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2013年7月22日月曜日

「カチンコ」




選挙速報をTV各局手を変え品を変えやっていたが一番面白かったのは午前二時二十分頃にやっていた日本テレビだ。

北から南当選した候補のバンザーイ、バンザーイ、バンザーイをひたすらつないでいた。とってもシュールな映像であった。当選者の事務所の数だけバンザーイがあった。

唯一東京の山本太郎だけがやらなかった。
私が応援していた一人は当選し、一人は残念な結果となった。
国民の50%近くが投票しない選挙を国政選挙といえるだろうか。

ネット選挙は若者たちや無党派層に必ず投票行動を起こさせるといった社会学者や、政治学者、アメリカかぶれの統計学者の予想は見事に外れてしまった。
国民の政治への無関心にバンザーイ、バンザーイつまりお手上げであった。

これは政治の死を意味する重大事である。
憲法改正、原発問題、沖縄基地問題、増税、相次ぐ値上げ、非正規社員増加、生活保護改正、年金年齢引き上げ、老人医療費負担一割アップ、イジメ、自殺、少子高齢化、TPP等々一票を投じなければならない問題は山ほどあったのに何故投票に行かなかったか。
やけくそになったか、すっかりあきらめたか、どっかへ遊びに行ったか、ショッピングにでも行ったのか、政治家はよくよく分析しなければならない。

このごろの選挙は政治家の就職活動だという人もいる。
就職が決まってバンザーイならば困ったものだ。凄みのある政治家が少なくなった気がしてならない。政治家とは、代議士ともいう。

武士と同じなのだから「士としての志」と覚悟が必要だ。
選挙の時だけ頭を下げるのを政治活動とはいえない。
「一日一死」「一死多生」の日々を送らねばならない。
「志と死」は背中合わせなのだ。兵を失った将は腹を斬らねばならない。負け戦に学べという。次のため負けた後にどう生き様を見せるか。

大勝した政党は論功行賞で内紛を起こすのは必定だ。
古今の歴史は人事争いなのだ。歴史は繰り返す。これは人間という生き物の「性」なのだ。混乱が起きない人間の集団はあり得ないのだ。映画ならここでカチンコ、ハイカット。そして次のシーンに向かって、ヨーイスタートだ。

2013年7月19日金曜日

「絶句」




人間はびっくりした時にはビックリしたなあと言う。
凄くびっくりした時にはもの凄くビックリしたなあと言い、更にびっくりすると言葉を失ってしまう。

敬愛する映画監督中野裕之さんから、七月十八日平日ですけど見ると大変興奮する男子新体操のチケットを送ります、面白いから見て下さい。と二枚のチケットが送られて来た。

七月十八日(木)、国立代々木競技場第二体育館で私は言葉を失った。
青森大学男子新体操部のあまりに美しく、あまりに見事な演技にだ。
この大学は全日本選手権、四年連続九度の優勝を果たしている。

女子に比べ男子新体操は未だ普及率は高くない。私も知らなかった。
はじめにビックリしたのは三千人収容の会場が超満員、大行列。
百人近い会場スタッフは皆イッセイミヤケの素敵なTシャツ。
なんだこりゃと競技場を見ると真っ黒い円形のコロシアム。
その真中に黒く四角いマット(様々な色に変化する)。照明がタダ事じゃない。

次にビックリしたのがお客さんたち。
私は、きっとジャージ姿の学生客はゼロ、皆ファッションがユニークだ。
イッセイミヤケ風とミヤケ的。
まるなんかが殆どで、笛や太鼓や旗振りまくりを想像していた。が、そんなおでファッションショーだ。


次にパンフレットを見てビックリ、その参加メンバーは、世界を日本を代表するトップクリエイターばかりではないか。
クリエイション・ディレクションDaniel Ezralow、ライティング海藤春樹、モーショングラフィックス中村勇吾、ミュージックOpen Reel Ensemble、ミュージックスーパービジョン畑中正人、ドキュメンタリーフィルムディレクション中野裕之、ヘアメーク資生堂SABFA、コスチュームHOMME PLISSE ISSEY MIYAKE、企画・コスチュームデザイン三宅一生、とズラリ勢揃いだ。

三宅一生さんが青森大学新体操部の演技を見て素晴らしいといい、企画をしたと聞いた。東北の復興のためにも。二十七人の男子の新体操は、もはや体操というより舞踏劇に近い。

選手たちは体操着ではない。
イッセイミヤケオリジナルユニホームの青い服、赤い服、灰色の服が飛翔し、超回転し、疾走し、山となり、海となり、花となり、水彩画の様になり、水墨画となり、真っ赤な血をマットの上に照らし出す。
一本の縄、二個の輪、一本のスティックは魔法の動きを見せる。
漆黒の闇の中で忍者の集団の如く、妖しく、激しく、華麗に集結と飛散を繰り返すのだった。時にはソロで、時には五人で、七人で、十人で、二十七人で。

いやはや驚きの連続であった。
カメラマンの数が多く、中野裕之さんが見つからなかった。
きっと中野裕之さんの事だから思いもよらぬ所でカメラを回していたのだろう。
哲学的ミュージック・ビジュアル・ファションエンターテイメント新体操劇きっと世界中に広がるだろう。ビックリしたなもうと何度も呟きながら会場を後にした。

「良かった結果」



「個人差があります」これ程便利な言葉はない。

肌がスベスベに、肝臓が元気に、シミが消える、髪の毛が生える、目が良くなる、関節が柔らかくなる、毎日元気に、夜が元気に、朝がスッキリ等々健康補助食品とかの広告が世の中に溢れている。

私の様な呑兵衛は極めて意志が弱く、今日は絶対休肝日だと思っても気がつくとまあいいかと飲んでしまう。

私も十数年前には、ハイチオールC、肝元、ウコン、セサミンE等を毎朝飲んでいた。
ある年血液検査で色々引っかかっていた。
主治医から何かサプリメントを飲んでいるかと聞かれて、飲んでいた物の名を次々と挙げた。

主治医はアリナミンAを飲みながら(院長室で)これは効くよ、でも君の言った物は全て止めなさい、君の肝臓には悪い影響が出る可能性がある。
酒を解毒するためだけでも大変な君の肝臓がそのサプリメントを解毒するために参ってしまうんだ。
薬と名の付いた物、それに近い物は全て毒気があるんだから肝臓が解毒するために疲れてしまうんだ。

だいたいサプリメントが効果あるなんて科学的に実証されていないんだから。オシッコになって出てお終い。
アメリカ人はやたらサプリメントを飲むが気休めに過ぎない。
アメリカでは十兆円市場、日本も一兆円に近づいている。

バイアグラを飲み過ぎて腹上死が増えていると医師から聞いた。
診断書は心臓◯_とか心臓□△とかにしているらしい。
勿論患者とその家族の名誉のためにだろう。

私は体調を崩し服用する薬が多くなったのを機会にサプリメントを一切止めてアリナミンAだけにした。二ヶ月後、四ヶ月後、六ヶ月後、肝臓の数値は平均以下に、その他の数値も全て正常値になっていた。この手の商品の広告には必ず「個人差があります」とか「ご本人の実感です」と表示が義務つけられている。

殆どの広告はエキストラを使ったヤラセである。
だが個人によっては良かった、エカッタ、ヤッタゼベイビーとなった人も確かにいるらしいのだが。

自分の妻以外にベイビーが出来てしまって大問題となっている知人もいる。
近々愛妻に最後通告をされるとか。そのベイビーを先日見たがまるで外人の子の様に目鼻立ちが美しい女の子だった。

バーバリーのベビー服を御祝いに持って行った。
勿論本宅でなく別居中の相手と住む場所に。
予定では慰謝料や養育費などでスッテンテンになるという。立たないモノが立ってしまった結果は途方もなく高くついた。

でも赤ちゃんは可愛い事この上ない。
男は56歳、相手は32歳インド人と日本人のハーフである。
当然途方もなく美しい。その見方に個人差はあるが。知人が腹上死をしない事を願うといった、大受けした。するかも、するかも、したら最高だってハシャイでいた。近々裁判所の決定がでる。

2013年7月17日水曜日

「鬼と花」




今日は東北新幹線で東京〜小山へ、そこからJR水戸線、関東鉄道常磐線、真岡鉄道真岡線「下館駅」下車、北口徒歩8分の処にあるアルテリオ「しもだて美術館」に行く。

敬愛する市田喜一さんと奥様の左時枝さんの展覧会を観るためだ。

市田喜一さんの描く「鬼」の版画は実にユーモアに満ちている。
実に明るく、楽しい。また大胆にして繊細な色彩は人の心の中に潜む「鬼」を描きだす。

左時枝さんの描く「花々」は、秘かで妖しく、欲情的でありその色彩は女体の謎の様でもある。「鬼」と「花々」はきっと火花を散らし合っているだろう。

仲良いご夫婦の二人展。お互いリスペクトし合う姿に心より乾杯だ。



2013年7月16日火曜日

「親と子」


ザトウクジラ ※イメージです


七月十日、見逃していたNHKスペシャルの再放送を観た。
午前一時から二時。第五回科学映像祭内閣総理大臣賞受賞作「クジラ対シャチ」だ。

最愛の母が死んだ時も、最愛の友や知人、恩人が亡くなった時も私は決して泣かなかった。男は人前で泣くなと決めているからだ。「クジラ対シャチ」を見て泣けた。
何故かそれはクジラの母親が子を育て、その子を守るために自らの命をかけてシャチと戦う姿にだ。

クジラは暖かい海でしか子を産み育てられない。
子どもに脂肪がつかないと、北の海ベーリング海には行けない。
アリューシャン列島付近は世界一のオキアミの産地なのだ。

母は子に泳ぎ方、息の仕方を教える。暖かい海には食料のオキアミはない。
蓄えた体力を使って子を懸命に育てる。そしていよいよ5000kmの旅に出る。
ベーリング海に入るには10km程の海峡を通らねばならない。
クジラの数約四万頭、オキアミ約六億トン。それを目指す水鳥約数千万羽。

アリューシャンマジックという超常現象が起きる。
ベーリング海は真黒となる。だがそこに行くためにクジラは獰猛な肉食シャチの攻撃を受ける。シャチもクジラなのだが。

旅をして来た子クジラの半分はシャチに食べられてしまう。
チームを組んだ頭脳プレーで攻めるシャチの脳力はとんでもなく凄い。
時速70kmと速い。クジラの母は子クジラのために必死に戦う(世界で初めての映像)。

だが子クジラはシャチの餌食になる。子クジラの食べ残された体はヒグマが食べる。
食物連鎖の世界だ。小さなオキアミの爆発的発生が生んだ弱肉強食の世界だ。
BBCNHKの共同制作、圧倒的な世界だ。

特に小クジラを守る母クジラの姿に、迷惑ばかり掛けたがいつも深い愛で守ってくれた亡き母を思い出した。自分は何も食べずに子を育てる母クジラ、体は三分の二に減ってしまう。シャチもまた、実は子どもを育てるために食料が必要なのだ。
クジラを攻めて食べなければ親子は生きて行けない。

グラスに入れたハイボールが腹にしみる。眼から涙が流れる。
だが地球上最も大きいクジラを最後に食べてしまうのは人間なのだ。
人間ほど獰猛な生き物は地球上にいない。一頭の親クジラが子クジラをシャチの攻撃から守りきった時に思わず拍手してしまった。

親子とは本来とても仲のいいものなのだが。
何故にこの頃自分が生んだ子を憎んだり、自分を産み育ててくれた母親を憎んだりするのだろうか。悩める親子はベーリング海に行けばきっと仲良しになれる。

2013年7月12日金曜日

「托鉢の中へ」




あなたは隣に一億二千万円の腕時計をしている人が、木村屋のアンパンなんか食べていたらどうしますか?

銀座4丁目和光の隣にそのアンパン屋さんがある。
一階はアンパン売り場、二階が喫茶室、猛暑の中ある人と会うために私は二階に居た。

少し早めに着いたので冷たい抹茶を頼んだ。
窓から下を向くと暑さでヘロヘロになった人々がヨロヨロと歩いている。
交差点の側に修行中の雲水が托鉢を手にじっと下を向いて立っている。

「日本橋三越でヨ~今フランク・ミューラー(スイスの高級腕時計)の新作展示販売をやってんだよ。一億か一億五千万とかクラスが揃っているらしいぜ。行かねえか?この時計ヨ~一億二千万だろ、だからその上目指したいんだ。」
未だ三十代そこそこの男と二十代後半の女性がアンパンを食べながら話をしていた。
確かに高い事が一目でわかる大きな時計を右腕にしている。

七分のジーンズ、素足にデッキシューズ。
十本の指に五本の指輪、白のコットンシャツの中は日焼けした肌。
若い女性は薄いグリーンのノースリーブワンピースに少し太めの白い皮ベルト。
首には麻の様なショール。靴は白いエナメルのハイヒールであった。
アンパンを食べていた女性が突然ファークションとクシャミをした。
なんか冷房効き過ぎてないと言った。

その時私はある映画をイメージした。
例えば今ここに短刀を持っていたらどうするか。
あるいはマタギが持つナタでもいい。アンパンを持つ男の腕をバサッと斬り落とす。

落ちた手には半分食べたアンパン。
床下に一億二千万円の時計が血まみれになっている。
ダイヤの輝きが円を描き、赤い血の中で異様に光っている。
女性は何事も無かった様に二つ目のアンパンを食べている。
男は左手で新しいアンパンを食べ始めている。
私は床に落ちた時計を持って店の外に出る。
そして雲水の托鉢の中にそれをゴロンと入れて立ち去って行く。
男と女が一緒に出てきて腕を組み、日本橋三越に時計を買いに向かう。

暑い、その日銀座のアスファルトの上の温度は40.6度であった。
アスファルトの上に男が落としていった赤い血の雫が直ぐに焼けて黒い汚点となった。

2013年7月10日水曜日

「県民“性”」




週刊誌なんてお下劣な読み物には縁のない人に興味ある馬鹿バカしいある調査データを一部紹介する。

購入代金470円也。
週刊ポスト、猛暑御見舞合併・特大号の巻末に載っていた「県民“性”」データだ。
コンドームメーカーの相模ゴム工業が全国一万四千百人(2060代の男女)を対象にセックスアンケートを行ったのだ。調査は47都道府県に及んだ。

性生活の満足度一位、鹿児島県55.8%、四十七位、愛媛県46.2%。
一ヶ月のセックス回数一位佐賀県2.79回、四十七位大阪府1.52回。
初体験年齢一位沖縄県19.6歳、四十七位茨城県21.1歳。
経験人数一位高知県12.4人、四十七位埼玉県5.3人。
浮気率一位島根県26.5%、四十七位秋田県15.4%。
セックスレス一位千葉県59.2%、四十七位奈良県42.9%。
マスターベーション一位秋田県5.67回、四十七位福井県2.82回等々が載っていた。

20代女性の初体験の相手の一割がネットで出会った男。
30代の男性の約一割が童貞。40代女性の約18%が浮気中。 
60代男性の65%がもっとセックスをしたい。
 セックスレスの既婚者55.2%。男性の75.2%はもっとしたい。
35.8%の女性はしたくない。

と、まあどうでもいい話だが、相模ゴム工業にとっては死活問題なのだろう。
どんどん使用してもらわねばならないからだ。
要するに男性はいくつになってもスケベであって、現代女性は面倒な事はしたくないという分析が成り立っている。
若い男性は奥手であって、若い女性はその逆という事となる。

と、まあどうでもいい話だがもっと詳しく知りたい人は、代金470円を支払って購入してもらうしかない。私は何故購入したか、それは小沢一郎と西郷隆盛という馬鹿げた比較論を読むためなのであった。
次に参院は本当に必要か(?)であった。その次があったのだがそれは書けない。

暑いそれにしても暑い。
十九年使用してきた風呂の電源が遂に寿命を迎えてしまった。
当分水風呂か、水シャワー生活だ。愚妻は暑いから丁度いいんじゃないだと。
全く鈍感度100%だ。浮世離れした人間とは会話に成らないので一日一話と決めている。

2013年7月9日火曜日

「生きろor死ね」


プライベート・ライアンより


一将功成りて万骨枯る。
安倍晋三総理が一人勝ちして参議院選挙後一気に憲法改正に向かうはずだ。
自民党が単独過半数をとれば公明党をいずれ外すはずだ。
学会を利用するだけ利用して捨て去るだろう。
日本経済の事などにははじめから興味はない総理大臣なのだ。

私は今から十九年前医師に慢性的疲労型(?)鬱病だといわれた。
その時愚妻と会社の幹部が医師に呼ばれた。話は当然「自殺に気をつけて下さい」という事である。ある本(鬱関係)の扉のページにアメリカの専門医の言葉が一行書いてあった。

そこには、「鬱病は死ぬよりつらい、それ故死を選ぶ」と。
時速150km近い列車に友人、知人が何人か飛び込んだ。
死人に口なしだから分からないが、奇跡的に助かった人の話によると吸い込まれて行った。その時すでに死んでいたと言っていた、恐怖よりも楽になりたいという思いの方が深く強かったと。

二週間に一度愚妻と医師のところに通った。
十年以上も。私は負けてたまるかと、早朝一時間から二時間半海岸のサイクリングロードを歩いた。下手な絵も書き続けた。

三年前私があるイベントを催した時、担当であった医師(現在慈恵医大青砥院長)が来てくれた。究極の認知療法、行動療法でよくここまで来たねと笑って褒めてくれた。
毎日の様に列車に乗ると人身事故の遅れが告げられる。

「人生自分で死ぬほど捨てたものではない」という格言もある。
「絶望は愚か者の結論である」ともいう。 
1%の富裕層、1%の大企業が恩恵を受ける政治にあなたはYESNOか。
そのどちらでもいいが必ず投票に行って権利を主張して欲しい。

人生ケセラセラ、成る様にしか成らない。
この国は本当に真っ当な幸福の国なのだろうか。

「鬱」で悩み苦しんでいる人がいたら遠慮せず連絡をして欲しい。
私の体験と私が働く姿を見て欲しい(人に迷惑ばかり掛けているのだが)。

一将だけに功を与える必要はない。
自民党は大勝が仇となるだろう。それぞれの手柄争いと、あらゆる人事でモメにモメる。アメリカから嫌悪されているリーダーは必ず滅ぼされる。親中もまた同じだ。
男の嫉妬ほど醜い姿はない。我々は決して負けてはならない。
リングの上でファイティングポーズをとらねばならない。

古今の歴史は教えてくれている。
金を追った人間、権力や名誉を追った人間の末路は実に哀れなものであると。
但し堕落した人間、働かざる人間、学ばない人間の末路もまた哀れなものである。
一日一死、明日行きている保証はない。「今日できることは今日しよう」 

それにしても暑い。それにしてもマツコ・デラックスは暑苦しい。
医学的には生きている筈がないのだが。

「地球は宇宙の不良少年」だといった哲人がいた。
地球環境を守らねばならないのだが、CO2削減は忘れられてしまった。
やっぱり不良少年なのだ。

映画「プライベート・ライアン」の中で、トムハンクス演じる勇気ある軍人は傷ついた部下たちに「必ず生きろ」という。
日本軍人であればこう言った筈だ。「必ず死ね」と。憲法改正をするという事は、第九条を改正するという事なのだ。即ち戦争をする国づくりなのだ。さてYESNOか。

2013年7月8日月曜日

「マンボウに学ぶ」




ある社会学者によると、今度の参議院選挙の投票率は上がるはずだ。

その原因はイワシの群れにある。
 イワシの大群は実はなんの根拠もなく、一匹一匹が無目的に集まる(大きく見せて大きな相手を威嚇する防衛本能という学説もある)。
そこに餌があって集まるのではない。
みんなが集まりだしたから遅れてはならないと集まりだし、群れとなり大群となって行く(エジプトやトルコ、ブラジルのデモの群集心理も同じ)。
イワシの群れは結束力はなく、水温が少し変化しただけでバアーっと飛散してしまう。

ネット社会の住民は、人に遅れたくない。
人を意識する習性があり、自らが情報発信者となり、その事によって人が動く事を何より喜びとする。みんな誰に投票するのだろう。必ず勝ち馬に集まる。

投票した候補者が当選すると、俺が、私が、僕が、ネットで応援したからと自らを主役化する。人が投票に行くなら行かねばならないと、行動と確認をする。
無駄な行動を嫌うのだが、自己肯定主義なので遅れてならじと、いつもパソコンをいじっている場所からゴソゴソと出て来るのだ。
これが「イワシの群れ論」だ。
この群れは自分に都合悪くなると、削除、削除を繰り返し、君とはもう友達じゃないよ、とバアーっと飛散する。と学者は話をすすめる。

水族館でじっと、ずっとマンボウを見続ける人々が居る。
マンボウは泳いでいるのか、漂流しているのか定かではない。
ただゆったり、のんべんだらりと常同行動をする。
体の半分を食い千切られた様な不自然な形。象の様な肌と小さな眼。
おちょぼ口が実にかわいい。
ネットに支配されてしまっている現代人に「もっとのんびり、ゆっくり生きなさい」と哲学者の如く教えを与える。

私は時間を見つけては自転車で20分位の処にある江ノ島水族館に行く。
魚たちを見ていると心が休まるのだ。特にクラゲが好きである。
素晴らしいデザイン物体だ。宇宙的ですらある。思想家の様でもある。
私は群れるのが大嫌いなので、イワシよりマンボウを先生とする。
クラゲにデザインを学ぶ。

但しイワシを食べるのは大好きだ。万能の魚だ。焼いてよし、煮てよし、たたいてよし、つぶしてよし。マンボウは決して食す気にはならない。きっと食えない奴なのだろう。権力に接近する思想家とか、哲学者も食えない御尽が多い。
使えない御用学者は始末に負えない。世が世なら天誅だ。

さてあなたは、イワシかそれともマンボウか。気がつけば毎週金曜日脱原発のデモが盛り上がっていたが殆どその姿は消えた。

2013年7月5日金曜日

「福島へ」




七月五日(金)十二時八分発福島行きやまびこ137号に乗って福島に向かう。
昨年亡くなった親友のお墓参りに行く。

四十四年前小さな印刷屋さんの四階、四畳半二間で始めた時からのメンバーの三人と行く。はじめは私一人、次に入社して来たのが今年で四十年、その次が三十九年、一緒に行くもうひとりは三十五年位だろうか。

小さな部屋に集まって来てくれたわたしの宝物のような人間だ。

亡き友を失ってこの一年、私は機能停止となった。
知らない事を教えてくれる友がいない。一緒に美術館巡り、一緒に映画や落語、一緒に歌舞伎やお能、一緒に旅も出来ない。一緒に天下国家を語り合い、政治を断じ、経済に注文をつける友がいない。
ほぼ毎日会い、または声を聞いていた友がいない。

スコッチウイスキーが大好物であったのでそれを持って行く。
日本酒も、珍味が大好きだったので、それも持って行く。
みんなで毎夜通った赤坂のクラブのママがいつも友が書いてくれていた季節の挨拶状も、今年は私が書いた。とても友の名文にはかなわない。

それにしても医師をして生きている方が不思議、人間の生活じゃないと言われた罪深き私のほうが友より長生きしているのは何故だろう。亡き友の墓に報告する事が山ほどある。真の滅びの美学を友に教えてもらいに行く。
一切の治療を拒否して潔く旅立った友は永遠の先生なのだ。