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2017年4月12日水曜日

「鴨せいろとカレーそば」



「長寿庵のれん会」というのがある。東京中に相当ある。
その中で“鴨せいろ”が一番旨い!のは銀座一丁目、私の仕事場の近くにある長寿庵だ。
いままで多くの人にすすめたが、全員ここが一番!と言った。

神田の“並木”や“藪そば”なんて相手じゃない?
虎ノ門、赤坂の“砂場”なんて目じゃない?
遠くから鴨せいろを食べに来る。

昼時は超満員、で昨日はその時間を避けて午後一時半頃に後輩のアートディレクターと行った。外はざんざん降りの雨、サラリーマン&ガールたちは仕事場に戻りもういない。
一番奥の四人掛けのテーブル席に座る。
やけに体が冷えたので、菊正宗の一合を少し燗付けしてもらって、いいポスターができたなと乾杯する。

マグロの刺し身を一皿、それに鴨せいろだ。
ちょっぴり茶そば風、この茹で方が抜群にいい。
鴨肉がやわらかく程よく脂がのっていて上等。ネギとの組合せは正に鴨ネギである。
鴨汁の中にゴマを少々、これで風味十分。刻みネギはそばつゆ用にとっておく。
アツアツの鴨汁にいい感じの茶そば風を入れて、一気にすすり込む。
ウメェー、よくやった長寿庵と声を出す。
もう長い長い付き合いで、16才で入って来た店員さんが46才になっている。
みんな顔なじみである。

と、隣の隣に二人の男、会社員30才前後であった。
一人は寒いのか鍋焼きうどんを、もう一人は、やったぁ~カレー鴨南ばんそばであった。グレーの背広に白いワイシャツ、きっと何かが起きると期待する。
できればカレーそばを口に入れ、アッ、アチチ、そばを丼の表面に落とし、ドバンとカレーが飛んで、白いワイシャツに黄色い点々がハンティングワールドになるぞと息をこらしていた。

が、若いくせに首から白い紙エプロン掛けて、そばをいちいちレンゲの中に入れてから口に入れる。なんでえ男のくせしやがって、カレー南ばんはばんばん箸ですすれと思った。やっぱりそばより重いうどんでないとハプニングは起きないのかもしれない。
うどんなら箸からツルツルとすべり落ちて、ドボン、ギャハ、ギャハ、ヤベエ~となるはずなのだ。

鴨せいろ大好きな人、私に声掛けて下さい。
一度だけならいつでもおごります。1100円です。

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