ある社会学者によると、今度の参議院選挙の投票率は上がるはずだ。
その原因はイワシの群れにある。
イワシの大群は実はなんの根拠もなく、一匹一匹が無目的に集まる(大きく見せて大きな相手を威嚇する防衛本能という学説もある)。
そこに餌があって集まるのではない。
みんなが集まりだしたから遅れてはならないと集まりだし、群れとなり大群となって行く(エジプトやトルコ、ブラジルのデモの群集心理も同じ)。
イワシの群れは結束力はなく、水温が少し変化しただけでバアーっと飛散してしまう。
ネット社会の住民は、人に遅れたくない。
人を意識する習性があり、自らが情報発信者となり、その事によって人が動く事を何より喜びとする。みんな誰に投票するのだろう。必ず勝ち馬に集まる。
投票した候補者が当選すると、俺が、私が、僕が、ネットで応援したからと自らを主役化する。人が投票に行くなら行かねばならないと、行動と確認をする。
無駄な行動を嫌うのだが、自己肯定主義なので遅れてならじと、いつもパソコンをいじっている場所からゴソゴソと出て来るのだ。
これが「イワシの群れ論」だ。
この群れは自分に都合悪くなると、削除、削除を繰り返し、君とはもう友達じゃないよ、とバアーっと飛散する。と学者は話をすすめる。
水族館でじっと、ずっとマンボウを見続ける人々が居る。
マンボウは泳いでいるのか、漂流しているのか定かではない。
ただゆったり、のんべんだらりと常同行動をする。
体の半分を食い千切られた様な不自然な形。象の様な肌と小さな眼。
おちょぼ口が実にかわいい。
ネットに支配されてしまっている現代人に「もっとのんびり、ゆっくり生きなさい」と哲学者の如く教えを与える。
私は時間を見つけては自転車で20分位の処にある江ノ島水族館に行く。
魚たちを見ていると心が休まるのだ。特にクラゲが好きである。
素晴らしいデザイン物体だ。宇宙的ですらある。思想家の様でもある。
私は群れるのが大嫌いなので、イワシよりマンボウを先生とする。
クラゲにデザインを学ぶ。
但しイワシを食べるのは大好きだ。万能の魚だ。焼いてよし、煮てよし、たたいてよし、つぶしてよし。マンボウは決して食す気にはならない。きっと食えない奴なのだろう。権力に接近する思想家とか、哲学者も食えない御尽が多い。
使えない御用学者は始末に負えない。世が世なら天誅だ。
さてあなたは、イワシかそれともマンボウか。気がつけば毎週金曜日脱原発のデモが盛り上がっていたが殆どその姿は消えた。
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