も、忠義も、忠誠も、真心真実は何一つない。あるのは金儲けと権力争い。国家機密の売買である。一番の悪が恩義に一番厚いという、皮肉なドラマだ。つくづく人間とは厄介な生き物である。この「ブラックリスト」を見れば、新型コロナワクチンが、ある国のある者たちによって製造され、世に拡散させる。そしてワクチンを製造して大儲けをする。その仕組が分かる。現代社会においては、実にカンタンな遺伝子を使った、生物兵器によるテロである。人の不幸で誰が儲けたかで、それを知ることができる。一番先に上納金を得るのは、バチカンだろう。日本では陸軍731石井部隊が有名で、戦後製薬会社の多くに、石井部隊のメンバーが入社した。そして数々のワクチンを開発してボロ儲けをし、大きな副作用で不幸を生んだ。さて、あなたはワクチンを打つかどうか、アメリカではすでに1000人近くが、ショック死している。ちなみに私はお断りだ。いずれ死ぬのは必定、ワクチンなどで死んだら犬死だ。「スパイの妻」は蒼井優がよかった。映画そのものは、申し訳ないがそれほどでない。ステレオタイプである。憲兵の異常性が手ぬるい。韓国映画「共犯者」とは比べようがない。でも日本の映画界にとってはとてもいい受賞であった。人を信じるか、信じないか、それはあなた次第だ。都市伝説の呼び込みの決め言葉だ。現代社会はネットによる密告社会である。ワンタッチで、阿部一族が生まれる。ネット社会の野次馬根性者たちは、いいね! いいね! を求めてエスカレートする。やっちゃえ日産とばかりに。キャッチコピーとしては、一流の仕事であった。(文中敬称略)



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