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2019年2月28日木曜日

「重病的国家」

結婚したけど出戻った。大きな声でわめきあっていました。不倫してたみたい。いつも派手な服を着てました。一日中子どもさんが泣いていました。奥さんの顔がよく傷ついてました。浮気してたんです。なんだか怖そうで刺青もしてました。時々お子さんが助けてと言って逃げてきました。 奥さん、アル中なんです。学校にはほとんど行っていませんでした。お子さんが最近みるみる痩せてしまって心配でした。女性の出入りが多かった。(逆に男も)大きなクルマで何をしているかと思っていました。資産相続問題でモメてたみたいでした。大した土地じゃないのに。早く死ねよと年老いたお父さんやお母さんをよくイジメてました。店屋もんばかりとってました。お子さんが引きこもりで、 もう何年も家から出てきません。どこに行くにも、よくタクシーを使っていました。宅急便の届くのが多くていつも噂していた。一体何をしている人かと。これらは何か事件が起きた時、ご近所さんや隣人達がよくレポーターのインタビューに答えていること。人間は人間をよく観察している。でも厄介のことや面倒に巻き込まれたくないから、関わり合いをしない。言葉も交わさない。人間には「内心」というものがある。この内心を事件が起きると、待ってましたと、喋りまくる人間が必ずいる。実はこの日が来るのを知ってたんだとばかりに。幼い子はみんなで守ってあげねばならない。声をかけ、励まし、助け合ってきたのが日本人だ。今、この日本人が毎日のように身内殺しをしている。もうマヒしてしまったのか、みんなテレビを見ながらビールを飲み、食事をしている。ウチには関係ねえやと。気分がダークになってきたので、「監獄のドン」というオドロオドロシイ韓国映画を見た。ドンと呼ばれている一人の男は、刑務所の中から政治家や役人、刑務所の所長以下全員を牛耳っている。クルマに乗って街に遊びに行ったりもする。世界中にギャングやマフィアがいるが、共通しているのは、悪党のくせに神を信じている。聖書の言葉をコミュニケーションに使う。彼等悪党にとってもっとも許せないのが、組織への裏切り、仲間への裏切りである。「監獄のドン」は敵対者、裏切り者に対して、まるでスプーンでメロンやスイカを食べるように、目玉をえぐりとる。「目には目を」だと言って笑う。歯を一本一本抜く。「歯には歯を」だと言って笑う。この映画にインスパイアされて、ある人への手紙の中に、このことを書いたが、今思えば少しグロテスクすぎたと反省している。が、ギャングやマフィア、暴力団などはもっとエグいリンチをする。ものものしい中でトランプ大統領と金正恩委員長がハノイで首脳会談をする。相方バズーカ砲で撃たれても大丈夫な特殊仕様のリムジンに乗って移動する。「核には核を」でディールする。資源をよこせ、資金をよこせと。「監獄のドン」は生きることへの執着心で凝りかたまっている。人は殺しても自分は生きたい。人間はどこまでも凶暴だ。100万人を殺せば英雄と言われる。だが一人殺せば殺人犯だ。質屋のゴーツクババアを殺した男は大学始まって以来の「犯罪学」の秀才だ。スッテンテンの貧乏だが、貧しい娘のためになけなしの金を与えてあげる。“罪と罰”のテーマは永遠に私たちに問いかける。人間は凶暴で、人間はやさしい。「監獄のドン」の最後どうなったかは映画を見てください。人を裏切っている人や、目玉が心配な人にはオススメしません。

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