この頃よく思う。
どじょうにエサをたらふくあげたら、きっと大きくなって鰻になるのではと、その鰻の稚魚が年々減り続け遂に一キロ百万円、なんて事態になって来た。
台湾産や中国、韓国物なんかで値段をなんとか上げずにしのいで来た鰻屋さんたちもいよいよ大ピンチとなってきていた。
まして天然物を売りにしてきた老舗店にとってはもう限界となっていたのだろう。
私の大好きな鎌倉、その八幡宮の参道、若宮大路に面する四階建て「うなぎ」の当て字で「運納喜」の大看板を掲げていた名店「浅羽屋」が一月末をもって閉店する事となった。 1950年創業以来、鎌倉市民に愛されてきた。
作家川端康成、映画監督小津安二郎、陶芸家にして美食家の北大路魯山人、俳優の笠智衆さんなどに愛されていた。鰻の仕入れ価格が高騰した結果だ。
鰻の生態は謎に満ちている。
天然物でなくとも仕事場の側にある行きつけの鰻屋も1000〜2000円近く上がっている、800円の丼物は1800円だ。
鰻重に松竹梅がなくなり、2800円、3800円のみになった。
(昼どき)当然お客さんが以前の様に並んでいる日が少ない。
鰻の世界は奥深い、一人前の料理人になるには20年近くの日々を要する。
スーパーで買って来たパックされた鰻を食べると切れないガムを食べている様で悲しくなる。景気が鰻登りに登る日が待ち遠しいのだが。
円高を止めて円安にする、市場に“じゃぶじゃぶ”金を出すという。
その反動は“しゃぶしゃぶ”の様に脂味を抜いた肉の様に味がなくなる。
ゴマだれやポン酢につけなければ食べた気がしないものとなる。
自民党は盆と暮れが一緒に来た上に、はや夏祭りの気分だ。
民主党は気の抜けたビール状態だ。
未だ政党助成金がいっぱい残っているはずだから、みんなでまず鰻のカバ焼きをバカバカ食べて精力をつけるべしだ。
なんならぜひゴチにあずかりたいものだ。
こちとらにはもはや鰻は高価の華だ。