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2017年4月19日水曜日

「その一言が」




17日(月)NHK BSプレミアムで見たドキュメンタリー番組「山口組VS一和会」は見応えがあった。
死者20数名、負傷者200数十人、民間人をも巻き込んだ日本暴力団史上最大の抗争事件であった。

山口組四代目竹中正久、若頭中山勝正、ボディガード南力を襲撃してヤクザの中のヤクザと言われた一和会幹部Iは現在六十八才歳となり未だ収監中である。
組のため親分のために体を張ったが帰る組はすでに解散に追い込まれてなくなっている。他の者も同じである。

30代の若者は本来なら金ピカの勲章を持って出所して大幹部になっていたはずだった。
刑務所で命を狙われ、外に出れば親の仇と命を狙われる。
親の仇を子が討つのはヤクザ者の掟である。確か空手家でもあったと思う。
番組は丹念に事実を語り、初めて見る映像を出した。
今何故この抗争事件を取り上げたかは分からない。

番組では取り上げなかったが、ヤクザ界は暴対法の徹底で構造的不況となり、一般社会と同じ後期高齢化、若手の人材不足となっている。
ハネてる(調子のいい)組とクスぶっている組との格差は広がっている。
子を守るのが親の務めだが、親は子を守るどころか、破門状、絶縁状を回状として全国に回す。子の犯した罪は、親の責任として扱われる。

襲撃された竹中正久山口組四代目は小さな頃から根性者であり、典型的なヤクザ者である。番組の中で元山口組顧問弁護士のY氏の話があった。
現在弁護士資格を失っている。老女と二人で小さな事務所を開いている。

Y氏は言う、このことが私と同意見であった。
なんでヤクザになるのかとの問いに、親の愛情、大人の愛情を知らずに育ったからだと。生まれながら親はいない、差別と偏見、親の離婚、片親と貧困、愛情を知らない若者はヤクザ者の世界の中に自分の住む家を見る、親分、兄貴分、兄弟分の愛を。
元顧問弁護士は小さな頃から周りが愛情を持って接して行けば、きっと多くの人間がヤクザ者にならなくて済むと。

番組のナビゲーターは沢尻エリカであった。テレビは今BSがいちばんだ。
何しろ視聴率を気にしないで番組が作れる。
ちなみに襲撃された四代目山口組組長竹中正久はただの武闘派でなく、実に頭脳明晰であり、子分を何より大切にする愛情深き人間であったとか、数万人になっていた組織は強い男だけでは後を継げない。

近頃、子を守らず自分の富だけを抱きかかえている親が多い。一般社会でも同じだ。
番組内で出てくるIとは多分石川某だろう。
伝説のヤクザ者として後世にその名を残すだろう。人間は愛で動く生き物なのだ。
元気にやってるか、腹は減ってないか、この一言がキーワードなのだ。(文中敬称略)

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