金澤翔子さん ※写真は転載です |
七月二十三日(火)午後四時過ぎ、銀座は目の前が雨柱(こんな言葉はないかな)で見えない程の猛烈豪雨。降り落ちる雨がまるで一本一本の凶器の柱の様に一直線に突き刺さって来た。
四時半から赤坂溜池で打ち合わせがあるため外に出た。
一瞬で全身ずぶ濡れとなった。傘などは全く役に立たない。
雷鳴絶叫、天が怒り狂っている様であった。
天よ、何に怒ると問えば、先ずは猛暑にへたり込んだダラシネー私であり、嘘ばかりつきまくる東電であり、大惨敗なのに党の代表が責任をとらない民主党であり、全く訳の分からない選挙制度であり(何で緑の党の三宅洋平はワタミの渡邉美樹より多い18万票近くとって落選なのか)、どこまで人間を阿呆にするのかのバライティ番組であったり、辞めない全柔連の者共や、バックれまくるプロ野球のコミッショナーであったりと思われる。
五時半から銀座で打ち合わせがあり赤坂からトンボ返りをした。
三年前に亡くなった画家、宮トオルさんの奥さんが遺作リストを持って来るのだ。
奥さんはかつて私の処でコピーライターをしていた人だ。
宮トオルさんの未発表の絵を何とか世の中に出してあげたいと思っていたのだ。久々に見る宮トオルさんの絵はやはり素晴らしい。
独特の女性、独特のエロス、独特の風景、独特の色彩に心を奪われた。
そうだ直ぐ側にMEGUMI OGITA GALLERYという独特の絵や書や現代アートを発表させるギャラリーがある。そこのオーナーに見せに行こうとなり即行動をした。
生憎オーナーは出張中であった。来週また来るからと伝えておいてとギャラリーのスタッフに言った。
さあここでガァーンというものすごい書に目が奪われる。
ダウン症でありながらその書は天才の上を行く大天才と世界的名声を得ている書家、金澤翔子(雅号小蘭)さんの書を展示していたからだ。
NHKの大河ドラマ「平清盛」の題字の流麗にして豪快な筆走り。
「重厳雲雷」の四文字。二曲✕二曲の屏風の強烈な墨魂の塊。
一文字が一メートル以上、太さ三十センチ以上だ。書の雷に打たれ気絶しそうになった。へばっていた心と体に電流が走った。
人間はやっぱり凄い。五人で行って五人で驚嘆した。
病気だからと決してマイナス思考になってはならない。
人間は何かに挑戦しなければならい。私もたかが不眠症二十年位でへたってはならない、そう決意したのであった。とことんやってやる、猛暑も「猛書」で元気づけられた。
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