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2019年2月5日火曜日

「恋重荷」

「花伝社」能楽のような名を持つ出版社の編集人を紹介された。紹介人はかつて「美しい黒星」という本を出版するお手伝いをした時に、 ライターとして協力してくれた須田諭一さんだ。この本は現在の雷親方、元関脇の垣添徹さん親子の心情あふれる本だ。ずっと黒星続きの父親を引退間際に、当時小学生だった少年が、大きな声で土俵に向かって、カキゾエガンバレと叫ぶ。 その姿をニュースが映し出した。そのニュースを見ていた人情家のお世話になっている会社オーナーが涙して感動した。で、私にこの感動を本にして出版しようと言った。是非もない。やりましょうとなった。本の題名は私に作らせてもらった。美しい白星はあるが、負けて「美しい黒星」もあると。で、花伝社の話だがある人たちから、ある本を出したいとの相談があった。そこで須田諭一さんを思い出して連絡をし、打ち合わせをして私の考えを伝えた。今日の4時に須田さん、花伝社の編集の方と、依頼者に会う。話がいい方向に行けば5月中旬を目指して一気に展開させる。もし決まれば相当に新しい本になる。この国の根本に関わる本となる。須田さんとはもう一冊話を進めている。これはまだ出版社は未定。花伝社と聞いてすぐに、世阿弥の「風姿花伝」を思い出した。私は能楽の知識は全くないが、嫌いではない。ひとつだけ記憶しているのがある。それは「恋重荷(こいの重荷)」身分の高い美しい女性に、身分の低い者が恋をする。美しい女性は、ならばこの重荷を背負って動けと、重荷を背負わせ続ける。身分の低い者は悲しい結末を迎える。確かこんな能楽であった。昨夜お世話になっているオーナーと6時から9時40分まで、ともに背負っている人生の四苦八苦、思い通りにはいかない人の心、人の運命、宿命、悲しさ、切なさ、情けなさ、まるで「恋重荷」の世界のような話をした。世阿弥は足利将軍義満に愛された(今で言う同性愛)美しい世阿弥は義満死後、室町幕府第6代将軍義教に疎まれて、1434年佐渡島に流刑される。その後は定かではない。その義教は、有力大名により将軍暗殺メッタ殺しに合う。因果は応報する。世阿弥は絶世の美少年だったという。戦国時代大名は美少年を競って愛し合った。「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」「恋の重荷」は人生の重荷。花伝社といい本が出せればと願っている。久々に能楽が観たくなった。実のところ私は能楽の真似には少なからず自信があるのだ。能楽は女子禁制、白洲正子さんが挑んだがあえなくやめた。女性の心は、男でないと表現ができない。


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