水玉のことを“ドット”という。
この水玉をドット、ドット、ドット描いている現代アートの巨人がいる。
その名を草間彌生(86)さんという。
2014年全世界の美術館における展覧会動員数第一位を達成した。
アタシって天才ね、天才ねといいながら下絵なしに一気に大作を描き上げて行く。
左手に食べ物を右手に絵筆で。
この女性は毎日病院からアトリエに向かい、その日ドットをドット描いてまた病院に帰る、ほぼ50年
近く?その繰り返しだ。外国に行った時はどうしているか分からないが、きっと同じような気の安まる場所があるのだろう。
草間彌生さんにとって一番安心でき
るところが病室なのだ。
気を病んでいるのかは分からない、何しろ天才だから。
頭の中にどんどん湧き出ることをドット描く。向こうから幻覚が出て来て、心が
鎮まる、描いているときが一番具合がいいようだ。倒れるまで、死に物狂いで描いてもっといい作家になりたいという。
「さよならベートーベン」という映画を
観た時、スランプになったベートーベンが森の中を歩く、あっ音楽がどんどん降りて来る、あ〜どんどん降りて来る、頭の中の五線譜に交響曲が書き込まれてい
く。天才の頭の中は見たことがない。
昨夜11時50分から55分(5分だけの番組)、現在のETV、むかしの教育テレビの「日曜美術館」を見た。1983年
の番組からだ。人間国宝の染色家「芹沢銈介」さんが下絵を描きそこを彫刻刀でグイグイ彫っていく。彫刻刀は下絵の通りに彫らない、下絵はあくまでアタリ、
下絵のまま彫ることはない。彫りながら出来上がりがイメージされる。
彫刻刀の動きは速い、凄い、森羅万象からあいうえをの文字まで自由奔放に芹沢銈介ワー
ルドが生み出される。天才は老人であり鋭い青年のようであった。
チャンネルをNHKに
した。完全放牧で牛を育てている酪農家が紹介される。
黒い牛たちが自然の草をバクバク食べて丸々と元気よく育っている。
画面が変わるとその牛たちがぶっ殺
されたであろうその後の姿がステーキになって映し出される。少し硬いわね〜とナイフとフォークが牛肉を刺し切り刻む。
番組のタイトルが「牧場の生き残りか
け牛の“命”と向き合う」であった。
生き残りをかけている、殺される牛のセリフだろうと思った。酪農家は牛を愛しでやさしく見えるが、牛から見ると怖ろし
い人たちなのだ。
クジラやイルカは哺乳類だから可哀想だと思うが、牛も豚も哺乳類だ。
複雑な気分となった。シーシェパードの人たちは牛肉や豚肉は食べてい
ないのだろうか。
もあれこの地球上でいちばん残酷な哺乳類は人間だ。
結局何でも食べちまうのだから。
英国の首相であったW・チャーチルが新聞記者のインタビューにこう応えた。
健康の秘密は何ですか「人を食って生きている」と。かくしてイルカは水族館に来なくなる・・・?おや、今夜はステーキですか。