午後八時五分新橋駅、定刻通り沼津行が入線して来た。
昨日も又、財務大臣が佐川が、佐川が、佐川がを聞いて見苦しくうんざりだった。
又、改ざんされた、公文書に対し妻に聞いてみたら、そんなことは言ってないと言っていた。
だから関係してないと、これまた見苦しくうんざりだった。
列車が入線する前グリーン車に乗って座って帰ろうと、数分行列の後に並びながら、
細長く畳んだ夕刊を見ると英国では1000年分の公文書が保管されてあり、国民はいつでもそれを閲覧できると書いてあった。
公文書とは国家国民の公式文書であり、一文字たりとも改ざんは許されない。
今回の信じがたいケースは、例えで言うなら、六法全書を改ざんするようなものであろうか。
この国は一体全体どうなってるんだと思いながらホームいっぱいの人、人、人の中に居た。
殆ど無言であって、殆どスマホを見ている。こりゃ多分グリーン車も座れないなと思っていた。
入線して来た沼津行きはやはりぎっしり満員であった。
仕方ない、一度外に出て一杯飲むかと思ったが、早く家に帰ってやることがある。で、行列のルール通り順番に乗り込んだ。
立っていても980円の特別料金はしっかりとられる。
さて満員のグリーン車の中で、吉野家の牛丼を食べている人を想像して下さい。
最前列進行方向右側の窓側、年は二十六、七才、小さくて、細くてメガネをかけている。
誰かに似ている。そうだ芥川賞作家の芸人又吉直樹さんだ。勿論別人なのだが、テイクアウトしてきたであろう牛丼を、
ガツガツと食べているではないか、隣りに座っている中年のオジサンは、不快の極みのようにそれをニラミつけている。
心がイライラ、ムラムラと乱れているのが、立っている私に伝わってくる。
牛丼の臭いがプーンとする。
小さなビニール袋に入った紅しょうがを出して、割り箸でチョンチョンとつまみとりながら口に入れる。
オッオッと見ると生玉子のせであって、残り半分位になった、肉、タマネギ、紅しょうがとビビンバ状態にしていくではないか。
ビビンバとはかきまぜるであるからだ。
手の動きが箸と共にワサワサとする。
隣りのオジサンはいよいよ肩をゆすって、オレはヒジョーに不快だと表す。ズレたメガネを指で直しながら、
その若者のデイナーは続く。何だか腹が減ったなという気になり、やけに吉野家の牛丼か、牛すき膳が食べたくなっていた。
ラッキーなことに川崎で黒い大きなバックを持っていた男が、すいませんちょっとと言って立ち上がった。
つまり席が空いた。おおなんと川崎でと思いよろこんで座った。
そして私はいつも下りる辻堂駅を通過し、次の茅ヶ崎駅で下りた。
Why何故か、茅ヶ崎駅南口長谷川書店と浜田屋の間には、吉野家があるのだ。午後九時十七分十九分秒、私はそこに吸い込まれていた。
スイマセンとおだやかに若い娘さん(バイト嬢)に、特盛、ごはん半分、それにお新香と、生玉子単品でと注文をしたのだった。
朝日新聞はもともと司法に強い。検察のリークは朝日へと決まっている。そんなことを思っていた。
ひとまずレジ横にある水道と、緑色の液体石けん(?)で手を洗った。
やけに汚れていた。何だか気が重くなった。
安い、旨い、早い。特盛がすぐにテーブルの上に登場した。昨日友人と鎌倉在住の写真家「今道子」さんの個展を見に行った。
アジ、サバ、イワシ、コハダ、アナゴなど魚を使い、人形、鳥たち、果物と共にこれ以上ないという驚異の発想で、異次元の世界を生む。
フツーの人は言葉を見失う。
最高の栄誉木村伊兵衛賞をはじめ、幾多の賞を受けている。
クリエイターは絶対見るべし。昼食は当然、私の大好きな新富町、「寿し辰」のちらし寿司であった。
これも又、実に芸術的作品のように、美しい。