「替え玉」といって思い浮かぶのは、ヤクザ者の抗争かなんかで相手をブチのめしたり、殺したりした兄貴分のために替え玉となって、自分が殺りましたと自首して出る。
替え玉として刑に服し、男だなオメエはとなり将来を約束される。
警察もよく分かっていて、オメエみてえな男があれほどの事件を起こす訳はネエ、よく根性出して自首して来た、オレたちに厄介をかけずによくやった。
といって特別に“面倒身”といういい待遇をさせてもらう。
兄貴分のために体を替え玉にした美談(?)は、検事の心証もいい、二、三割は刑がスヤくなる(軽くなる)。さらに刑務所に赤落ち(服役する、囚人服は赤かった)すると、全国から服役する極悪人や、極道者もヤクザ者の見本、男の見本だと一目を置いてくれる。この頃は抗争で相手のヤクザ者一人位の殺しでも、下手すりゃ無期懲役とか20年近く刑を打たれる。
かつてはヤクザ者一人の命は10〜15年位であった。それ故替え玉が出て来ない。
抗争事件の犯人を捕まえられない。そして警察の点数は下がる。
“ヘイ!かえ玉一つどーぞ”なんてラーメンを食べている極太(100キロか92キロ位)の男に、一つ、二つとかえ玉が来る。辻堂駅の前の金太郎ラーメン店だ。
白いスープ、細い刻みネギ、細い麺が人気でよく行列が出来ている。
かえ玉いっちょー、ハイ!いっちょよし、どうぞいっちょうと、三段階に復唱されて、極太男(スポニチを読んでいる)のスープのみになった丼ぶりにかえ玉が投入される。
私は醤油ラーメン派なので日曜日に入ったのが初めてであった。
極太男は麺をズルンズルンとすすりながら、チャーシュー丼というのを追加した。
丼ぶりの中のごはんが見えない位にチャーシューが10枚近くのっている。
その上にしこたまニンニクをのっけてガバガバと食う。
競馬大阪杯の本命キタサンブラック(北島三郎さんの持ち馬)のバカでっかい文字。
ボクもかえ玉と子どもの声、オッ少し席の離れたところにいた、極細の女性と10才位の少年は、極太男の妻子だったのだ。お父さんボク二つだよと言った。
極細の女性はビールの中瓶を飲み餃子を恐い顔をして食べていた。
私の中にある替え玉→任侠の男→義理堅き弟分のイメージがつゆと消えた。
荻窪のラーメン、丸福のかえ玉が見つからない。
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