ページ

2017年10月5日木曜日

「中秋の名月の下」

昨日五時半頃から六時頃にかけて銀座一丁目から銀座七丁目まで歩いた。
銀座アスター店前からハリーウインストン、交差点を渡り、教文館書店から山野楽器、パンの木村屋から和光へ。
交差点を渡りニッサンを右へ曲がる。
それまで人混みはない。
がここから突然中国人たち観光客の集団と出会う。
バスが何台も並んでいる。
Laox(ラオックス)前で二重、三重の人垣となる。
歩道から人はハミ出していた。中国のGDPは低下したとはいえ8%近くあり、ベトナムも7%近く成長している。
抗日戦争をした国と、反米戦争をした国が日米の消費を下支えする。
インドもカレーばかり食べながら成長している。
広告代理店のボード(最高意思決定者の人たち)のメンバーだった男と久々に会った。
広告代理店も外資に支配されて大変だ。
新聞で知ったが○△代理店も大変だな、君たちも大変だろうなと言った。
君という親しい言い方をするのは、竹馬の友であったからだ。
待ち合わせたのはホテルのコーヒーラウンジ、慣れない事には手を出すなよと言った。
広告業は人が創った物を売るビジネス。
自分たちで仕入れたり、創ったりしたら絶対失敗するからと言った。
”武士の商法”、慣れていないことには決して手を出すなという事なのだろう。
少しばかり知りたい事があって銀座の隅っこまで出て来てもらった。
ある物販の相談をしようと思ったら先きにアドバイスをされてしまった。
そんなことは百も承知だよと言った。
それでも親切に何度も釘を刺された。
銀座、赤坂のクラブのママや、Barやレストラン、飲食店のオーナーたちが今年の八月九月は史上最悪だったと言う。
消費低迷と天候不順が大きな原因であった。
企業の接待利用もグンと減ったとか、上からのお達しでヤクザ者も遊ばない。
そこで選挙となるとお客はグンと減る。
選挙活動と思われたり、スキャンダラスな写真を撮られたら命取りとなる。
パパラッチが狙っている。
”もしもし絶対来てよ、絶対よ、絶対、もう大変なんだからお願いよ”、ケータイで必死にお客さんに営業活動をする和服の女性、銀座の路上でベーグレード(ベーゴマ)をするアジア人の子どもたち、銀座は中秋の名月の下、時が経って行く。
竹馬の友はそれでは又、とBMWに乗って消え去った。
なんだかモヤモヤの気分を抱えながら新橋駅へ向った。
この国はどんどん”変”になって行く。
選挙が終ると”大変”になっているはずだ。
新橋交差点のカラオケ屋の上にあるスクリーンに各党党首の顔が写し出されていた。
その横にマグロの解体で有名なすし屋さんの大看板があり、名物社長が長い包丁を持っていた。
日本を解体するようであった。
夜空には中秋の名月がぼんやり浮かんでいた。
交差点を渡ると立食いそば屋さんの、のれんがあり、その下から何本もの足が見えた。


0 件のコメント: