四月十五日(土)我が国の指導者は北朝鮮から攻撃があるやもしれぬ、国はそれに備えねばならないという予測を十五日以前に答弁した。
金正恩の父の父、故金日成の生誕一〇五年記念日だったからだ。
軍事パレードを盛り上げるための記念にドドーンと核実験が予測されていた。
何しろ金正恩は正気でない指導者だ。
テレビでは相変わらず北朝鮮問題に詳しいという大学教授や軍事評論家、それにコメンテーター。北朝鮮から国会議事堂付近にヒロシマの原爆より小さな核爆弾でも死者数十万人、負傷者ん百万人、周辺の被害者ん十万人とかをシュミレーションしていた。
ミサイルの先にサリンのような化学兵器をつけてそれが落ちるとハルマゲドンだと。
戦後最大の危機と言ってもいいと言った。
さて我が国の国民はというと、桜の花の下でドンチャン騒ぎ、プロ野球は春風の中大観衆が大声援。テレビでは明石家さんまや古舘伊知郎がしゃべり続け、マツコ・デラックスは巨体をゆすって大笑い。
街にはどっと人が出て休日を楽しんでいる。
どうしようもない政党民進党は危機感ゼロで、オレはやめる、オレもやめるのやめるラッシュ。政党支持率0%でも年間に助成金を数億円もらえる、自由だ社民だ、なんとかのこころなんかは、その存在すら感じない。
小さな少女が変態ロリコンの見守り隊会長だかに残忍に殺された。
おぞましいニュースを見ながら、この国は誰を信じたらいいのかと深くため息をする。
北朝鮮の軍事パレードに新型のミサイルが登場したが、ハリボテの代物じゃないかと疑ってしまう。信じる者は救われるというが、信じるって何をと思ってしまう。
すぐに消えると思っていたピコ太郎は未だ頑張っている。
世も末になると、ええじゃないか、ええじゃないかと人は踊りだすと言う。
籠池事件はすでに遠い過去のようなものとなり、ベタ記事扱いだ。
一問一答!ハイそのメガネの人、アンタはダメ、ハイその派手なシャツの人と指を指している元東京都副知事の顔は、もしかして偽証でパクられるのではという恐怖が滲み出ていた。異常に甲高い声はすでにそれを証明している。
受けた恩を忘れることなく、その身は背広でない服を着ることだ。
桜の木の下には死んだ人間の魂があると誰かが書いていた。
坂口安吾の原作「桜の森の満開の下」という松竹の映画があった。
監督篠田正浩さん、主演は岩下志麻さんと若山富三郎さんだったと思う。
いちばんの悪を愛すという妖しい美女に会いに行くには桜の花の下を通らねばならない。但しそこを通ると人は狂ってしまうという。
都で悪業を重ね戦利品を手にして、女性の関心を得るために男はそこを通る。
十年近く前その映画の舞台となったお寺に親友と行った。
吉野の山桜を見に行く所にある。確かにそこには人を狂わす妖気があった(記憶は定かでない)。
岩下志麻さんと一度仕事をしたことがある。
ホテルオークラの部屋をとってそこで打ち合わせをすることにしていた。
ロビーで待っていた時、この世のものとは思えない美しい着物姿の岩下志麻さんが現れた。三十七、八才の頃だったと思う。
人が行き交うオークラのロビーは、言葉を失った人ばかりとなった。
岐阜下呂温泉の名館、水明館のグランドオープンのCMに出演してもらった。
イベントにも来ていただいた。
すべてが終わり最上階にある水明館の大浴場にスタッフと入りに行った。
一人ポツンと体を洗う人がいた。田中邦衛さんであった。
美しい奥飛騨を通って水明館。すばらしい旅館なので是非行って見てほしい。
四月十五日は過ぎた。北朝鮮のミサイルの発射は失敗だった。
私といえばジーンズにアロハ、ビーチサンダルで辻堂の「五島」という小さな天ぷら屋さんに昼を食べに行った。エビ、シシトウ、ナス、カボチャ、キスがのった天丼1,050円、
みそ汁、おしんこ付き。ビール中瓶一本、新聞を読みながら白菜の漬物を食べ始めた。
アタマの中には難しい宿題を抱えている。