安井金比羅宮 ※転載です |
勝新太郎が演じた「座頭市」の中で必ずいう名セリフがあった。
「嫌な渡世ですねえ」と。義理も人情もない世の中を目の見えない按摩さんは嘆く。
鶴田浩二が歌ったヒット曲「傷だらけの人生」にはこんなフレーズがあり流行語になった。♪〜何から何まで真っ暗闇よ、右を向いても左を見ても筋の通らぬ事ばかり…。
「世の中真っ暗闇でござんすよ」とヤクザな男は世を嘆く。
人の世は縁と縁で繋がり合い、くんずほぐれつの悪縁が生まれて行く。
その結果あーあ嫌だ嫌だ、こんな悪縁を切ってしまいたいと人は願う。
京都東山に「安井金比羅宮」という高名な神社がある事をある年知った。
この神社は金毘羅信仰に加えて崇徳天皇の御神徳で良縁結びとも、悪縁切りでもご利益で名高い。
悪縁は婚姻、恋愛だけでなく人間関係全般的に加えて病気や不慮の事故、悪運、悪習癖(過度の飲酒、喫煙、ギャンブル)、借金、犯罪など広く悪から縁切りに霊感があるとして信仰を集めている。全国から悪縁、悪連と縁切りしたいという人々が集まって来る。大きな石を繰り抜いた穴をくぐり抜ける。
「縁切り縁結びの碑」という石碑には御札が何層にも貼られ、それはまるで御札の山。北国にある雪の住まい「かまくら」の様でもある。
一人ひとりその穴をくぐりながら願いを込める。地べたを這って出てくるのだ。
平安時代以前から藤の名所、見事な藤棚がある。
人間社会は一人では生きてはいけない。即ち嫌な事ばかり世の中にある、ほんのちょっとの良い事を見つけて世の中捨てたもんじゃないと心に言い聞かせるのだ。
悪縁と良縁の比率はきっと100対1位かもしれない。
手柄は自分の物、失敗は部下のせい、借りた金は貰った物だから返す訳はない。
あなたは新郎◯☓が病気で苦しむ時、辛い時も愛を捧げる事を誓いますか、ハイ誓います。あなたは新婦□△が病気で苦しむ時、辛い時も愛を捧げる事を誓いますか、ハイ誓います。アーメン。なんて誓い合った後輩が離婚の相談というか報告に来た。
盛大な結婚式ほど離婚率は高く、早い。どうしたんだよと聞けば、縁が無かった。
悪縁とは早いとこ縁切りしたかったと二人は口を揃えていうのであった。
一度京都の「安井金比羅宮」に行って来いよとFAXで送られて来た資料を渡してやった。
愚妻が突然、女性はねえ一度別れたいと思ったら絶対元には戻らないからといった。
男は未練がましいけどねと重ねていった。四人でみたらし団子を無言で食べた。
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